戦艦 信濃級 (Shinano Class、Imperial Japanese Navy Battleship) 〜世界にその名を知られた不沈艦〜




大和級以後、浅間級、高千穂級と建造してきた帝國海軍であるが、彼女たちが米新造戦艦群に対抗できるかは心許なく、またそのような思想で設計されたものではなかった。 予算、技術、就役時期と様々な制約の元で建造された彼女たちと異なり、信濃級はあらゆる場面に投入しうる高速戦艦として設計が開始された。
さらに設計途中の段階で、高千穂級が価格に見合った性能ではないのではないか、という懸念が示された。
これらを総合すれば、新戦艦の設計に当たり無理な排水量の節減によって建艦費の高騰を招くよりも排水量にゆとりを持って設計したほうがよい、というものであった。(転移当時の艦政本部が聞けば卒倒するような台詞であるが、幸か不幸か日本の工業力の進展がそれを許した)
最終的には50口径46センチ砲9門、速力は33ノット、自艦の主砲弾に対して17,000〜32,000、45口径20インチ砲に対して20,000~30,000の距離で耐えうる防禦を施すものとされた。(後に本艦の装甲防禦が想定よりやや過剰であることが判明する)
これらを盛り込んだ結果、基準排水量は戦闘艦艇として空前の80,000トンオーバーになり、ユフ戦争中にその巨体を小内海に現したとき全世界に衝撃を与えた。
しかし、重防御の高速戦艦という方向性自体は(予算と重量を考えなければ)まったく理に適ったものであり、ユフ戦争においても大きな役割を果たしたことは云うまでも無い。
なお直接攻撃力・防御力のみならず、徹底した間接防禦・ダメコン設備充実などから驚異的な打たれ強さを発揮し、『川は高きより流れ、雨は空より落つる。人の造りし戦船も争いを前に没す。しかるに未だ沈まぬや信濃は』の文句はユウジルドの民謡ともなった。



要目
基準排水量:81,600トン
全長   :296m
全幅   :43m
兵装   :50口径46センチ砲 三連装三基
       65口径12.7センチ砲 連装十六基 
機関出力:298,000馬力
速力   :33ノット
同型艦 :[信濃][甲斐][紀伊][尾張]


注:画像は天翔艦隊様(http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/tensyofleet.htm)が公開されているものに猫じゃらしが改変を加えたものです。



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