261 :00/00:11/12/11 21:19:08 ID:QYz1tdNl ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▲ ▲. .▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. .▲ ▲ . ● . ● . ● . ● . ● . ● . ▲ .▲ .▲ .▲ .▲ .▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本投稿は以下の続きとなります。 ttp://yy71.60.kg/kurobee/kako/1317/13175/1317540535.htmlの>>309- ttp://yy71.60.kg/kurobee/kako/1321/13210/1321098704.html 平貴族と召喚を足して2で割って、多勢力の介入を許したIFルートです。 かなり独自解釈が入っていますので、そういうものだとご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▲ ▲. .▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. ▲ ▲. .▲ ▲ . ● . ● . ● . ● . ● . ● . ▲ .▲ .▲ .▲ .▲ .▲ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!! CA ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次スレです。 ttp://yy71.60.kg/test/read.cgi/kurobee/1323605804/ 262 :01/00:11/12/11 21:19:48 ID:QYz1tdNl 突如、眼前に広がる見知らぬ見知らぬ光景に、やる夫は一も二もなく現状把握に努めた。 直前に感じた魔力による揺らぎの正体がやる夫の推察どおりであれば、最悪の事態もありえるからである。 |`''‐-―'´| |:::: :.. . .:.. | |`''‐-―'´ ,i'^'i, ,il: :: li, ,il: :: :: li, .,il: :: :: :: :li, .,il: : :: :: :: ::li, il: : : :: :: :: :::li .〈〉-〈〉‐〈〉-〈〉 {il=li=li=li=li=il} i :i: : i:: :: ::. i:::i i :i,/i ̄ ̄iヘi i,/i: : i:: :: :: i:::i :i :i: : i:: :: :: i:::i :i :i: : i:: :: :: i:::i |> i :i: : i:: :: :: i:::i .{i|i} i :i: : i:: []:: i:::i {il} i :i: : i:: :: :: i:::i |> {i|i} i :i/i ̄ ̄iヘi |> .|> ,i|i,___l'^'l_l'^'l_l'^'l_十li_il十_,―-:i/i: : i:: :: ::.i:::i__l'^'l_il ,i|i, ,i: : i, : : : : lニニllニニl: lニニl: : : : : : : : :ヘ: : :i :i: : i:: :: ::.i:::i: : : :.lニニl\ .,i: : :i, ,i: : : :i,: :.il゙li lv,∧,vl : :il゙li : : : :il゙li : : : :ヘ: :i :i: : i:: :: ::.i:::i: : : : :il゙li : : \ ,i: : : :i, ,i: : : : :.i, :il_li i,/: :ヘ.,l∩il_li: ∩: il_li : ∩ :ヘ i :i: : i:: :: ::.i:::i: : : : :il_li: : : : :`,i: : : : :i, {i,i_i,_i_i,i}_,lニl:く_i,i_i,i_>:_::lニl_:_:_:_:lニl_:_:_:_:_:_ヘi :i: : i:: :: ::.i:::i_:_:_:_:.lニl_:_:_:_:_:{i,i_i,_i_i,i} ヘ,、v,、/ | :| i :i: : i:: :: ::.i:::i ヘ,、v,、/ il:::.. li ∩∩.|,-‐-,|.∩ ∩∩ ∩∩ i :i: : i:: :: ::.i:::i ∩∩ ∩∩il:::.. li ilロ, ロli  ̄ ̄ |l.∩.l|. ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ i :i/i ̄ ̄iヘi  ̄ ̄  ̄ ̄ilロ, ロli il=ニ=li ∩∩ |ii,ii,ii,| ∩ ∩∩ ∩∩ i/i/i ̄ ̄iヘi ∩∩ ∩∩il=ニ=li ____ / \ / \ /\ (式場から一転、見知らぬ場所に飛ばされた……?) / (●) (●) \ | (__人__) | (目の前に居るのは学生と……講師?) \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. (最悪の事態の可能性があるお……) : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | ← 式の最中で帯剣していなかったため、 > ヽ. ハ | || 無手での戦闘を覚悟するやる夫。 \ カチッ / 【やる夫が心のセーフティを外しました】 263 :01/00:11/12/11 21:20:23 ID:QYz1tdNl やる夫の危惧した最悪の事態というのは、トリステイン以外の外国に飛ばされているケースである。 やる夫の立ち回り次第では、外交問題に発展しかねない為に、自重と冷静な判断が求められる。 他に目撃者が居ないのであれば、始末するのも一つの手ではあるが、あくまでそれは最後の手段である。 ____ / \ / \ /\ / (●) (●) \ 申し遅れました、私はトリステイン、オーリヤック県騎士団所属、 | (__人__) | やる夫・ド・ニューソクデ大尉であります。 \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. 差し支えなければ、現在位置と貴方がたのお名前と、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 状況説明をお願いできませんでしょうか? | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ← かすかに腰を落とし、臨戦体制をとるやる夫。 ζ て / ̄ ̄ ̄ ̄\ て / \ /| | | ⌒ ⌒ | これは失礼!? ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | 私はこのトリステイン魔法学院で | 〃 _||||||| | 講師をしております、コルベールと申します。 \ \_/ / \____/ 召喚の儀の試験を行っていた所、 /⌒ ⌒ヽ 貴官が召喚されてしまったようです。 / ヽ / /7 / 、 ', / // r ,! |: l:、 \: i l ,' // l / l !l l::ヽ、 ヽ l l l // l l::ーVィヽノ/::`ー\ U \l l |// l、z≠==ミ∨::::: z≠=x、l l : l え~と、ルイズ・フランソワーズ・ // : |く /`ヽ :::: / `ヽ /l l : l ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。 // . ', ゝ‐ ' ;: ` ̄ lil! l ! l //| :. l u ,'リ .: ', もしかして……その格好…… // | i : ト、 ャ─ -_‐ッ゙ /イ ; ! 結婚式の最中に召喚しちゃったの? ,.、// j l ; l l少 、  ̄ /l / : l r-‐' /7、 / / j / } l `l ー - ‐ ´! l ,' / l l と'_{ (/ノ /ハ '、{ /:'rィ´ \ ,.イ`k、l ,' i l ← 自分のしでかしたことの / _.、__〉 ',//ハ ヽ弋ヽ `兀´ / | ト、l i ! 罪悪感に凹んでいるルイズ嬢。 { 、__}:::厶ィ‐'´ l }ヾヘ\ 〆⊥\ / l l l ト、_l l、 _,.フ;:/ ヽ / ノー、 ヽ Y´☆`Y イ ヽ ! j { ヽ \ ピコーン / 【やる夫が心の引き金に指を添えました】 \ ビシッ / 【ルイズ嬢に精神ダメージ!】 264 :03/00:11/12/11 21:21:09 ID:QYz1tdNl やる夫の推察通り、この突然の事態は『召喚の儀』での強制召喚によるものであった。 とはいえ、召喚先がトリステイン国内であったことと、召喚主がトリステイン貴族の頂点に立つ 御三家の三の姫であることがわかり、やる夫は安堵する。 やる夫の立場としては国外への召喚という最悪の事態にならなかっただけでありがたい。 結婚式を中座されたとはいえ、まさに不幸中の幸いであった。 後はこの召喚の簡単な後始末をするだけである。 それさえ済めば、直ぐにオーリヤックへと帰れるであろう。 ____ / \ / \ /\ ええ、そうですお。 / (●) (●) \ | (__人__) | (国内だっただけマシかお……) \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. (しかし、無標的召喚とは無茶するお) : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | ← 警戒を緩めるやる夫。 > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | このような事態に巻き込んでしまい、誠に申し訳ございません。 ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | 学院講師として、私からもお詫び申し上げます。 | 〃 _||||||| | \ \_/ / \____/ /⌒ ⌒ヽ / ,' ! __/_ / l / l/ l l l ', ,' ,' lハ ´ ハ / ̄ ̄Vニ、十-!'′ .l l ! i ,' ! .izイ予ニ==、 } 、 ヘ/l ,l } l l . / / .l ト、`トr‐弌`ーイ ,イ ´メ`ト/Ⅵ i l l // l l ヽ!〉/ ̄ ̄゛´ ノ_.. - テ=ミ、 `X // ,i l /´ ! l ,〃:::::::::::::  ̄ 、代_ヾ'、 ィ'/'´/ ./l / , イ ,.l. l |i′ 〉 ::::::::ヾー外チ ′//〃 ,, イ´ / .l .l ll _ }/','ー‐イ´ / 人生の晴れの舞台に…… . / l !、ll ヽ > 〃.,' lヘ. / /l. ', \ ‐ 〃ノ .l ヽ. 本当にごめんなさい。 __ __ / __ ./ l ', \ ,, イ´ ,'-、'´`ヽ、 、 /::::`/ `ヽ_i, - l ', 丶 _... - ァ、''_l__/ / .Y `ー、 ヾ、::::::/ /:::::::::: l ヽ`ー- 、 / 〈´:/ / `´¨ `ヽ. ゝ''´ /:::::::::::::::', ヽ ∧l/ヘ y′ .ハ l i::::::::::::::::::::', ヽ-―- 、i/ /:::::l 丶 `丶、 ! :::::::::::::::::: ', .\∧ / /::::::::l、 ,, - '' `ヽ、 \ ピコーン / 【やる夫が心の銃口を下ろしました】 \ ペコン / 【ルイズ嬢が凹みました】 265 :04/00:11/12/11 21:21:43 ID:QYz1tdNl かの名門のヴァリエールの三の姫に頭を下げられ、やる夫は表情を和らげ、顔を上げるように笑い掛ける。 ここで傍若無人に振るわれていたら、式の邪魔をされた怒りがぶり返していたかもしれないが、 目尻に涙を溜めて謝られては、やる夫といえど毒気も抜かれる。 自分の非を認め、謝るべき時は謝れる少女の姿にやる夫は感心し、好感を抱いた。 立場があるが故に、非があっても謝ることができない事が多々ある貴族社会で、その素直さをやる夫は評価した。 ____ / \ / ― ―\ まあ、事故みたいなものですし、仕方ないですお。 / (●) (●) \ | (__人__) | (ヴァリエールって……『あの』ヴァリエールだお?) \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. (情報部の報告じゃ、『かなり問題あり』とは聞いていたけど、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i ちゃんと謝ってくれたし……ごく普通の女の子だお?) | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ← 脳内で貴族諸家大鑑を読み直すやる夫。 ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | とりあえず、召喚の試験はこれで終了ということで、 | 〃 _||||||| | 本件の後始末に移りましょう。 \ \_/ / \____/ /⌒ ⌒ヽ / \ / / :.:.:..丶 / / / :/ \ :.:... :.:.:.:. ヽ ./ / l .:.l: / \ .:.ヽ丶:.:`、 :.:.:.:. ハ l l | .!.{ :.:.{:._{_, :._ヽ:斗:ト:.',.:.:.l:. :.:.:.',:.:.} | | l.:l厶.:イヽ:.ヽ :.:..ハ.:l_}ヽ..}ヽ|:.:.:.:.:.:}:/ i i :V _ヾ{z=k:ハ..:.:/' ィ戈''〒ヾl:.:.:./∧ ノ :∧. :ヽ ,ィf戈. ノ! }.:/ V≧ソ /:/:K:.:.:.ヽ では、ミスタ・ニューソクデとキスして、 / .:/ :ハ :.:',` ヘ≧=' '´ ´ ̄ イ:.:.:.:.|:.:.ヽ:.:.} 契約すればいいんですか? / ..:.:/ :.:.:ヘ. :ヘ .::::::::::::::::: ' :::::::::::::. !:.:.:.:.l :.:.:.:.:/ / :.:.:/ :.:.:.:.:ム :.:.'、 , ′:.:∧:.:.:.:.{ ヽ :.:.:{ :.:.:./ .l :.:.ト、 '´’ イ:.:.:.:.:./ ヽ_:.:.:ヽ、 )ノ :.:.ヽ:.:.:.j ! :.:l. > 、__, ィ'´ /:.:.:.:.:./ `ヽ:.:.::.:.: ̄ `ヽ , -一' :.:.:/ :.∧ } :.:.:V | 〉く ./ :.:/ l:.:.::.:.::.:.::.:.: } / .:.:.:.:/ .:.:.{ \/ .::.:.l Ⅳ⌒ヽ// /:/ ヽ :.:.::.:.::.:.:.,' . / .:.:.:.:/ .:.:.:.:.l / :.:.:.:} マ=マ' / /.:.:ヽ ∧:.:.:.::.:.:/ { :.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:./ .:.:.:.人 弋7 { :.:.:.:.:ヽ___ / l:.:.:.:.:/ `ヽ :.:.:.:ヽ :.:.:./ .:./ ヽV∠-ヘ :.:.:.:.:.:\ !:.:.:.:.{ ノ :.:.:.} :.:.{ ..:.:.:./ / ヘ :.:.:.:.:.: ヽ. |:.:.:.:.:ゝ __ノ! ヾニ二 人 :.:/ :.:.ヽ :.:.:./ ∧ \ :.:.:.:.:.:.:.j |:.:.:ヽ:.:_ノ \ ピコーン / 【不倫フラグが立ちました】 \ ガタッ / 【国家斉唱、皆様ご起立ください】 ● ┠~~~┐First kissから始まる ふたりの恋のHistory ┃ ● ∫この運命に魔法かけた 君が突然現れた ┠~~~┘ ┃ 266 :05/00:11/12/11 21:22:11 ID:QYz1tdNl 少女の言葉にやる夫は耳を疑う。 隣に居たコルベール師も聞き返していたから、聞き間違えではあるまい。 そして、少女も困惑していた。 その表情から自身の言葉のどこがおかしかったのか、わかっていないようであった。 ____ / \ / ― ―\ / (●) (●) \ | (__人__) | えっ!? \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | | 〃 _||||||| | えっ!? \ \_/ / \____/ /⌒ ⌒ヽ ,. -─── 、 // / `ヽ _ /.:./ / / .:. / \ /__ `ヽ / .:.:./ / ,斗-- 、:{:. .:. ヽ ヽ .{ ( ヽ ', / /: イ´l .:|l.:.:∧:|.:.:.: .:斗ー ', ゝ' ,. -ー' ノ l ..:.:|:.:. | ィチ才ミヾヽ.:.:.:/厶.: / .: 〉 / / ̄ l.:.:.:.!:.: ∨ }:ヘ.リ ノ/仟テk';.:./ィ/ / / ノ.:.::人:. ヽ ゝ-' ト;'ソ//! __`´ /.:./.:.:.ヽ:. ヘ ` ` |:.: | (__) /.:./.:.:.:.::.ノ.:}:. ', __ ,:. | /.:./.:.:.:.:.:.:/.:.|.:.:. l ´ ´ /.: | えっ!? .:.:./.:.:.:.:.:.:.:./_ィ.:.:.:. 小 イ/:.:.:.:. l .:.〈.:.:.:.:.:./ ./.:. }_,工,.´ー=〈:.:.:.:.. ヽ :ノ.:.:/ /.:.:.:.: /.、 ∧ ̄入ヽ:.:.:.:. \ /r' ─- 、/.:.:. / ∨_ノ´\l/ \:.:.:.:.: ヽ .:.:.l /.:.: / \ \ /ヽ/ / ヽ:.:.:.:.:.:.: 〉 / /.:.: / \ \ ヽソ / }:.:.:.:.: / \ パンッ / 【やる夫が心の銃口から紙吹雪とハトが出ました】 267 :06/00:11/12/11 21:22:36 ID:QYz1tdNl この少女は他人の結婚式を台無しにしてしまって、いささか混乱しているようだ。 そう考えたやる夫は後始末の指針を口にする。 本来なら、召喚した側が提示するべきことだが、ここはやる夫から助け舟を出すべきと判断した。 ____ / \ / ― ―\ / (●) (●) \ | (__人__) | いや、貴族間召喚だから、 \ ` ⌒´ / 召喚なんて『なかった』んですお? ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | ミス・ヴァリエール。 (6-------◯⌒○- | | 〃 _||||||| | 貴方は召喚の儀の試験には合格しました。 \ \_/ / \____/ ですから、契約までする必要はありません。 /⌒ ⌒ヽ .::: .:::: /i |:::::!::i\| .|::::. .!.. :. __,,,i,,,,__ .......:::: :::::: ''メ-、;;;_人:';:::!\!::::: ,.-'^|: !::/ .,.┬ 、 `ヽ、 :::::;::' :::::::: | | `'ァ-、;|_ レ'!::'゙ .:;':: /::|__|::::! .) i '" .:::::::i:::: | `ー-‐' ノ、;;_ノ|::/:::::ノ:::;/レ'r‐'゙ _/ ::::::::::::::|::: i /', / ノ`'ーノ_/レ' .|__「 :::;-''" ̄ ̄``ヽ、 `''゙ `''゙ ./ :;' ┌┐ / r'" ̄ ,) )'、 _,,,.. 、 i' :|  ̄ ! _,ゝ'、;/ /.. \ \_,,.ゝ ! ', ……えっ? `''";;;;;;;;;;| r'゙:::::::::::. ',ヽ、,,__,,. -''゙ `ヽ、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;i二!>:::::::: ,! ∧,ヘ;;;;\;;_::::::::...... \ 使い魔を召喚して、契約して従えるのが ;;;;;;;;;;;;;;:-''"::::::::::::::: //r''⌒ヽ;;;;;;;;;;;>:::::::::::::::::::. ', 召喚の儀の試験ですよね、 ;;;;;;;/::::::::::::::::::::::/;;\! );;/::::::::::::::::::::: / コルベール先生? \ ピコーン / 【不倫フラグが『なかったこと』になりした】 268 :07/00:11/12/11 21:23:09 ID:QYz1tdNl 『召喚の儀』の定義に若干の齟齬があると判断したやる夫は、順序立てて説明する必要があると感じた。 この少女は召喚した対象は、契約までしなければ試験に合格できないと思い詰めているように見えたからである。 ____ 通常、召喚の儀は予めマーキングした対象を用意して、 / \ 形式上の召喚を行い、契約の手順を踏みますお? / ― ―\ / (●) (●) \ 逆に対象を用意しない召喚は『召喚者の技量でどれだけ | (__人__) | 高位の存在を召喚できるか』を問うものですお。 \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 前者は召喚した使い魔との契約が目的であり、契約は必須です。 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 後者では召喚は手段であり、契約は必須とは言えませんお。 | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || お分かりいただけましたか、ミス・ヴァリエール? ζ ミス・ヴァリエール。 / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ 貴方はミスタ・ニューソクデという騎士を /| | | ⌒ ⌒ | 召喚して見せました。 ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | 人間を召喚するだけの技量を有していることを | 〃 _||||||| | 証明して見せたのです。 \ \_/ / 契約まではしなくていいです。 \____/ /⌒ ⌒ヽ ……というか、契約してはいけません。 / / 、 \ ヽ 、 l / | \ ヽ ヽ ', |/ / 人 ヽ, ', | ! || !. l 、| / ヽ l /l |_, ! ヽ ヽ |l | /ヾ|、 ノイ /! /_,|イ'l´ | \ ……えっ!? 〉!ヽ\|ー,‐≧、,ノ /_ノ≦___| / ト、 ヽ / |\! ゝー'゙  ̄ ´ ゝ、_ノ 7 .! ヽ \ そうなんですか? / | | / |ヽ、| 〉 ヽ | l u u./. |:::::::メ, / 〉 r'゙/ ヽ ー─--、 / |::::::::::::}_ / / {./ |>- ` ー一'_, イ /:::::::::´::::::ヽ `ヽ / r'7 ノ:::::∧` >< / /:::::::::::::::::::::::ハ ` 、 / /´/ ∧:::::::::∨ ,、 ∧ ヽ; -ー' ´::::::::::::}. \ . / |::/ /::::::\:::::∨ | /:::::ヽ \::::::::_,::::ハ \ 〈 / /:::::::::::::::\ ヽ7::::/::ヽ ヾ´::::::::::::::::l \ ヽ / /::::::::::::::::::::::::`::^__´::::::::::l |::::::::::::::::::ヽヽ ヽ } 〈 ∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'一::〉 l:::::::::::::::::::::', | / 〉 ∧ ヽ::::::::::::::::::::∧:::::::::::::/ /::::::::::::::::::::::∨ / . / |:::::ヽ ',::::::::::::/| ト;:::::/ /::::::::::::::::::::::::::::ヽ / . / l:::::::::} }::::::/ || || ∨ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::\〈 \ ピコーン / 【ルイズは こんらん している】 269 :08/00:11/12/11 21:23:37 ID:QYz1tdNl まるで初めて聞いたかのような反応を取る少女に、やる夫は説明を続ける。 やる夫としても少女の反応に困惑するばかりだが、とりあえずは素直に聞いてくれるだけでもありがたい。 ____ / \ / ― ―\ / (●) (●) \ 仮に召喚したのが動物なら、 | (__人__) | そこまで問題になりませんお。 \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 野良ならば、そのまま従えればいいですし、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 家畜として飼われていても、 | \/゙(__)\,| i | 迷惑料込みで買い上げることで解決しますお。 > ヽ. ハ | || ζ 同じく召喚したのが平民ならば、 / ̄ ̄ ̄ ̄\ 召使いとして召し上げることで解決します。 / \ /| | | ⌒ ⌒ | 他の貴族に仕えていた場合でも、 ||||||||| (・) (・) | 儀式の結果ということで (6-------◯⌒○- | 相手方に迷惑料を払い、示談とします。 | 〃 _||||||| | \ \_/ / しかし、貴族同士の召喚は \____/ 『なかったこと』にするのです。 /⌒ ⌒ヽ しなければならないのです。 / ヽ / / / l ', ,' /l ,イ l ヽ ! l | 」斗|ヤ |、 l ,l l | l l、{ィ|メ、\ j``トx.',' l | でも、神聖な儀式を…… |// l ヒノ )ノ,圷ミ/ l l 『なかったこと』にして大丈夫なんですか? / ::l:::: ' └イ ,/ ,' ハ / i ,\ 、 ::::/ / l | ハ:: ヽ |. ヽ ::::`ーェr イ,' / l | l/:: ) / ヽ l__// _,/ /l`ヽ、,| \イヽ、 〈 | ::l / /l、ノ| ゝ、ヽ ヽ、 \:::..\ ヽ l ::l レ' ,|_/|/ 〉 l , ‐ヘ::.. \::.. ) ノ / ::l (戈) ,/ ::|イ /:::: ∨ /´ ::\::ヽ、| l ,/::/ ,/::::::: } ,' ::| ヽ ::}.| | (::{ /::::::::: // ヽ、 ::::| レ' | l lヽ} /::::::::: /:: / ノ ::::::| l , / /::::::::: {/ (´ l :::/:| ヽ| l // /l:::::::: /: \ ,.‐- 、 )/l /::::| Y l,/ / |:::::: 〈::. ヽ、 \ { :::::::::::::::`ノイ ∧| |/ / ',::::.. ヽ:: l、 ヽ `ー 、:::::::::::::::N / / / ヽ::: l:: ハ / /.:::::::/ ,/ / / , \/l: / \( /.::::/,.イ´| / l |ヽ、 l V \ ピコーン / 【ルイズは こんわく している】 270 :09/00:11/12/11 21:24:22 ID:QYz1tdNl 少女は敬虔な思慮の持ち主のようだ。 だから、神聖な『召喚の儀』を全うしないことが許されるのか、当惑しているのだろう。 やる夫とコルベール師は、そんな少女にどうして『なかったこと』にするのかの説明を続ける。 ____ / \ 貴族同士の召喚がアリなら、 / ― ―\ 神聖な儀式を盾にした拉致が / (●) (●) \ 正当化されることになりますお? | (__人__) | \ ` ⌒´ / 例え偶然であったとしても、 ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 家を継ぐ長男が召喚され、使い魔として奪われ、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 跡継ぎのいない一族が滅んでも、 | \/゙(__)\,| i | 『神聖な儀式だから仕方が無い』とは言えませんお。 > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ 始祖ブリミルにより召喚の儀の技法が完成され、 / \ 優秀なメイジが意図せずに、貴族を召喚してしまったケースは /| | | ⌒ ⌒ | 過去に何度もありました。 ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | その結果、報復召喚や、刃傷沙汰の奪還事件や | 〃 _||||||| | 御家断絶問題、御家間抗争にまで発展した過去の反省により、 \ \_/ / 貴族間での召喚は『なかったこと』にするのが \____/ 暗黙の了解となったのです。 /⌒ ⌒ヽ / : : / . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : . 、: : : :ヽ / : : / . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : l / . : :/. : : : : : : : : : : :l: :1: : : : : : : : : : : : : : : : : : ',: :.:1 ./〃: /. : : /: : : : /: : : {:. |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 1: :| l/ Ⅳ{: : .:. |: :{: :{1: : : :ヽ:|: : : : : :l : : : : : : 1: : : : : : l: ::| {: {: : :.: |:.:.:|: :.| 1::ト、: : :ヽ: :|:.:}:|ヽ::l: l:!: :.l: : : : : : :l: ::| Ⅵ. : :.:.|:.:十-|-|_:Lヽ: : : :、L_|:.|__l:lLi:l_: :l_: : : : : ∧: | ト、. : :|\|ヽ1_ヽ{ `V: : : l 」:ノ__lノ リ):〃7`: : :/ ハ:ヽ //|\:|ィ≧〒テ弍 }: : ノ弍〒弐テチ=: : : :./:/: : l: : \ //: \: :1`ヽ 辷ソノ ノ/ `込ソノ´ノ7.: : : /`ヽ: : l: : : : そうだったんですか。 ノ^Y^1 : : ', , , , , , , , , , , , , /. : : /.:.:.:.:.:.:.:`ヽ : : ノ:.:.:.:.:l.:.:.1: : :.', ′ /: : :./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', : 私、そんなことも知らないで…… (.:.:.:.:.:.:.l.:.:.:1: : : ヽ rっ /. : : /.:.:.:.::::::::::::::::::::ヽ 本当にごめんなさい。 ヽ.:.:.:.:.l.:.:.:.1: : : : :い> ,. イ. : : : /.:.:.:::::::::::::::::::::::::::: ト、.:.:.l.:.:.:ノ . : : : :ヽ1 `二7´ /: : : : : l.:.::::::::::::::::::::::::::::::::: |.:.:ヽ|.:./ . : : : : : } ∠Vく /. : : : : : |.:.::::::::::::::::::::::::::::::/ ト、.:.:.:/ . : : : : : :.八/ <☆> V: : : : : : : :|.:.:.:.:::::::::::::::::::::::/ : |.:.:.::/ . : : : : : : :/.:.:.:V {ネ}V: : : : : : : : :\.:.:.:.:.:.:.::::::::::/: : : \ ヒャッハー / 【ヴァリエール対オーリヤック県戦争が回避されました】 271 :0A/00:11/12/11 21:24:51 ID:QYz1tdNl 本当にその辺のことを知らなかったらしい少女は、表情を曇らせる。 知っていたのなら、貴族を召喚する可能性のある無対象召喚なんてできなかっただろうし、 貴族相手に契約のキスするなんて口にできなかったのだろう。 自分の無知が取り返しの付かない事態を巻き起こしかねなかったことを、 心の底から恐れているようであった。 それにしても――目の前の少女は無学には見えない。 遠方に離れたオーリヤックから、貴族であるやる夫を召喚して見せたことからその実力は確かである。 だが、その実力に反して、貴族として知っていて当然のことを知らなかったというのは、いささか解せない。 それだけの実力を持っていたなら、自分が人間を召喚してしまう可能性があることに思い至るであろうし、 少なからずその対処に苦慮することから、そもそも無対象召喚をしようとも思わないであろう。 致命的に実力と知識がつりあっていないのである。 ____ / \ そういった話を御付の学友から聞きませんでしたか? / ― ―\ / (●) (●) \ ……いや、ご実家で教育係から聞いてますお? | (__人__) | \ ` ⌒´ / (ヴァリエールほどの名家なら、 ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 その辺の教育はしっかりしてるハズだお……?) : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | ← 過去に使い魔を欲しがり、父にその辺の事情を > ヽ. ハ | || 口を酸っぱくして教えられた経験あり。 ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | いえ、ミスタ・ニューソクデ。 | 〃 _||||||| | \ \_/ / ミス・ヴァリールは単身でこの学院に \____/ 入学されてます。 /⌒ ⌒ヽ 御学友は伴われていません。 / ヽ / : : : : i /| ∧ :. : ', l | : : : : : :l /|| \ : : :. /ヽ ハ l\ |: : | {ハ | : : : : : : |≠‐-ト_'"`ヘ: : : : /゛"廾十|-ノ-、_\ l: : : ! 実家に教育係は居ませんでした。 |: | .: : : : :/≧x=ェュ、_ ヽ: : : }. レ_,zzxニ≦ ヽ !: : : ! ヽト、 : :.l: :ソ ,ィ{. ん=イ , }: :./ ,彳 弍..イリ 了 {/: : : : ハ 私を育ててくれたのは母です…… ヾ\| ', /≠- '¨ j/ ⌒ーご~つ ヽ: : : : : : : \ | :ヘ/ノ:::::::::::::::::: , ::::::::::::::::: l l '_!:ヽ: : : : : \ / : : : ', :::::::::::: ::::::::::::::: l !_,'::::::::ヽ:.: : : :. \ / : : : : ', _ !ノ |::::::::::',: : : ! : : : : : 人 f-  ̄ ̄ ニi / .l:::::::::::::',: : l : : : : : {: : :> `ー = ―-` ,イ i::::::::::::::::ヽ . | ヽ: ..: \/::::::::::> 、___ <../ /::::::::::::::::::::::ヽ . \ ヽ: : : :.\:::::/ \ 、 , / /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ \ ヽ : : : ゞ .\/⌒ヽ ∧ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ \ カチッ / 【やる夫が地雷を踏みました】 272 :0B/00:11/12/11 21:25:21 ID:QYz1tdNl ルイズ嬢の告白にやる夫の顔が歪む。 『破家者の嫁とそれを擁護するヴァリエール公の愚行により、譜代の名門ヴァリエール家は崩壊の憂き目にある』 『譜代の誉れのヴァリエール家がまさか』と情報部の分析を一笑に付した在りし日のやる夫であったが、 まさか三の姫の口から名門譜代家の現状を聞かされては、認めないわけにいかない。 貴族とは名ばかりの出自の婦人が、未来のヴァリエール家を、ひいては未来のトリステインを担う 姫の教育を邪魔するどころか、謝った知識すら植えつけている恐れすらあるのだ。 その一端がやる夫も巻き込まれた無対象召喚である。 その危険性ゆえに止めなかったコルベール師も迂闊だが、人間を召喚するほどのルイズ嬢の 技量が規格外なのもあるし、御三家の次期当主相手に止められないのも無理はない。 ____ / \ そうでしたか、それは失礼を致しました。 / \ /\ / (○) (○) \ 御母堂は使い魔をお使いになられずに、 | (__人__) | その辺の事を教えることを失念されていたのでしょう。 \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 とはいえ、次からは事前にコルベール師に : | '; \_____ ノ.| ヽ i 相談されることを進言いたしますお。 | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ミス・ヴァリエールほどの技量での無対象召喚は危険ですお。 ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | 申し訳ない、ミス・ヴァリエール。 (6-------◯⌒○- | | 〃 _||||||| | 私は貴女の技量を見誤っていたようです。 \ \_/ / \____/ /⌒ ⌒ヽ / \ / / :.:.:..丶 / / / :/ \ :.:... :.:.:.:. ヽ ./ / l .:.l: / \ .:.ヽ丶:.:`、 :.:.:.:. ハ l l | .!.{ :.:.{:._{_, :._ヽ:斗:ト:.',.:.:.l:. :.:.:.',:.:.} | | l.:l厶.:イヽ:.ヽ :.:..ハ.:l_}ヽ..}ヽ|:.:.:.:.:.:}:/ ……お気遣いありがとうございます、 i i :V _ヾ{z=k:ハ..:.:/' ィ戈''〒ヾl:.:.:./∧ ミスタ・ニューソクデ。 ノ :∧. :ヽ ,ィf戈. ノ! }.:/ V≧ソ /:/:K:.:.:.ヽ / .:/ :ハ :.:',` ヘ≧=' '´ ´ ̄ イ:.:.:.:.|:.:.ヽ:.:.} / ..:.:/ :.:.:ヘ. :ヘ .::::::::::::::::: ' :::::::::::::. !:.:.:.:.l :.:.:.:.:/ / :.:.:/ :.:.:.:.:ム :.:.'、 , ′:.:∧:.:.:.:.{ ヽ :.:.:{ :.:.:./ .l :.:.ト、 '´’ イ:.:.:.:.:./ ヽ_:.:.:ヽ、 )ノ :.:.ヽ:.:.:.j ! :.:l. > 、__, ィ'´ /:.:.:.:.:./ `ヽ:.:.::.:.: ̄ `ヽ , -一' :.:.:/ :.∧ } :.:.:V | 〉く ./ :.:/ l:.:.::.:.::.:.::.:.: } / .:.:.:.:/ .:.:.{ \/ .::.:.l Ⅳ⌒ヽ// /:/ ヽ :.:.::.:.::.:.:.,' . / .:.:.:.:/ .:.:.:.:.l / :.:.:.:} マ=マ' / /.:.:ヽ ∧:.:.:.::.:.:/ { :.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:./ .:.:.:.人 弋7 { :.:.:.:.:ヽ___ / l:.:.:.:.:/ `ヽ :.:.:.:ヽ :.:.:./ .:./ ヽV∠-ヘ :.:.:.:.:.:\ !:.:.:.:.{ ノ :.:.:.} :.:.{ ..:.:.:./ / ヘ :.:.:.:.:.: ヽ. |:.:.:.:.:ゝ __ノ! ヾニ二 人 :.:/ :.:.ヽ :.:.:./ ∧ \ :.:.:.:.:.:.:.j |:.:.:ヽ:.:_ノ \ ピコーン / 【やる夫の不器用なフォローは通じました】 273 :0C/00:11/12/11 21:25:45 ID:QYz1tdNl 貴族間召喚は『なかったこと』にする。 貴族の家同士の諍いを避けるための暗黙の妥協点(ルール)とはいえ、神聖なる儀式の結果を 反故する内容なので明文化されてはいない。 あくまでも二家間で人知れずそう処理されるのが半ば公然化され、慣例化されているのである。 貴族にはそういう暗黙の了解が幾多にも存在し、口伝により親や乳母、教育係から伝えられているものである。 しかし、ルイズ嬢の母であるヴァリエール夫人は平貴族の出であり、譜代の家風や風習に通じている訳ではない。 その母に育てられては、ルイズ嬢の脇が甘くなるのも無理はない。 とはいえ、無対象召喚で人間のやる夫の召喚に成功したのは本人の資質と、類稀なる才能のなせる業であろう。 それは純粋に特筆に価する成果である。 やる夫は少女の技量に、賞賛の言葉を贈った。 ____ / \ / ― ―\ / ( ⌒) ( ⌒)ヽ | (__人__) | とりあえずは、召喚の儀、 \ ` ⌒´ / お美事にござりまするお。 ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 試験合格おめでとうございますお。 | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | おめでとう、ミス・ヴァリエール。 | 〃 _||||||| | \ \_/ / 諦めずによく頑張りましたね。 \____/ /⌒ ⌒ヽ /: : : /: : : :/: : : : :|: : /{: : : : : : : :.l: : : : : : : '. ′: : :{: : : :.|: :入 /{: : { |: : : : : :!:|: |: : : : : : : :} |: : : : :|: : : :.N: rチ≧ュx_,|: :ト : : :}ノ≦: : ハ: }: :/ |: : : : :|: : : : |イ ト、__,小Vノ|: : : ィテヾ}: /: }/レ |: : : : :|: : : :.:| V:zソ ノ/ Kイ レ'};ノ ノ : : : /!: : : : :! xxx 、 ゞ’ !l:.| ……はいっ! /: : : :./: |: : : : :| xxx 从{ /: : : : :./: : :!: : : : :ヽ r ァ 人: | ありがとうございます!! /: : : : : :./: : :.∧: : : : : \ イ : : V:、 / : : : : : : /: : : /:.∧: : : : :.∧> - イ:l : |: : : :ヽ:ヽ /: : : : : : : :/{:_:_,ィ三三}: : : : : :∧>、ムハ|┴ミx: : : : :\\ . /: : : : : : : :/イ三三≧ミ7: : : : : : : }/〉女 }三マム: : : : : :ハ: :ヽ {: : : : : : :.:/三三三三三}: : : : : : : トくイ ヘノ三三}: : : : : : :|: : :ハ ヽ; : : : : /三三三三三7: : : : : : :/三ミx‐/三イ歹ハ: : : : : :}: : : :.} }: : : :{≦三三ミ≧iⅣ: : : : : : /三三マ三7少三i}}: : : : /|: : : / ): : ;イ三三三三三/: : : : : : :/i三三三≦三三i7: : : : {/: :イ /: ;_タ三三三三三7: : : : : : :/三三三フ介≦三/: : : : : ∨:.∧ ./: /三三三三三三{: : : : : :.:/三三≦彡イ|ミx≪{: : : : : : : V: : ヽ \ ピコーン / 【やる夫がさりげなく話題を変えました】 \ ピコーン / 【ルイズ嬢が試験に合格しました】 274 :0D/00:11/12/11 21:26:24 ID:QYz1tdNl ルイズ嬢の顔にようやく笑顔が浮かび、やる夫も安堵の息をつく。 やはり若い娘が沈んだ顔をしているのは、やる夫としても心苦しい。 ルイズ嬢が召喚の儀の試験に合格し、召喚そのものは『なかったこと』にする同意は取れるだろう。 そうすれば、晴れてやる夫はお役御免となる。 式場の参列者が早まった行動をする前に一報を入れて、早く帰って心配しているであろう幼な妻を安心させなくては。 そう考えるやる夫ではあったが、同時にこのまま帰ってもいいのだろうかという思いも湧いてくる。 御三家の次期当主となるルイズ嬢が能力はあるのに、文書にない知識に欠ける現実を知ってしまった。 このまま見て見ぬ振りをするのは、オーリヤック、引いてはトリステインに忠誠を誓う騎士として余りに無責任ではないか? ルイズ嬢は聞く耳を持たない狭量な人間ではない。被害者であるとはいえ、一介の騎士であるやる夫の話に耳を傾けていた。 ほんの少し、やる夫が必要な知識を与えれば、立派な当主へと成長するであろう才覚を滲ませているように見えた。 とはいえ、他家の事情に口を出す内政干渉はご法度だ。 そもそも、同じ譜代とはいえヴァリエールとニューソクデでは天と地ほどの差があるのだ。 ____ / \ / _ノ ヽ_\ (このまま見過ごすのも後味が悪いお……) / ( ―) ( ―)ヽ | (__人__) | (けど、流石にそこまでするのは内政干渉になりかねないお) \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 (でも、このままでいい訳もないお?) : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | ← サモン・サーヴァントの洗脳効果により、 > ヽ. ハ | || 思考がルイズ嬢寄りになっているやる夫。 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧ /::j: : : : /: : : :/: : l: : : : .!: : : : !: : 、: : : l: : : l ,': :!: : : /|: : |: : : |: : : : .|: : : : |: : :l: : : l: : l::| |: :l: : : |: :|: : : |: : : ヽ : : /: :|: : |: : :|: : : |: : !::! |: :|: : : |: :|: _|_. 斗 ): :ハ‐.i-、/__|: : : | : |::| |: :|: : : | 丁,_ェ以、 ノ/ Y _厶ェ、|  ̄/ : |::| |: :|: : : |./ィテ {fz:ハ` てfらテx./ : : |::| ミスタ・ニューソクデ、 |: :|: : : |ハ八 弋;ソ 弋zソ .人l : : :|::| 本当にご迷惑をお掛けしました。 |: :|: : : | 〈 :::::::: , ::::::::: ソ!: : : |::| | /!: : : |` ヘ / /: : : :ハ.! 貴公の配慮のお陰で大事にもならず、 レ .|: : : |.: : ヘ、 「  ̄} ,イ /: : : /!: | 試験に合格することもできました。 / : |: : : |\: : |> 、 ` ー ´ ,. <:::/: : : /|ヽ / : : |: : 人: :\! 八 _>-< ノ:ヘ:::/ : : /: : :!: : \ もう、これでクラスメイトに / : : /!: : : :|\: !/:: :l\lヽ∧/ :|: ∨ : : /|: : : :\: : :\ 馬鹿にされずに済みます。 / : : :/: ヽ: /:: :::`/: :: |.:.::| | !:: :| /:: :/:::|: : : : : :\: : :\ /: : : /: : : : : |: :: :: \: |:::/ ハ V:|/.//: :: ! : : : : : : :): : : :ヽ / : /{ : : : : : |:: :: :: ::ヽ/ _ムヘ、\::/ :: :: |: :/: : /ト、 : : : ヽ /: : : :{:: |\: : : : !:: :: :: : :/ _|_ ∨:: :: : / / /:: : |::|: : : : : :) /:: : : : : :|:: |: : \ : |:: : :: :::{  ̄_|_ ̄ }:: :: :/: /:: :: :: :|::|: : : : ( (: : : : : : : /|:: ヽ :: : \|:: :: :: :::{  ̄ _|_  ̄ }:: ::.//:: :: :: :: ::|::|: : : : : :\ ): : : : : /::ヽ:: :\::: :: :: :: :: :: :{.  ̄人 ̄ |,: ::´:: :: :: :: :: :::/:/::ヽ : : : : ::) . /: : : : : /:::::::::ヽ: : ヽ: :: :: :: :: ::\__フ マ___.丿:: :: :: :: : : :: :/:/:: :: :ヽ : : :/ 275 :0E/00:11/12/11 21:26:57 ID:QYz1tdNl ルイズ嬢の謝罪と感謝の言葉に、先程までの沈んだ響きは無い。 それだけでもやる夫としては嬉しい気持ちになれた。 ____ / \ / ― ―\ / ( ⌒) ( ⌒)ヽ | (__人__) | おや、そうだったのですか? \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i | > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | (6-------◯⌒○- | ……まあ、座学では主席のミス・ヴァリエールですが、 | 〃 _||||||| | 実技は苦手ですからね。 \ \_/ / \____/ それでも、こうして合格したのですから、 /⌒ ⌒ヽ それも最後ですよ。 / \ / `ヽ 丶 / .:ノ ', ヽ / / / .:.:/ :ヽ:. ヽ:ヽ V l l.:.| :/ .:./.;イ :ヽ:...:.:l.:.: .:|:..:l l: ! |.:.| .:l .: \!/ l:.:{ .:.:.|ヽ:.:}ヽ .:j .:.! |:. | ……ゼロのルイズなんて、不名誉な二つ名を ヽハ:l:.| !:.:.:jV\{:八 .:.::.l }:/_,j;ィト:.l .:l:.: | つけられてしまっています。 ヽ从:.: iイfチ心ハ 、从ィ厶斗<V .:.jl:.: | \ト小._V;zソ ノ/ V;;_z1 '/ .:.:.:ハ:.:. 八 リ :} .:::::: , :::::::.. / .:.:.:/.:.ヽ:.:.: ヽ _..ノ/八 / .:.:.:/.:.:.:.:.\:.:. \ , -‐´ :/ .:.:>,.、 ´ ヽ ィ′ .:.:.: ハ;.__ .:.:.:.:\:.:.:  ̄`丶、 〃 .:.:/ .:.:.:.:.: ノ'¨ ヽ、_ , ィ≦7 :.:.:./'´ ヽ.:.:.:.:.` ー- 、:. ヽ l .:./ .:.:.:.:. ;.'イ\ ノ} /`∨ :.:.:.:{ ゝー、.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.: } {.:/ .:.:.:.:.:/ } Vx1_/ { :.:.:.:ヽ ∧.:.:.:.:.:.:.:}:.:. ,′ 〃 :.:.:.:./ j/  ̄ ̄ ヽ入 :.:.:.:.:.\ ヽ.:.:.:.:./:.:/ { :.:.:.:.{ | / \ :.:.:.:.:.\ ):.:/:.;イ \ ピコーン / 【ルイズ嬢が拗ねれるぐらいに立ち直りました】 276 :0F/00:11/12/11 21:27:35 ID:QYz1tdNl ぷぅ、と頬を膨らませるルイズ嬢を見て、やる夫はこうやって明るく笑っているのが本来の姿なのだと確信した。 ただ、コルベール師も言及したとおり、実技が苦手であったり、母の教育により貴族としての振る舞いに不安があったりと、 いまいち自分に自身が持ちきれない部分があるのだろう。 式の最中に召喚した負い目があるとはいえ、貴族としての格に劣るやる夫の言葉に真摯に耳を傾けたりと、 人間的には問題のないように見える。 それ故にこの少女のことを気にかけてしまうのだろうと、やる夫は自分を分析した。 ____ / \ / ― ―\ / ( ⌒) ( ⌒)ヽ そうやって、無遠慮に軽口を叩けるのも | (__人__) | 学生の間だけですお。 \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 むしろ、『ヴァリエールのルイズ』ではなく、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i 『クラスメイトのルイズ』として、 | \/゙(__)\,| i | 接してくれているのかもしれませんお? > ヽ. ハ | || ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | そうですね、そうやって振舞えるのも ||||||||| (・) (・) | この学院までですからね。 (6-------◯⌒○- | | 〃 _||||||| | ミス・ヴァリエール、この学院生活を \ \_/ / 若者らしく、悔いなく過ごしてください。 \____/ /⌒ ⌒ヽ それが私の出す、追加の宿題です。 / \ / / ヽ \ ! ヽ ', . / | / ! ヽ ! ! ! ハ ! !>、! _, ィf广 ト ! ヽ ……はい、善処します。 从 |r武 |/ ffチリ! ! \ /.!::::: :::: / / \ ` ー 、 . /!人 ,_ / /\__ \ \ / | !>‐― { 〈:::::::::::::} \ヽ ) 〈 ! 〉:::::|r‐く.| \::::::/ ヽ! / ∨ /::::::::!女/:\ \:} ! { / /::::::::::::∨::::::::::〉 }| \. \ . / /|::::::::::::::∧::::/ /::ヽ \ `ー-、 〈 |::::::::::::/i i∨ /::::::::::::\ ) ) ) ∨:::::/|ヘ! !| ! |::::::::::::::::::} / / / |/ |:::〉 | ! >::::::::::::} ! ./ . <._ | |::| ∨| \::::::::∧ ! 〈 \ ピコーン / 【ルイズ嬢が大人の意見に耳を傾けました】 277 :10/00:11/12/11 21:28:01 ID:QYz1tdNl それならばと、やる夫は提案してみることにした。 その提案が受け入れられるのならば、暫しこの学院に駐在するのもやぶさかではないし、 その提案が受け入れらられないのならば、オーリヤックで待つ妻の元に帰ろう。 ここまでルイズ嬢を気に掛けるのは、この召喚になにか運命じみたものを感じていたのだろうと やる夫は後に述懐している。 ____ / \ / ― ―\ / ( ●) ( ●)ヽ それとも、私がここに暫くの間、駐在して、 | (__人__) | ミス・ヴァリエールの召喚の技量を \ ` ⌒´ / 証明しましょうかお? ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、 : | '; \_____ ノ.| ヽ i ミス・ヴァリエールが召喚した私が | \/゙(__)\,| i | 只者でないと解れば、 > ヽ. ハ | || 召喚主の技量も証明されますお。 ζ / ̄ ̄ ̄ ̄\ / \ /| | | ⌒ ⌒ | ||||||||| (・) (・) | ミスタ・ニューソクデ、 (6-------◯⌒○- | そこまでされずとも…… | 〃 _||||||| | \ \_/ / \____/ /⌒ ⌒ヽ ,. -─── 、 // / `ヽ /.:./ / / .:. / \ / .:.:./ / ,斗-- 、:{:. .:. ヽ ヽ / /: イ´l .:|l.:.:∧:|.:.:.: .:斗ー ', l ..:.:|:.:. | ィチ才ミヾヽ.:.:.:/厶.: / .: 〉 l.:.:.:.!:.: ∨ }:ヘ.リ ノ/仟テk';.:./ィ/ ノ.:.::人:. ヽ ゝ-' ト;'ソ//! /.:./.:.:.ヽ:. ヘ ` ` |:.: | ……えっ、本当ですか!? /.:./.:.:.:.::.ノ.:}:. ', __ ,:. | /.:./.:.:.:.:.:.:/.:.|.:.:. l ´ ´ /.: | .:.:./.:.:.:.:.:.:.:./_ィ.:.:.:. 小 イ/:.:.:.:. l .:.〈.:.:.:.:.:./ ./.:. }_,工,.´ー=〈:.:.:.:.. ヽ :ノ.:.:/ /.:.:.:.: /.、 ∧ ̄入ヽ:.:.:.:. \ \ ピコーン / 【ルイズ嬢が提案に喰いつきました】 278 :/00:11/12/11 21:28:46 ID:QYz1tdNl 次スレに続きます。 ttp://yy71.60.kg/test/read.cgi/kurobee/1323605804/ 279 :名無しさん :11/12/11 21:31:49 ID:OmS9hn6B 16進数w