605 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:33:00 ID:FEHnSLc2 [1/41] ――――機動砲艇第百十一号艦橋。 ||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|| ||::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::*: ::::::::::::::|| / \________________/ \ / /| |\ \ /\ / / |〔:_:〕 .[|三三三|] .[:| \ \ / / \ / /: : └─――――└‐|」‐┘ ―――――─┘/ヽ\ \\ . \ / / / \/ \ \\ .◇ /\ / / / \ \ \\/ /\ / / / \ \ \\\ \ __/ / \ \ \\ / \ _/ \ \ \\/ 二/ ̄ \ \ \ __ / \ / ノ ヽ__ . |(―) (― ) l …………。 l (_人_) u.| . l `⌒´ | 、 / > < / l . / l ,/ / .! (_) (__ ノ | / / _ノ !、_!、____つ 606 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:33:24 ID:FEHnSLc2 [2/41] / ̄ ̄\ / \ \ .(●)(● ) u. | (__人__) u | .(`⌒ ´ | { | { u. / \ / ノ \ /´ ヽ t-..,,_ヽー..,,_ヽ、._ ,、!ヽ、 z''‐: : : :: : : : :`:: : : : : : ヽi、 -=:'':": : :..:::::::::::::::..: : : :..:..::::..:::::..: !/! _,.-: : : ;/ ̄  ̄`''`'ー-‐''''´`ヽ;::::::i _,): : :r'' .ヽ:! ゝ: : :ヽ, _,..- 、 ::!:j ヽ: : ;,:' _____ ::: .':':´`ヽ ::!! i :r' /´,-ぇ-`"ヽ___ /"ニ=.‐-.、! ,.-、!;,ィ‐'''i ー' .! ヾ 'i’'j ヽ :::! ・・・・・・・・・・・・。 !r.、ヽ! ヽ.....,,,___,,,.ノ .ヽ._` ノヽ ! ハ i ! " ''''''´:!)~! !、ヽヽ ' '' ::i ノ ヽ..i _______ .::i´ ! -" ` ::i ! ::::: ..::/ i ヽ、 ..:::;;:ィ ,..,,!_ `ヽ、. .::;;-'':;;-'‐ヽ / `'''''ー-==-.--,=ニ'''": : : : : ! / / イ:!:i :i :!: : : : : : : :! / /./:!:i/:/:! !: : : : : : : :i 607 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:33:34 ID:FEHnSLc2 [3/41] / ̄ ̄\ / u ノ \ | .u ( ●) | . | (__人_) | ` ⌒ノ | } ヽ u } ヽ ノ ノ \ /´ ヽ 、 i ,r';´ _,.〃'´ _,r _ ,へ、,i V `'´  ̄∠⌒ ´ フ 'ケニ=、 ,イ'フ `⌒ヽ、 ' /, 、、 、ヽ ヾ ,〃/ ,; , ,、 h、、、ヾヽ、ヾヽ\> / / /,i、l'i l^! ,! ! | ヽ!_,>!'´^ヾく f`` ' !/〃"7`|!`|!、_,!| `K´-ェォ-、 `Y.、 '"!/ <´(ラゝ、 ^  ̄ .|イ.) ・・・・・・・・・・・・。 r^i | ト/ 〈 ┤ ,! |,! `、 ` ^ ! `、 、__,,...--一'ニゝ ! ,ゝク---―――'′ ,イ ,.:ク^ヽ / | ~´__,| \___./ |、_ ,i:::::::: ̄ ̄∧ ∧ ̄ ̄ ̄:::::::i、 ,i:::::::::l ̄l::::i∥V∥i:::::::::::::::::::::::i、 608 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:33:47 ID:FEHnSLc2 [4/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 冬里大尉と大祢大尉。 第百十一号艇と大祢中隊の再合流後、初めて行われた双方の指揮官同士の面会は、 非常に重苦しい空気に包まれていた。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ _______ / \ __/ \ /. 、 | やらない夫ですが、艦橋内の空気が最悪だろ……。 |. ,(⌒(●)ヽ | l lヽ )> lllllll / / ヽ\ `(__,(●) / / ボスケテ… | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ | |ヽ、二⌒)、 \ 609 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:34:16 ID:FEHnSLc2 [5/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 大祢大尉はいつにもまして不機嫌で、刺々しい空気を醸し出している。 常に一歩引いていた筈の冬里大尉も、今回ばかりは譲る気など更々ないようで、寧ろ露骨に 見下した態度をとっている。 ……お互い、悪感情を隠そうともしない。 今まで曲がりなりにも取り繕っていたものが失われ、その下の感情が噴出し渦を巻いている。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ダな本 メん当::: ダてに::::____ メ:いダ:::: \ だう:メ:: \ ろかだ:::二 ̄ `ニニ | よりにもよってこの状況下で…… ::::::ろ: ''T'''T' T''T | ::::::::::  ̄ ̄  ̄ | ……あんたら、砲艇隊と陸戦隊双方のトップだろ? :::::::::::: (__人__) | :::::::::::::: ` ⌒´ } ここは私怨を一時棚に上げ、一致団結する場面だろ?JK ::::::::::::::::::: } ::::::::::::::::::::: ノ :::::::::::::::::::::: < 610 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:34:33 ID:FEHnSLc2 [6/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2人は暫し無言で向かい合った後、ようやく…だがまるで申し合わせたかの様に口を開く。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 、 i ,r';´ _,.〃'´ _,r _ ,へ、,i V `'´  ̄∠⌒ ´ フ 'ケニ=、 ,イ'フ `⌒ヽ、 ' /, 、、 、ヽ ヾ ,〃/ ,; , ,、 h、、、ヾヽ、ヾヽ\> / / /,i、l'i l^! ,! ! | ヽ!_,>!'´^ヾく f`` ' !/〃"7`|!`|!、_,!| `K´-ェォ-、 `Y.、 '"!/ <´(ラゝ、 ^  ̄ .|イ.) ふんっ、笑いたければ笑え。 r^i | ト/ 〈 ┤ ,! |,! `、 ` ^ ! `、 、__,,...--一'ニゝ ! ,ゝク---―――'′ ,イ ,.:ク^ヽ / | ~´__,| \___./ |、_ ,i:::::::: ̄ ̄∧ ∧ ̄ ̄ ̄:::::::i、 ,i:::::::::l ̄l::::i∥V∥i:::::::::::::::::::::::i、 t-..,,_ヽー..,,_ヽ、._ ,、!ヽ、 z''‐: : : :: : : : :`:: : : : : : ヽi、 -=:'':": : :..:::::::::::::::..: : : :..:..::::..:::::..: !/! _,.-: : : ;/ ̄  ̄`''`'ー-‐''''´`ヽ;::::::i _,): : :r'' .ヽ:! ゝ: : :ヽ, _,..- 、 ::!:j ヽ: : ;,:' _____ ::: .':':´`ヽ ::!! i :r' /´,-ぇ-`"ヽ___ /"ニ=.‐-.、! ,.-、!;,ィ‐'''i ー' .! ヾ 'i’'j ヽ :::! ……御無事でなにより。 !r.、ヽ! ヽ.....,,,___,,,.ノ .ヽ._` ノヽ ! ハ i ! " ''''''´:!)~! !、ヽヽ ' '' ::i ノ ヽ..i _______ .::i´ ! -" ` ::i ! ::::: ..::/ i ヽ、 ..:::;;:ィ ,..,,!_ `ヽ、. .::;;-'':;;-'‐ヽ / `'''''ー-==-.--,=ニ'''": : : : : ! / / イ:!:i :i :!: : : : : : : :! / /./:!:i/:/:! !: : : : : : : :i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 冬里大尉は些かも感情の篭っていない、そしてだからこそ真逆にとれる言葉を。 大祢大尉はさすがにばつが悪いのか、むくれた様な、投げやりの言葉を。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 611 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:34:44 ID:FEHnSLc2 [7/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ――かくして、両名による最初で最後の会談は幕を閉じた。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ :::::::::::::______ ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::: |:::: ::::::::::::| :::l ̄ ̄ ̄ ̄|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::!:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ギィィ… バタン : :::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::||]::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!:::: ::::::::::::|:::::|______|:::::|:::: ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::: |::::  ̄  ̄: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄\ て /u_ノ ヽ、_\ て | ((●)) ((●))| . | (__人__) | (ええっ、それで終わり!?) |ヽ |!il|!|!| / .| . | |ェェェ| } . ヽu } ヽ ノ / く | \ | |ヽ、二⌒)、 612 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:34:54 ID:FEHnSLc2 [8/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ そう、本当に「それだけ」だ。 (やらない夫が指摘したように)双方の指揮官同士の…それもこの状況下での事と考えると、 背筋が寒くなる思いを禁じ得ない。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ , n / ̄ ̄\ .n . / / j.´_ノ ヽ、u'l lヽ、 (おいおいおい、本当に大丈夫かよ?) /,イ / (○)(○) .l i i i 〈 .r {u (__人__) .i. } } 〉 (ちょっと洒落になんないだろJK) ', i. ', ` ⌒´ / / .i l. ,' ./ . ヽ、_.イ、. 人 ノ ヽ 〈_ノ ノ | ./ | . | 613 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:35:09 ID:FEHnSLc2 [9/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ もっとも、双方共に言い分はある。 まず大祢大尉にしてみれば、「ばつが悪い」なんてものではない。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 、 i ,r';´ _,.〃'´ _,r _ ,へ、,i V `'´  ̄∠⌒ ´ フ 'ケニ=、 ,イ'フ `⌒ヽ、 ' /, 、、 、ヽ ヾ ,〃/ ,; , ,、 h、、、ヾヽ、ヾヽ\> / / /,i、l'i l^! ,! ! | ヽ!_,>!'´^ヾく f`` ' !/〃"7`|!`|!、_,!| `K´-ェォ-、 `Y.、 ……認めたくはないが、今の俺に中隊を指揮する力は無い。 '"!/ <´(ラゝ、 ^  ̄ .|イ.) r^i | ト/ だからこんな面会、お互い不愉快なだけで何の意味も無いんだよ。 〈 ┤ ,! U |,! `、 ` ^ ! ならさっさと終わらせた方がいいだろう? `、 、__,,...--一'ニゝ ! ,ゝク---―――'′ ,イ ,.:ク^ヽ / | ~´__,| \___./ |、_ ,i:::::::: ̄ ̄∧ ∧ ̄ ̄ ̄:::::::i、 ,i:::::::::l ̄l::::i∥V∥i:::::::::::::::::::::::i、 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 相手をナメ過ぎて大火傷をし、部下たちからも見限られた。挙句、こうして助けられた。 ……ごり押ししたはいいものの、「このざま」である。 一時の恥では済まぬ大失態に、自棄を起こして投げやりになるのもまあわからなくもない。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 614 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:35:30 ID:FEHnSLc2 [10/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 冬里大尉にしても、腹立たしいどころの話では無い。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ t-..,,_ヽー..,,_ヽ、._ ,、!ヽ、 z''‐: : : :: : : : :`:: : : : : : ヽi、 -=:'':": : :..:::::::::::::::..: : : :..:..::::..:::::..: !/! _,.-: : : ;/ ̄  ̄`''`'ー-‐''''´`ヽ;::::::i _,): : :r'' .ヽ:! ゝ: : :ヽ, _,..- 、 ::!:j ヽ: : ;,:' _____ ::: .':':´`ヽ ::!! i :r' /´,-ぇ-`"ヽ___ /"ニ=.‐-.、! ,.-、!;,ィ‐'''i ー' .! ヾ 'i’'j ヽ :::! 「笑いたければ笑え」? !r.、ヽ! ヽ.....,,,___,,,.ノ .ヽ._` ノヽ ! ハ i ! " ''''''´:!)~! ──はっ、ここまで来たら笑えねえよ。 !、ヽヽ ' '' ::i ノ ヽ..i _______ .::i´ ! -" ` ::i ! ::::: ..::/ i ヽ、 ..:::;;:ィ ,..,,!_ `ヽ、. .::;;-'':;;-'‐ヽ / `'''''ー-==-.--,=ニ'''": : : : : ! / / イ:!:i :i :!: : : : : : : :! / /./:!:i/:/:! !: : : : : : : :i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ スケジュールに大幅な遅延をきたすどころか、こうして大軍の包囲下に置かれる羽目となった。 しかも当の本人は大規模な抗命に遭い、事実上中隊の指揮権を喪失しているときた。 これらの「とばっちり」が、自分にも及ぶであろう事は疑いようもない。 実際の命も危ういが、無事生還しても今後の軍人生命は決して明るいものではないだろう。 ……騙してまで「こんな事態」に巻き込のである。 前々から威丈高で気に喰わなかったが、もはやそんなレベルではない。 むしろ、あれで済ませたことを褒めて欲しいくらいである。 (正直、今直ぐ絞め殺してやりたいくらいだ!) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 615 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:35:50 ID:FEHnSLc2 [11/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ……それに、もはや大祢大尉は中隊の指揮官ではない。 この非常時に「部外者」相手に関わっている暇など存在しない。 だから、冬里大尉は大祢大尉を切り捨て、今までの態度もかなぐり捨てたのだ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ t-..,,_ヽー..,,_ヽ、._ ,、!ヽ、 z''‐: : : :: : : : :`:: : : : : : ヽi、 -=:'':": : :..:::::::::::::::..: : : :..:..::::..:::::..: !/! _,.-: : : ;/ ̄  ̄`''`'ー-‐''''´`ヽ;::::::i _,): : :r'' .ヽ:! ゝ: : :ヽ, _,..- 、 ::!:j 我ながら子供じみているとは思う。 ヽ: : ;,:' _____ ::: .':':´`ヽ ::!! i :r' /´,-ぇ-`"ヽ___ /"ニ=.‐-.、! 俺の態度を非難したければするがいいさ。 ,.-、!;,ィ‐'''i ー' .! ヾ 'i’'j ヽ :::! !r.、ヽ! ヽ.....,,,___,,,.ノ .ヽ._` ノヽ . ──だが今更奴の機嫌をとってやったところで、 ! ハ i ! " ''''''´:!)~! どうにもならんだろう?無駄だよ無駄。 !、ヽヽ ' '' ::i ノ ヽ..i _______ .::i´ ! -" ` ::i ふんっ ! ::::: ..::/ i ヽ、 ..:::;;:ィ ,..,,!_ `ヽ、. .::;;-'':;;-'‐ヽ / `'''''ー-==-.--,=ニ'''": : : : : ! / / イ:!:i :i :!: : : : : : : :! / /./:!:i/:/:! !: : : : : : : :i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 事実、大祢大尉の心情を思い囁かながらも溜飲が下がった。 (それにもしかしたら、彼に叛旗を翻した大祢中隊の下士官兵──なにしろこれから彼等を 指揮し戦わねばならないのだ──の歓心と安堵を僅かながらも買えるかもしれない) (いや、これについてはさすがに言い訳じみているかもだけれども) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 616 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:36:38 ID:FEHnSLc2 [12/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──だが、それもここまでだ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ | | 准尉…いや、「中隊長代理」を呼んでくれ。 | | 至急、情報交換と今後の方針を巡り会談したいとな。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l (こういった既成事実の積み重ねが「現状(大祢中隊下士官兵の !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! 抗命)の追認」と受け取られなければ良いのだが……) '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' (……とはいえ、この非常時にあれこれ回り道をしている暇などない) r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) (「奴のためなんぞに骨を折りたくない」という感情論ももちろんだが、 !.(〈 ゙ ′ !ノ 現実的に無理だ) `Y U ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ (まったくつくづく祟りやがる……) ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 大祢大尉が退出すると、冬里大尉はあらゆる感情を呑み込み── ……いや一時的に棚上げし、まず目の前の事態に全力で取り組むこととした。 なによりもまず生き残るために。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 617 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:36:48 ID:FEHnSLc2 [13/41] ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 618 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:37:01 ID:FEHnSLc2 [14/41] |\ /ヽ | \ / | i \___/ | ヽ,. 准尉 | / _ヽ,, ノ_ | i | ヽ ノ ̄| / > ´  ̄ ` < _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' ……成程。要は連中に「その気」がなかったという訳か。 r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 事実上の中隊長となった准尉から、打ち合わせがてらに手短ながらも事情を聴き、 冬里大尉はそう総括した。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 619 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:38:52 ID:FEHnSLc2 [15/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 以前から作中でたびたび言及しているが、正直なところこうして大祢中隊と合流できたのは 奇跡に近いものがある。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ | | 「大祢中隊の保有する火力では、“鬼”軍の本格的な突撃を阻止しきれない」 | | ――ただ一度の総攻撃で戦線は崩壊、中隊は壊滅したことだろう。 | | 「大祢中隊の保有する弾量では、本格的な戦闘を行えば3日と経たずに底を尽く」 | | ――切り札である2挺の重機関銃は、(最大ではなく持続発射速度で)20~30分も撃てば弾切れだ。 | たとえ小出しであっても波状攻撃を受ければ、そう長くは保たないだろう。 | ましてや相手は人ではなく“鬼”、下手をすれば初日で撃ち尽くしても不思議では無い。 \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〇 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, O ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 ° く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i 620 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:39:04 ID:FEHnSLc2 [16/41] | | それがふたを開けてみれば「健在」、今の今まで全滅どころか曲がりなりにも戦闘力を維持していた。 | | ……これだけでも奇跡だというのに、撤退に完全成功だと? | | 馬鹿な、“鬼”共は下手な騎兵並の機動力だぞ? | | それを人間の足で…それも疲弊し、多くの負傷者をも抱えた状況下で数kmの距離を逃げ切っただと? | | 出来過ぎているだろう。いくらなんでも。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〇 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, O ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 ° く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ だが考えれば考える程、喜ぶよりも怪しさの方が先に来てしまう。 どうしても疑問が―― ……いや、疑念が湧くのだ。「何かあるのではないか?」と。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 621 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:39:29 ID:FEHnSLc2 [17/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 現在“鬼”軍はこの艇を包囲するに止め、沈黙を守っている。 ……何故、追撃しないどころか猶予すら与える? あまりに出来過ぎていて気味が悪い。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! (これがただの鬼の群れなら、たとえ(劣種である)モドキだろうが '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! あの数では確実に全滅だ) !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 (なまじ指揮官がいる、知恵があるからこその“奇跡”だろう) i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! (……だが、なぜ? 無能故と決めつけるのは楽観が過ぎる) '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' (何を企んでいる? 「おびき寄せた」? 或いは――) r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 冬里大尉は敵の指揮官の思惑をあれこれ考えるが、いかにせん情報が少なすぎる。 ……それに相手は鬼、人にあらざる者達だ。 そんな相手の考えなどいくら考えた所で憶測の域を出ない。 (それにこの状況では「たとえ読めたと事で」だ!) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 622 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:39:43 ID:FEHnSLc2 [18/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ そこまで考えたところで、冬里大尉は己の「失言」に気付く。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, て ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 て く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 て く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! ハッ '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' ――ああ、いや、すまんな。君たちを卑下する気は無い。 r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) もちろん運もあっただろうが、それを活かせたのは何より !.(〈 ゙ ′ !ノ 君たちの奮戦があったからこそだ。 `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i |\ /ヽ | \ / | i \___/ | ……いえ、事実です。 ヽ,. 准尉 | / _ヽ,, ノ_ | 主導権は完全に“鬼”共にありました。 i | ヽ ノ ̄| / . 我々は連中に生かされていただけです。 > ´  ̄ ` < 623 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:41:10 ID:FEHnSLc2 [19/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ だがそれは准尉も抱いていた疑問である。 ……それに相手は上官だし、あの中助(大祢大尉)に比べればかわいいものだ。 こうして危険を顧みず救援に来てくれた恩だってある。 何より、今はそれどころではない。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ |\ /ヽ | \ / | i \___/ | ヽ,. 准尉 | / _ヽ,, ノ_ | あのまま救援が無ければ、早晩嬲り殺しにされていたでしょうな。 i | ヽ ノ ̄| / > ´  ̄ ` < _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' ならば、連中に一つ教育してやろうではないか。 r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) そのナメた判断がどれだけ高くつくかを、な。 !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──かくして2人は情報を共有し、合わせて今後の方針を改めて確認したのだった。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 624 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:41:25 ID:FEHnSLc2 [20/41] :::::::::::::______ ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::: |:::: ::::::::::::| :::l ̄ ̄ ̄ ̄|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::!:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ギィィ… バタン : :::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::||]::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::|:::::::::::::::::::::|:::::|:::: ::::::::::::|:::::!:::::::::::::::::::::!:::::!:::: ::::::::::::|:::::|______|:::::|:::: ::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::: |::::  ̄  ̄: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! (とは言ったものの、飛び抜けて突出した状態で孤立し、 '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! 包囲されている事に変わりは無いんだよな。俺達) !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、. (まあ予想していた中でも最良以上の状態ではあるが、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) そういつまでも保つ訳じゃあない) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y U ,..-―‐-.、 ,! (やれやれ、援軍が一刻も早く来てくれることを願うよ) '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i 625 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:41:36 ID:FEHnSLc2 [21/41] ┌──────────────────────────────────────┐ . . . . . . .......:::::::::;;;;|'' ~ . . , _,,..:、、;、;、: _;;;: . . . . . . .......:::::::::;;;;| . . . .......:::::_ L´.:::::::::::::....::..^'' ‐..、 . . . . . . . .._,,、..、、:、;;| . . ......:::::_,ノ''"~~.:~~.:~~.:>'.::-、:_:;;:::::..__;;:::゙_"''':::..、、、. .: . . . . . . ,!..::::::;;;;;;::.."`'~^.<(::;;;:<~`''..::^''"...::::::::::::::...゙厂.:::::;;;;;::`.:::ヾ二::~:::;;フ`'''ー‐-....、ミ:.,, ~^`ー-r‐~: 、::_:::::;;;;;;;;:...... _;:::て_;::)、、;:::、;:::、 -~ー'''!,´.::::::__.:::::::::::_.._;):::::::::::゙'‐;::::;;;::::::_;;::、` .: `,: .:,: " ,,';.~.(~.::::::::::/...``'ー::ヾ '.:~::::,,)::::::'、.:.,..;;::::;、::-:::‐;;;-`'''^(::::::`..::''"..::::::`ヽ-''"゙个_;;二;;:::::、ヘ ー-‐'ヽ'゙) '' ,, 、 :.゙'''''''ニ「、:、::、;;::、:::メ- ‐'^::゙)、_;;::、ゞ::__::::::::.._::::::::......:::::ヾ;:::.._,;;:::::,、::、;:-く:::'''゙:::::>、,;::::.,、:::;丿:::;:‐~;:: ゙、 " .; .i'"..::::::::;;;;;;;;:::,)::::::::_.;::(::::::::_;::''゙7::::~'''''゙..::`::~`"..::"::::L:::::::~..:_^'..:: ゝ;::~..:::::;;;_;;::- ._)''"..::-::'",, '' .; 、" ,, " .,.>ー:::‐-:::~;:くー'''^´~ ゙i'''´..:::::::_,)、. ..::;;;;;;;;,,,;;;;;;,..,,__,,.ノー-'''"...`'''ー-''::.、:::::::::;;;;;;;::::;;..::ヽ ,'' .. ,, ", __ . __ ./_x__|__ __ /_☆|__ /_了 ゚_) ./_x__|__ //) ゚Д゚) とlll⌒⌒__つ _,,,,,,,_/_了 ゚_) ヽ,____/|〆 とlllγ__☆_ヽ_つつ . .|,,,T,,,| ○/_Y ´∀`)___[],,,,,,__, . じ'`J とlll⌒⌒__つli;:=-〒゙゙゙゙゙゙Å ̄` __ /_o_|__ /了 ゚Д) とlll⌒⌒(つニ∩ヨ===┯  ̄ ̄ ̄~__  ̄ ̄ ̄ /_o_|__ /了 ゚Д) とlll⌒⌒(つニ∩ヨ===┯  ̄ ̄ ̄~__  ̄ ̄ ̄ /_o_|__ /了 ゚Д) とlll⌒⌒(つニ∩ヨ===┯ ただいま迎撃準備&場面転換中… しばらくお待ちください . Now loading... . └──────────────────────────────────────┘ 626 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:44:13 ID:FEHnSLc2 [22/41] ._,. :.':"...:.:::;:;';':':::':'"´ ,, ,.,.;,;::::,:::::;''" ..:.::;':; _.....:;;:;:;::';::':':'"´ .,_.,::;:':''"゙"゙゙'..:::::.::;::;:::;:::;:;';';:::';'::'''" ` ´ ...:.,.._ .., . . .,;:;':"...:::::.;:;:';'"'''` .;:;'r-=´へ、;':'":'" . . ::'".,:::;:':;'' ┌へ、 `゙"´ ´""''''""´ _,/ / ':..ヘ `.\、_ "´'" _,/.::/.:::::;>‐''゙ ̄ ̄ハ .r─r--::;:-.:.、_:: ,<´_,::":/:':::::..`._..::;'".へ'´\/^ _/`yヽ√\ヘヘ:/ ..:::. ...::/ ,::' ..ソ;:::;..i:. . ::...` "_/へ.`ー-v::、,_...:,:_,/:/.::: ─'ー─´ー─----‐'ー-─'´ー-==;;:;'__,:::".::;';';:;';;;;;;;;;;;_ヾ.∠;;,,_:::__\:".::/'';;';';:;';;;;;;;;;';'; /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ . 人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人 /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ . 人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人 /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ . 人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人::::::人:::::人:::::人 .. Y:::::::Y:::::::Y::::::::Y:::::::Y:::::::Y::::::::Y:::::::Y:::::::Y::::::::Y:::::::Y:::::::Y::::::::Y:::::::Y:::::::Y::::::::Y:::::::Y:::::::Y ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,-‐‐‐- ;;;/::::::::::.ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,_ -‐- 、;;;;;;;;;/::::::::::::::::::::_ ;i:::::::・::::::::/´;;;;;;;;;;;;;;;;;.,.-‐‐-、;;;;;;;;;;;;;,/´::::::::::::::.:::ヽ;;;;;;;;;;;.;.;.;.....;・´イ` ;;;;..:::::,::/.;;;;;;;;;;;;;,/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、;;;;;;i::::::::::・:::::::::::::::::,::〉;;;;;;;;;;/ ,.メ、 .i ‐- ._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.・ゝ〈:::::::_..- ‐ ‐ ‐< 、 _/ _ ‐ "´ | ゝ、 ` ヽ 、';;;/.:.:.:.:.:.:.:.:・.:.:.:.:.:.:.:_, -"´ 、'´ ` ヽ 、 `ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: _/.::ヾ ヾ; ゙:i `ヽ、 `;:::::::::::::::::::::::/.:: ゛ ;` 、 ゝ o } _ - ‐ -:::/.:::: ● ,c、 :: 、 - ヽ、 ノ ;{.::::::::.. `‐' :: i /i/i)〉~で´ l.::゙ヽ:::::::::.......... :: i ‐ ‐´i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\::::::::::::::::::::.ヽ,::::::::::. __ミ ミ :::::::::::::::::::::::::.,/ 〃ノ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ-ー‐ ‐.〉:::::, -‐‐‐-` 、 ト、__ , イ´ イ/i ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::(::::/i´.lー'.ー'.-.-.、ii´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; "/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/::::llヽ、iiiiiiiiiii__ -イル;;;;;;;;;;;;;;;; /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/..::::::ゞ.、「」 Πレ´〈;;;;;;;;;;;;;;; ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 急速に体制を整えつつある帝國軍。 一方、それに対して“鬼”軍は包囲するに止め、未だ不気味な沈黙を守り続けていた。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 628 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:45:22 ID:FEHnSLc2 [24/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──いや、正確には何もしていない訳では無い。 今もなお各地より“鬼”たちが続々と集結し、増強中だ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ''';;';';;'';;;,., ''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;; vymyvwymyvymyvy ザッ ザッ MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、 ザッ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| |\_/ ̄ ̄\_/| ▼ |_/ \_| ▼ ▼ |_/\\_| ▼ ▼ |_/ \_| ▼ ▼ |_/.皿 /\ \ 皿 / / \ 皿 / / \ 皿 / \ | / \ | |.. オニ / \ | | オニ ./ \| オニ .| | ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ もっともその大半は“もどき”、或いは本物であっても消耗を重ねて大幅に劣化した“元”本物 の“はぐれ”だが、その数は侮れない。指揮する上位個体が存在するなら尚更だ。 (しかもごく少数──あくまで相対的なもので純粋な数でいえば「そこそこ」だ──とはいえ、 正真正銘の本物の“鬼”すら増強の中に含まれている!) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 629 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:45:35 ID:FEHnSLc2 [25/41] ========================================================================================= / ̄ ̄\ / ノ \ \ ……あの、なんかあいつらどんどん増えてますよ? | (●)(●) | . | u.(__人__) .| このまま放っておいていいんですか? r、 | ` ⌒´ .| ,.く\\r、 ヽ ノ ここは砲撃で少しでも数を減らすべきじゃあ……? \\\ヽ} ヽ / rヽ ` ヽ / ァ'´ヽ └'`{ . \.| / i ヽ、._ ヽ、_,r' .| `ヽ、 /' | `'ー'´ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! 無駄だ。ここは“鬼”共のホームグラウンド、補充には事欠かん。 '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' 我々の火力ではむしろ連中を刺戟するだけ、増強や攻撃を早めるだけだ。 r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i ========================================================================================= 630 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:45:55 ID:FEHnSLc2 [26/41] ========================================================================================= _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l いいか、いかに有魂艦とはいえ、我々はしょせん1隻だ。火力も弾数も限られている。 !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:! '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! しかも陸に上がり身動きのとれん状態で、周辺の陣地構築だってろくにできていない。 !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 ……対する“鬼”共は「ごらんの通り」だぞ? i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 ゙ ′ !ノ これは言わば籠城戦、「敵を倒す」のではなく「援軍が来るまで持ちこたえる」ことを `Y ,..-―‐-.、 ,! 優先すべきだ。 '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i / ̄ ̄\ _ノ ヽ、 \ (○)(○ ) | な、なるほど……。 . (__人__) u .| . ヽ`⌒ ´ | (……あれ? もしかして俺達、助けに来た筈が { / いつの間にか「木乃伊取りが木乃伊」に???) lヽ、 ,ィ'.) ./ j .}ン// ヽ ノ '"´  ̄〉 | . { 勹.. | ヽ 、__,,ノ . | ========================================================================================= 631 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:48:34 ID:FEHnSLc2 [27/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 閑話休題(それはさておき)。 この玉石混合の混成“鬼”軍の中核を担っているのが、支那雲南“鬼”軍である。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ _ -‐ /l l| | \ _ \`ー彡__ ̄ / | / /_、 / l| |l / _ -┐ } _ / l| | } ノ ヘ `丶\{::::::::::ヽ/ _| { /-‐| ̄ ̄l γ`ー、ヽ |l //:::::::::} ゝ ー- / l| | / l ー- _ \__ノ/ | ヽ ', | l | | l:::::::::::ヽ } {:::::::::::::/ l -‐ l ヽ l /_ - 、 {、ー-\ \ \ -‐/ ̄`ー-、ヽ| l | 乂:::::::::ノ∧乂::::::ノ //_ イ | _ -‐-、 \l //::::::::::i l /  ̄ヽ \ \// ノ } }/l }ー- =彡_ー、ゝ ̄ //  ̄l l/::::::::::::::ヽ ヘ |l{::::::::::::::} l } { /::\ \ .\ /、 l::∨ lヽ //::::::::`ー.、\ / `丶 . l {l::::::::::::::::::| 、乂:::::::彡 l/ //::::::::::::::` ー、 `ー、 \ l 乂l:::∨ ∧ l |:::::::::::::::::::::::ヽ / 、 ヽ / ヽ乂:::::::::彡 `ー ̄-‐ ./ ノ /、\::::::::::::::::::{ ノ / } |/:::::::::::::∨ ∧l |::::::::::::::::::::::///___\  ̄ヽヘーニ三ニ _/ ̄`ヽヽ // /\ \ \:::::::::::/ ノ / ./、 l::::::::::::::::∨ 、 ∧、`ー、::::::::/_ノ::::::::::::::::::::::::: ー- ヘ /γ´:::::::::::::::| l/::::::::::::ヽ 、 `ー-.| l / /l l:::::::::::::::ノ ' ' ' ヘ、 ー- ̄ /::::::::::::::::::::::::::::::: ー-=.ヘ l |::::::::::::::::::::」 ノ::::::::::::::::::::乂 、_ r| l |/./l | } 〉:::::::::::{ /l l|、 |ヽヽ ̄ ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::ヽ l ヽ:::::::::::::/ //:::::::::::::::::::::::::::`ヽ l::l |:| l / /|:| |//:::::::::::::!ノ::|_l::|」::乂}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: _:::::::::::::::::\_ ̄`ー'_/::::::::::::::::::::::::::::::::::::lノ:ゝl| / / /ノ:∪´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,, - ー、  ̄二⊃::::::: ̄ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// l |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,,-‐- 、__,, -‐''" \、 \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__/ l| ヽ|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ̄ ̄ _ _ -‐= ヽ \`ー、\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l| }::::::::::::::::::::::::::::::::/ / ̄ -─ ̄_ _ -‐::::::::::::: 、\ヽ\\:::\}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l| |l::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::/ _-‐、 /:::::::::::::::::::::: ..\:\\.、\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_r‐イ l| l| | }:::::::::::::::::::::::〈__ノ:::::/ /::::/ _- /::::::::::::::::::::::::::: ヽ ヘ:::\} `┘::::::::::::::::::::::::::::::::rイ _ノ´ ̄l l } l / |:::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::/ / ./:::::::::::::::::::::::::::::::: ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 支那雲南“鬼”軍はその名の通り支那に存在する“鬼”軍の一つで、雲南地方を根源地とする。 同軍は他の支那“鬼”軍同様に(上位個体が少ないため)統率力が弱く、また非常に軽装備だ が、支那奥地の広大かつ峻険な地に中小の根源地を無数に抱えており、帝國軍をもってしても 「本拠地に乗り込んで“折伏”」などもっての他、現状では「定期的に間引く」「来たら叩く」といった 対症療法しかとれないのが現状だ。 (また今回の例からも分かる様に、帝國軍にとってすら決して油断できる相手では無い) (広く薄く各地に分散配置されているのだから尚更だ) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 632 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:49:20 ID:FEHnSLc2 [28/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ この支那雲南“鬼”軍が主な侵攻先としているのが、越南及び緬甸である。 ……特に緬甸では(後ろ盾どころか防衛の中核でもあるである)帝國の国力の限界から、 北部一帯での跳梁跋扈を許している始末だった。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ~~印度・緬甸方面概略図~~ 画像はWikipediaより引用しました。 ※ 赤は同方面の前線、或いはその周辺地域に配置されている帝國軍主要部隊。 (ただし最前線配置でも一定戦力以下、或いはも一定戦力以上であっても後方配置の場合は省略) ※ 青は支那雲南“鬼”軍の主な侵攻ルート。 ※ 黄は後天的に形成された疑似地脈。いわゆる”鬼門”として機能している。 ※ 緑は封印地。 同地域の“鬼”軍は一度掃討されており、その上で周囲から流れる主要な地脈も断っているため、 「まともな“鬼”は発生し得ない」「数的にも大規模発生は考え難い」と判断されている。 (ただしある程度の発生や隙間からの流入は避けられず、定期的な駆除を必要とする) ※ 黒は緬甸方面の防衛線。 同方面は海軍の有魂艦(揚陸艦及び軽・護衛空母)を多数陸に上げ、粗ではあるが連続した防衛線を形成。 (同防衛線は、最前線に揚陸艦「神州丸」群を、その後方に軽・護衛空母群を配置し形成) (揚陸艦「神州丸」はその船体+周辺の陣地構築で臨時の要塞を築き、搭乗する増強大隊+直協飛行中隊で防衛) (軽・護衛空母は搭載機を臨時の陸上航空隊とし、前線の神州丸を支援) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──この緬甸北部に侵入した雲南“鬼”遠征軍こそが、彼等の正体である。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 633 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:49:52 ID:FEHnSLc2 [29/41] ========================================================================================= ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 「一方はラシオ。もう一方はバーモ、更にエーヤワディー川を南下してマンダレー方面へ」 その性質から同軍はこの二つのルートを主軸──とはいえその統制の弱さから途中小規模 ながらも無数に分派し各地に散っていく──とし、ここから外れると急速に消耗し劣化していく 遠征軍であるが、長い歳月を経て言わば「第3のルート」とでも言うべき地脈が誕生した。 「バーモからミイトキーナ…そしてレドへ」 彼等は、このルートを渡ってやって来たのだ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ~~某第六駆逐隊による解説①~~ | | 元々ある程度の地脈は通っていたのでしょうね。 | | ──と言っても通常なら無視されるレベルでしょうけど、消耗しきった“鬼”たちにとっては干天の慈雨よ。 | | 運良く近くを通った、気付けた“鬼”たちは集まって利用したことでしょうね。 | | そんなことが何十年も続いた、「その結果」よ。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _,,.. -‐ - / (○) > 、 / 弋/ノ' >- /==三三==-- _ _ ヽ _,,.. -  ̄ >  ̄ ̄ <ミミ 、 ハ r ´__ _ > ´ l <ミ、 l  ̄ / , ハ ,イ l l Y . ,' / l i_l, l l l ー--l l, l ', / ィ' l l li il l i ト l リム__l l l l ー_,,. チ ´ l i l,jイち下リ ヽ i 'lつ 下、 j l l l il l il l 、 jl ` l し' ソ ア/ l l l l リ l lハ`ゝ二' ー-' // / l i ', j l ハ t、''' ' ''',イ /l リ \、 / l 、 l人 r 、 // ハ l ` l イ l ヽ il > ー' .ィ7 /l ト、 l //j r ハ i l ̄ゞ_j ` チ l l / i l ヾ ', イ///` ヾヽi l ム tl l>' l 'ハ , ' /// ソノ、 ム二` ' ̄ l l `ヽ l l r , / / f/ イ/ ト、ヾ ム- ミ 、l ', ,, ハ / j / / l / / r ´/7l V\ヾ ム 至 /,ヽヽ/ k /_ / / l l / レ l / ト ハ\ ',/彡 'ア\> lノ l Y__」 i / イ' 人 弋 Vア/ / l ヽヾ、 j j へY / イ ` t⌒_Y- ' l リl l l_し } / l / l T Y' } ' l ,ヘ r ' / /  ̄ > 、i j , 'l ハ / rY 、ム ∧ V \j 、 / ハ ', / , フ' V ミーノ ヽ <ヱl \ ,' l l ヽ/ 、 l 弋 _/ | | ……は?「そんな状態になるなら最初から道を外れるな」? | | 消耗していない段階で、そんなことを“鬼”たちが気にする筈もない。 | | いや、たとえ飢えていても敵がいれば見敵必殺。それが“鬼”。 | | 上位の個体でも「多かれ少なかれ~」だから、末端も末端なら尚更。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ´e ` 、ー / tメ ` --─= `¬ __ jメ) `ー──- __二フー--─´ / . (::\ オ 八 н j ノ \ _ \:::\ ,ノ j リ─t、 ハ┬‐、´ | ',::::: ______\:::\ i| .代リ \{ ыリi й l i:::::::::::\ (:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::y::ィ 八j `´ j , j l i:::::::::::::::〉  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´二二_/ , j. 、 ィ / l /ト:::::::::/p В//// /{ハ 从>- . ´ / ,' /::/゚, X /  ̄ ̄ ' ,r _マ _ ソ /::::`j / {:メ::/ヽ ヽ メ( / ,..:::ヾ♀〃(:/⌒}\:::; l// } ; \ ( \:::∀::/` /// \ハ ノ ハ ========================================================================================= 635 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:50:17 ID:FEHnSLc2 [31/41] ========================================================================================= ~~某第六駆逐隊による解説②~~ ,...::::::´:. ̄ ̄`::::.....、 ,.イ:.:.:.:.:.:.:/:.:.:⌒ ̄``ヽ:.:.丶 x彡:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶:.:.:\ __彡イ:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:`、:.:.:.ミ=- /:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:l:.:l:.:.:.:.:|:.:.|:.:.:.:.:.`、:.:.`、:.:.ハ ///:./ :l:.:l:.:.:.:.:!:.:l:.:.:.::.l:.:.|:. |:.:.:.:.`/ ヽ:.:.:.:l . //:.l:.:l:.:.,l斗―┼:.l:.:.:.:.:l';.:-┼―-L/:.ト:.:.:.:`、 もっともこの新ルートは無理矢理作った獣道みたいなもの、 //:.:.l:.:l:.:.:ト:.|:.|:.:.:|';.:V:.:.:.:l ';.:ハヽ:.:.:.:ハ:.:.:.:|:.\:.:.`、 使い続けてこそで、利用されなくなればすぐに消えてしまうでしょうね。 ノイ:.:. l:.:l:.:.:lヽ,ァ≠トヽV:.:.:l Ⅵzzx;/ l:.:.:. |:.:.:.:`、:.`、 l八:.:.:|:.ハ:.:.l. ′{ノじi ヾV:.:l ´{ノJハヾ:.:/:. l:.:.`、ト.:.:.:`、 ∧:.|:.:.:ヽ:ヽ.、乂り \ゝ乂_;シ/:/:.:./:.:.:.:.l:.i `、:.l /:.:ハ|:.:.:.:.ハゝ:::: 、 :::::/イ:.:.:/:.:.:.:.:/トゝ Ⅵ /:./ )ハ:.:.:込 r‐―v、 /:.:.:/:.:.:l:.:/ リ ⅵ l:/ lハ:.:.:V个:... V__ .ノ ,. イ//_/V ノ/ l( レ Vト;〉/ー‐'::>--< l/ ̄///― 、-=彡′ ヾミ三ゝ /´{:l::l::::::::/--.、__/:::::::://::::/ /`、 /l トl:l:::::::{二二/::::/ノ:::イ / `、 / .l l |:ヽヽ:::{♀/:::://// メ r―へ ,.-く)_ / Y l:i:i:i>ミYム彡./イi:i/ l //:::::::ヽ /三ニミ>、 l ヽ-―ヘ::/:i:i:i:i:i:i:/ V//:::::::>―ミ、 l \:::k::〉 l Lノ  ̄ ̄ 〈:/:::/_ ヽ lヽ \ミノ.l ムト } ̄ `、 lノ V〕 /l:iト\ ヽ Y l V l:i:i:i|:i:i:i\ `、 } _,,..-.‐.─.-. .,,_ ー-==ニ"¨: : : : : : : : : : : : `ヽ、 ヾ 、 . ,..'" : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ:, :ヽ、 .!:l l', ,..' : : :/: : : : , : : : : : : : : ヽ, : : :', : : ヽノ:レノ,..‐''" /: : : : ,' : : : / : : : : !:.,' : : : : :', : :.:i: : : :.',/: : 二==、 . /l: : :i : :l‐-.:イ : : : : ,' /!: :.:.i : : :i: : :.l: : : :.i: : ∠ . 〃!: : l: :.∧_/ l: : : :./:/‐!-:、:!: :.!:.!: : :l: : : :.:!.:, 二ヽ 特にここ数十年は帝國があちこちの地脈を弄ったから、 ... '′!: : :!:.:,'イ゙芹. ',: : :!/ __l: : /l`/:,' : :.:!: : : :.!:/ ll その影響というか反動もあるかもなのです。 !: : ',:i ヒ.カ ヽ.:l ´芹k、 !イ:/: : :,'ー‐‐┐ 〃 ハ: : ,' ゙ー' k_.ハ 》 /:.: :/_‐‐┬┘ ……近くの主要な地脈も幾つか強制的に閉鎖している // ',八 '''' ′ ゙ー" /.: : /r !/l みたいですし。 . 〃 i:', :\ ,─ 、 ''''''' /: :.:/_ ノ.: :/ . " l: i: : l:\丶 ) ./: : /.: : : / 丶l:.: l: : `.ー‐ '' " ,' :/、-‐'´ l: :l,..-''"|ー‐-../:.,':::::/ヽ、 ,、''"ヽヽ:::l:♀/l:/::/ ヽ. . ,' `ヽ, l l::l:::::/:::/,'// ,' i l::',ヽll::/::::::i:i〃 / ! ヾ::::::レ.=≡/ / ,' i [二]:::/_,..-'' / ',丶、l. /:::::l/ ''" /l . i l.,'::::::/ / .l ========================================================================================= 636 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:52:17 ID:FEHnSLc2 [32/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ……しかし、何故”鬼”軍は未だに動こうとしないのだろう? それは何度も説明しているように、彼等を統率する“鬼将”がその様に判断したからだ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ __ __ _ __ /::ヽ. 「::::l /} /:::/ /´::::/ /´::::> ,.-.、_ __,,..、 〈:::::::ハ |:::::j '´ |:::::/ /:::::::/./! /:::::/ /:::::/ /::::::::j__ ';:::::::l l/ _ l::::i /:::::::://:::/ /:::::/ /::::://::7 ,:'::::::::/::::::〉 __ V:::::l /::::}. l:::::!ヽ一' l/ /::::::< └-' 〈_:/ /::::://:::::::/,.ヘ. /:::::/ V:::レ::::::::r' .l:::::l /:::;へ::::\ /:::::< ー-'<:://::::::://:ヽ .';:::::::::/ ;:::::└‐:::ァ ∨ 丶;::::>. ,'::::;ヘ::丶、 ´ /::::::::/':::::::/ .';::::〈 !::::;_:::::::/ ` レ' `¨ /:::::::< ヽ;;/::::> ヽ::::〉 |::/  ̄ /::::;::::::::\ ヽ' .V U 〈:::/ \/ -=ミ 、____ 、__ 、__ i∧ \ \Y ヽ \`ヽ ∨,\___ f^¨\ ヾ :. ノ..::::} \  ̄`ヽ ..:}:__:::::__::j.::::::ノ 〈\ {\ `ヽ、 ノ..:::/Ol::::lOヽ:く 夊:.ー:. Y∧ ______r=≧ー ..,ニニl::::lニノ:;イ ヾ´ ̄丶ヽ::.\ ノ ::::. / ̄ /ィ、 、 > ..,  ̄` マ//∧ l\ \:::::::. |:: ::::.V / く{ \\ 、 ヽ ≧s。 `゙寸i l:::::.\ ;∨:リ |:::. ノ \ \ j ル ノ ゝ アニ=- `_ノ::::::::::|ヽ ; ; V ∨..イ .:::ヽ ヾ≦{_/ / ( { 厂ヽ..::::j:ノ:Y:∨∧ j! 〉:::! -=ニ=-ミ∧ `Y´ /.: ヽ ーヘ 厂ヾ:::::|::::∨∧ '∧ 廴彡'´三≧ー爻、 イ:::::_ノ l _ \{:::::ノ.:::/.::::///,| j{ /.:: i / .:::/ 了ヽ{=-乂___:::::;イ..._ノj::....`ヽ::.八´ .:::::::/⌒ヾ 八 ヽ::::.乂:::...:入.:/ 〉イ=- ::::::::: ≧s。::::::::::ィ/⌒丶,. -‐{ :::l、:∨:ヽ ∨::::厂 i`{ .イ/⌒ヽ ..::::人:.  ̄.::/.: }! .:ノ ノ∧∨::} /.::ノ l 乂__彡´ { .:::/´ :丶:. .::/.: /:| .::l / .':::::i ∨ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ では何故、彼は軍を動かさないのか? しょせん“鬼”の思考など人間に理解できるものではないが、あえて無理にでも意訳すると すれば「練習相手」や「撒き餌」といったところだろう。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 637 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:53:35 ID:FEHnSLc2 [33/41] ========================================================================================= ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ もっとも、これはそこまで綿密に練られた上でのものではない。 そもそも上(>>631)でも述べた様に雲南“鬼”軍は指揮官級の個体数が少ないため、 大味の運用しかできない。 ……元々“鬼”軍の戦術は(別に雲南軍に限らず)本職の軍人から見れば大味を通り 越していい加減とも言えるレベルなのだが、「更に輪をかけて」だ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ~~某第六駆逐隊による解説③~~ | | 要は上も下も処理が追いつかなくて、「大男総身に知恵が回りかね」── | ……いいえ、知恵どころか神経すら回りかねているのよ。 | | 「上に情報を上げるのも下に命令を伝えるのも、どちらも大雑把かつテンポがずれる」 | 「(仮に円滑に伝達できたとしても)そもそも上も下も対処能力が低く、柔軟な判断は望めない」 | 等々、挙げればきりがないわね。 | | まあそんなだから人間側が生き残れたのだけれど。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ////////////////////// ∧ ///♀/////////////////////∧ マ三王三三三三三三三ミk///// ∧ ////////////////>ヘ:::::::「ミ≧s。//〉 ////////////>::''"::::::::::ト L_::::|::::::::::ヾ/ 乂////>:i''"::::イ V:::::::::::::::::レzzx/ト:::::::/lヽ  ̄l:::::::::l::/::|zzァ:::::::::::::::アてハヾ::::::/::| ヽゝ |ト:::::::l::::::《|f::ハ\::::::::| ゞ '' ノ|:::/|:::| l ヽ::::ミト::ヘゞ ′ \::ゝ ,,,,, _彡イ:::| ヽ:::V::≧'''' /:::::/::::| V:::ゝへ. ` ´ イ/:::::/::::: | |::ハ::::::V:::≧‐≦トミ::/:::::/:::::::::| /::ハ::::::V:::「 }:/:::::/┬、::::| . //l:iiハ::::::V::l=♀ミ/:::::/::::シ∧::| | | とはいえ「大軍に戦術なし」という言葉もある。 | | 死ぬまで戦う“鬼”なら尚更、決して甘い相手じゃない。 | | それにこれはあくまで一般論。当然例外は存在する。 | | 特に元々キャパシティが大きいフネ、それも高レベル艦ともなると別格。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ . .´ }jLヽ_ ----------o。_____ __ . / 。o≦ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ ´ \ ′/ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ\ l \ ____| 八ニニニニニニニニニニニニ_ -―――--. ニニニⅣlノ ⌒l Ⅴ 」ニニ≧oⅤニニニニニニニ> ´. | \ Ⅴ ヽ_ 「.| /ニニニニニニ\ニニ=- ´. | | |. i| | \ /ヽ /ニ.Ⅴ しょせん陸の“鬼”は雑魚。 lニニニニニニニニ|/. |, ―- 、 j , -― 、. | 、 f___ イニニニニ Ⅴ /¨¨¨So。二二|. |. ハ |ト、 / i|. ノ. | | |ヽ ’。Ⅴニニニニニニニ」 | T | i|.┬ ┬l / {┬ ┬| | ト、 Ⅵニニニニ.。s升i| . / /八i| i|. 乂__ノ i|八 l 乂__ノ i| | | ’。Ⅳ¨¨¨´ /| / { i|八. i|. \八 ,i| Ⅴ | | ト、 イ } . / 、_。o≦L |.′\| ノj i| | | i| ヽ 八 八 ` .」i| 个。 (__) / i| | | 」__ノヘ Ⅴ \ | | `: . イ .| 八_|_ノ。s升 i| . \ | 八---So。..... <l___/ ハj|´ 八 . \ | /ニニニニ/l。s升 7 /ニニ | ..。s升 \. | 什ニニニ八__ -----./ /ニニニ.| --< 八 、. i| ハニニニニニニニニニニニ/ ′ニニ 八 / . / \.|/.|::Ⅴニニニニニニ○ニ/ lニニニ /::| ..。s升`¨¨¨¨¨´ / / i| ト、::\ニニニニニ土 { .|ニニ イ/ イ、 ヽ . / i| \:::\二ニニニ八 |// λ \ Ⅴ ′ l / i| \::`¨¨¨¨¨¨从 イ 7八. \ Ⅴ ========================================================================================= 639 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:54:17 ID:FEHnSLc2 [35/41] ========================================================================================= ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ただでさえそんな状態だというのに、今回は周囲の“はぐれ”や“もどき”を多数加えて極度に 水膨れしている上、中核である筈の軍も指揮官・兵共に消耗し劣化気味である。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ~~某第六駆逐隊による解説④~~ | | “鬼”は極度に消耗すると劣化するわ。 | | 簡単に言っちゃうとレベルを下げる事によって、差分をエネルギーとして捻出するの。 | | あと運用コストというか消費も「軽く」もなるしね。 | | もちろん全てのステータスが大幅にダウンしちゃうけど、そのままじゃ消滅しちゃうから仕方が無いわ。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄-. . . .´: : : : : : : : : : : : . `ヽ、 __,./. : : : : : : : : `ヽ、 : : : : : : .\  ̄ .' : : : :{: : : : : : : : : . \: : : : : : : :.ヽ .: : : : : :{ : : : : ト、 : \: : ヽ: : : : : : : : : ,i: : : : : :ハ: : : : :l ヽ : :iヽ : }: : : : : : : : } /:{: : : : : l '; : : : | ';: :| y'〉 : : :} :\: `ニ=‐ / : {: : : :{: |―-、: : | -‐ヤL Yi: : : :ハ: : } ヽ / . : ハ : : {: |ィ:芯 ヽ:{ 〃 f:芯ヽ:|: : /`!} : }、: :} { : : ∧} !:∧{ V:リ 弋ツ '|:/t ハ / }: :} ; \:ヽ j:ハ: :{`:::::: 、 ::::::: j/iイ:.:{ノ' // : `^\ j八 ャ :  ̄ヽ ,:': j:ハ:{‐''´ , } {: i>: . 丶: : :ノ .イノ}:'}ゝ ヽ '′ ' 人{ jノム≧=ァ /:>=‐- 、 { ヽー‐''^´ j ヽ、 / f___/:/ \`、 `、 ' .. ) く::::::::{:::/::イ __ ヽ } . ー ''^( ∠ / / {\:{/'´/ { /:::::::::::::::``ヽ、 ____ .. ' . ー ... ) / i Y^^7´ {,ム-‐  ̄ ‐-、< __' l /7Tヽ |: ∈三三三∋ :|::} ri´⊂ニ⊃`i|////{/∧ | |/ 八| ├|/,////}//ハ | | {::{_l l::l{/////, ///} 亅 | | | 「なぜルートを通っているのにそこまで消耗するのか」ですか? | | 道と言ってもしょせん主要ルートとして使うには不完全なのですよ。 | | そしてそれ以上にやはり印度は遠過ぎたのです。 | | 陸の“鬼”は独立して存在するには脆弱過ぎる、あくまで発生した地の附属物なのです。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /´ __,....:::‐=‐: x:- 、 ヽ ミx、 ,l(≦/:.:.:/:.:.:.:.:./:.\:.:.:ヽ、 _ \:.:.:Y:.//:.:.:./:.:.:./:.:./:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ニ=―‐ . _ _ f⌒ヾゝ:.:.:.:.:./:.:.:./:.:.:. |:.:.:′:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.ハ ( ノ\ ( .ノ\ l{ {ハ:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:.:.|:.:.:l:.:.:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.ハ . \//\\//\ Ⅵ:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:. -‐rハ:.|:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.', \//\\//\. Ⅵ:.:.:.:!:.:.:.川、:.:.:| V:.:.:.:.:./トx:.:.:/:.:.:.:.i \//\\//\. V:.:f´!:.:.:.|.ィ伐Tヽ l:.:.:.//:.:./:.:.:.:.:.リ \//\\//\i:.:.:ハ|:.:.:.| 乂り ./;/ ,ォfTヽ:.:.:.:.:.:/l! . \//\\/ {:.:.:.: |:.:.:ハ '''' 弋ソ //: :./ | l二二二/へ:.:.:.:.:.|:.:.:.:.ト _ _ ′'''',ィ:.:.:.:./l:.l l___{{_ヽ>‐'\:‘,> -‐≦/:.:./:.:/人l トiV////V``ヾミx:::ヾ==Vミx,/:.:.// ヽ、 lニ≧x// ヾx:.:Y ♀l::::彡≠、 ムニニマヘ ヾx|:}⊥|::∥l!´ ヽ ムニニマヾヘ Y:ハ=Y/シ / .} .ムニニマ ``ア、 ノ/三f;;;;「 l/ } ムニニマf777Tへ ヽ Ⅵ=}/ :l ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──つまり極度に鈍く、おバカなのだ。 寧ろ何も考えずに全力でひたすら突っ込まれた方が、よほど厄介である。 「下手の考え休むに似たり」とはよく言ったものだ。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ========================================================================================= 641 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 15:56:24 ID:FEHnSLc2 [37/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ だがその過程で鬼将は成長し、過消耗による劣化で失った能力の一部を再獲得した。 そしてそれ以上に経験し、学習した。 「一通りの帝國軍小部隊の行動パターン」、そして「配下の“鬼”の基本的な運用法」を。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ .,.:,.. ,.:,..:. , ィ´ /^};!. ー' j|\イ厂''' _!'''' ノ:|ー-;:;;;illl|':'`::;:;..,ヽ, .,.:,..:.. / L__{. 〈;;ト、 ''二' /;! !ヽ -‐ ,/ト、! -‐;;;lll||`',:'':'`::;:;..,ヽ.,.:,..:.. / |;;:.:L_r‐r─-、---、j/ ハ`二´,イ::::| .::;;;;;;ill|||;"'`',:'':'`::;:;..," `Y´ / .!;;;;:.:.」コ!」f丕丕}ニニ!´ ̄ ̄ ̄,イ(((((((Q !;:;..,"'`',:'':'`::;:;..," ト、. ,r'′ |;;;:;:/二」」_| iコ;;;;:二二二 ̄ ̄_,77´iilll||ト、、、;:;..,"'`',:'':'`::;:; ー-、\ 」;;:/ ̄`TTソ.:.:.:.:.:.:,イ ̄ [[二二[ ̄;_;_;;j:;i;;ミゞ;;:\ . :.: .:.::::::: `二ニニ>-j!コ_ //´.:.:.:.:.:./.:.j //:;;ハ;;::! ノ ィ,.イハ ヽ 、.: .: .:::;;:; :;;;;;;;; -- ー─ `¨`ー---‐ ─ --//:;;/ ',;:|/ ;:; :; :;; ; ;: ;:; ;: ; ;:;::::;;;;;;;;;;;;;  ̄ ゙̄` 二二 ニニ ー--‐'"´,//:;;/ ',:;!;:;:;: :.: : ;. :.: ; ; :;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -=ミ 、____ 、__ 、__ i∧ \ \Y ヽ \`ヽ ∨,\___ f^¨\ ヾ :. ノ..::::} \  ̄`ヽ ..:}:__:::::__::j.::::::ノ 〈\ アノ武器ノ威力ト射程、運用パターンヲ記憶……。 {\ `ヽ、 ノ..:::/Ol::::lOヽ:く 夊:.ー:. Y∧ ______r=≧ー ..,ニニl::::lニノ:;イ ヾ´ ̄丶ヽ::.\ ノ ::::. / ̄ /ィ、 、 > ..,  ̄` マ//∧ l\ \:::::::. |:: ::::.V / く{ \\ 、 ヽ ≧s。 `゙寸i l:::::.\ ;∨:リ |:::. ノ \ \ j ル ノ ゝ アニ=- `_ノ::::::::::|ヽ ; ; V ∨..イ .:::ヽ ヾ≦{_/ / ( { 厂ヽ..::::j:ノ:Y:∨∧ j! 〉:::! -=ニ=-ミ∧ `Y´ /.: ヽ ーヘ 厂ヾ:::::|::::∨∧ '∧ 廴彡'´三≧ー爻、 イ:::::_ノ l _ \{:::::ノ.:::/.::::///,| j{ /.:: i / .:::/ 了ヽ{=-乂___:::::;イ..._ノj::....`ヽ::.八´ .:::::::/⌒ヾ 八 ヽ::::.乂:::...:入.:/ 〉イ=- ::::::::: ≧s。::::::::::ィ/⌒丶,. -‐{ :::l、:∨:ヽ ∨::::厂 i`{ .イ/⌒ヽ ..::::人:.  ̄.::/.: }! .:ノ ノ∧∨::} /.::ノ l 乂__彡´ { .:::/´ :丶:. .::/.: /:| .::l / .':::::i ∨ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ……恐らく鬼将は大祢中隊を(その脅威度の低さから)敵というよりも単なる練習相手、 実験台として認識していたのだろう。 彼等が無事だったのは、そういう理由だ。 (この辺はこの鬼将の「個性」であり、運が良かったとしか言い様が無い!) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 642 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 16:01:10 ID:FEHnSLc2 [38/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ そして今回の「やらない夫たちの出現」という想定外の事態に混乱するも、「目の前の敵だけ でなく周辺に対する警戒の必要性」と「“撒き餌”としての効果」を学んだ。 ……恐らく、やらない夫たちについても(少なくとも今のところは)練習相手兼“撒き餌”として 使うつもりなのだろう。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ''';;';';;'';;;,., ザッ ''';;';'';';''';;'';;;,., ザッ ザッ ;;''';;';'';';';;;'';;'';;; ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;; ,.~^,.~^,.~^..~^ ザッ ⌒vv⌒yv⌒vv⌒yv⌒vv、 , '´ ̄`ヽ -^, '´ ̄`ヽ -^, '´ ̄`ヽ ザッ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄`ヽ ,‐ '´ ̄ ̄`ヽ__‐ '´ ̄ ̄`ヽ _‐ '´ ̄ ̄`ヽ ザッ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -=ミ 、____ 、__ 、__ i∧ \ \Y ヽ \`ヽ ∨,\___ f^¨\ ヾ :. ノ..::::} \  ̄`ヽ ..:}:__:::::__::j.::::::ノ 〈\ オマエ達ハ向コウ、 {\ `ヽ、 ノ..:::/Ol::::lOヽ:く 夊:.ー:. モウ少シ向コウ……。 Y∧ ______r=≧ー ..,ニニl::::lニノ:;イ ヾ´ ̄丶ヽ::.\ ノ ::::. / ̄ /ィ、 、 > ..,  ̄` マ//∧ l\ \:::::::. |:: ::::.V / く{ \\ 、 ヽ ≧s。 `゙寸i l:::::.\ ;∨:リ |:::. ノ \ \ j ル ノ ゝ アニ=- `_ノ::::::::::|ヽ ; ; V ∨..イ .:::ヽ ヾ≦{_/ / ( { 厂ヽ..::::j:ノ:Y:∨∧ j! 〉:::! -=ニ=-ミ∧ `Y´ /.: ヽ ーヘ 厂ヾ:::::|::::∨∧ '∧ 廴彡'´三≧ー爻、 イ:::::_ノ l _ \{:::::ノ.:::/.::::///,| j{ /.:: i / .:::/ 了ヽ{=-乂___:::::;イ..._ノj::....`ヽ::.八´ .:::::::/⌒ヾ 八 ヽ::::.乂:::...:入.:/ 〉イ=- ::::::::: ≧s。::::::::::ィ/⌒丶,. -‐{ :::l、:∨:ヽ ∨::::厂 i`{ .イ/⌒ヽ ..::::人:.  ̄.::/.: }! .:ノ ノ∧∨::} /.::ノ l 乂__彡´ { .:::/´ :丶:. .::/.: /:| .::l / .':::::i ∨ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 敵(やらない夫たち)の戦力が不明にも関わらず、調べもせずにまったく同じ行動をとろうとする。 (指揮統率と配下の能力の限界から)再布陣に長時間がかかるのを承知で実行する。 己の経験と学習に固執しているのだ。 ……それを否定するだけの知識も柔軟さも持たないが故に。 (鬼将と言っても、しょせんは最下級の深海棲艦にすら到底及ばぬ階梯なので仕方が無い) (これが高レベル要塞あたりとリンクした個体ならば、また話は違ってくるのだが……) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 643 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 16:02:02 ID:FEHnSLc2 [39/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 何れにせよ“彼”も配下の“鬼”共も死をまったく恐れていないし、そもそもそんな概念など 持ち合わせていない。ただただ最後まで戦う…いや“活動”を続けるのみである。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ,.- ; ,.- ;,.- ;,.- ;,.- ; ,.- ;- ;,.- ;.-;- ; ,. ー- 、 ,. ー- 、,. ー- 、,. ー- 、.ー- 、 ,. ー- 、 /⌒\ / ̄ ヽ, / ̄ ヽ, / ̄ ヽ, ̄ ヽ, / ̄ ヽ,ツ{p ,-、 q}ミ\ / ̄ ヽ, / ̄ ヽ, / ̄ ヽ, ̄ ヽ, / ̄ ヽ, / ̄ ヽリ. `=' ',.^ヽ\ / ̄ ̄ ヽ, / ̄ ̄ ヽ, / ̄ ̄ ヽ, ̄ ̄ ヽ, / ̄ ̄ ヽ, ', ,二二.) / / ̄ ̄ ヽ,. / ̄ ̄ ヽ, / ̄ ̄ ヽ, ̄ ̄ ヽ, / ̄ ̄ ヽ, / {0} /'/ ',./'/ ',/'/ ',. / ', l ヽ{0} /¨`ヽ {0}, {0} /¨`ヽ {0}',.{0} /¨`ヽ {0} /¨`ヽ{{0} /¨`ヽ {0}', | l ヽ._.ノ l i トェェェイ l.l ヽ._.ノ ',ヽ._ノ l///トェェェイ/// ', . /´ リ `ー'′ ヽ `ー'′ リ `ー'′ !.ー′! `ー'′ ! /´ `\ /´ `\ / `\ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -=ミ 、____ 、__ 、__ i∧ \ \Y ヽ \`ヽ ∨,\___ f^¨\ ヾ :. ノ..::::} \  ̄`ヽ ..:}:__:::::__::j.::::::ノ 〈\ 準備完了…… 攻撃ヲ開始スル……。 {\ `ヽ、 ノ..:::/Ol::::lOヽ:く 夊:.ー:. Y∧ ______r=≧ー ..,ニニl::::lニノ:;イ ヾ´ ̄丶ヽ::.\ ノ ::::. / ̄ /ィ、 、 > ..,  ̄` マ//∧ l\ \:::::::. |:: ::::.V / く{ \\ 、 ヽ ≧s。 `゙寸i l:::::.\ ;∨:リ |:::. ノ \ \ j ル ノ ゝ アニ=- `_ノ::::::::::|ヽ ; ; V ∨..イ .:::ヽ ヾ≦{_/ / ( { 厂ヽ..::::j:ノ:Y:∨∧ j! 〉:::! -=ニ=-ミ∧ `Y´ /.: ヽ ーヘ 厂ヾ:::::|::::∨∧ '∧ 廴彡'´三≧ー爻、 イ:::::_ノ l _ \{:::::ノ.:::/.::::///,| j{ /.:: i / .:::/ 了ヽ{=-乂___:::::;イ..._ノj::....`ヽ::.八´ .:::::::/⌒ヾ 八 ヽ::::.乂:::...:入.:/ 〉イ=- ::::::::: ≧s。::::::::::ィ/⌒丶,. -‐{ :::l、:∨:ヽ ∨::::厂 i`{ .イ/⌒ヽ ..::::人:.  ̄.::/.: }! .:ノ ノ∧∨::} /.::ノ l 乂__彡´ { .:::/´ :丶:. .::/.: /:| .::l / .':::::i ∨ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ そう、彼等の代わりなどいくらでも存在するのだから……。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 644 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 16:03:08 ID:FEHnSLc2 [40/41] ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ──こうして双方それぞれの思惑?の中、戦闘が始まったのである。 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ -=ミ 、____ 、__ 、__ i∧ \ \Y ヽ \`ヽ ∨,\___ f^¨\ ヾ :. ノ..::::} \  ̄`ヽ ..:}:__:::::__::j.::::::ノ 〈\ 攻撃…… 攻撃…… {\ `ヽ、 ノ..:::/Ol::::lOヽ:く 夊:.ー:. Y∧ ______r=≧ー ..,ニニl::::lニノ:;イ ヾ´ ̄丶ヽ::.\ ノ ::::. / ̄ /ィ、 、 > ..,  ̄` マ//∧ l\ \:::::::. |:: ::::.V / く{ \\ 、 ヽ ≧s。 `゙寸i l:::::.\ ;∨:リ |:::. ノ \ \ j ル ノ ゝ アニ=- `_ノ::::::::::|ヽ ; ; V ∨..イ .:::ヽ ヾ≦{_/ / ( { 厂ヽ..::::j:ノ:Y:∨∧ j! 〉:::! -=ニ=-ミ∧ `Y´ /.: ヽ ーヘ 厂ヾ:::::|::::∨∧ '∧ 廴彡'´三≧ー爻、 イ:::::_ノ l _ \{:::::ノ.:::/.::::///,| j{ /.:: i / .:::/ 了ヽ{=-乂___:::::;イ..._ノj::....`ヽ::.八´ .:::::::/⌒ヾ 八 ヽ::::.乂:::...:入.:/ 〉イ=- ::::::::: ≧s。::::::::::ィ/⌒丶,. -‐{ :::l、:∨:ヽ ∨::::厂 i`{ .イ/⌒ヽ ..::::人:.  ̄.::/.: }! .:ノ ノ∧∨::} /.::ノ l 乂__彡´ { .:::/´ :丶:. .::/.: /:| .::l / .':::::i ∨ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ _、_,,yヽ,,ノv,,v''ヾ,,/,,〃,,, ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'〃 く:::::::::;;;r'''´´```ヾ::f''''´´"ヾ、〈 く;::::::( ゙!:l !;::::::::;ゝ ,,...-、 |:!. (即救援が出ていたとしても、到着は最短で──) '!;::::;!′,r===;、 ,;二;;,,_」::! !::::!' ,,イi'´ヒ,)″ l,!=イ「r;ォ、 `i|' (……できる限り消耗を抑えねば) r'ーイ" l ノ !. `´ l!=、 i 入 ` ̄ ̄´ ! `ー--'^|〉) !.(〈 U ゙ ′ !ノ `Y ,..-―‐-.、 ,! '! ′ ノ ト 、 - ,イ′ ,='!、,,,_` 丶 、_,,,...r'´ i、_ i::::::::::: ̄ ̄`>-、 f‐<'´ ̄:i ,i:::::::::::::;ー;::::i rl i ,i rl i:::::::::::i 645 名前:1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日:2015/07/16(木) 16:19:40 ID:FEHnSLc2 [41/41] 以上、投下終了。次回ようやく最終回(の予定) ……の予定ですが、予告通り別の話を。 ,,-''" ̄ ̄ " '' 、 / " 、 γ .\ / √".ニ、''ヽ、 "ッ / /γ ヽ '","ニ''、''...彳 | イ/ γ⌒ヽ 'i,γ ヽ || √ヘ .|.i .i ,.、.'i, .' γ'⌒'ヽ i.ii よお、久しぶりだな。 |∩|| .|~ ''''' ' . ! 'i,__ノγ^i .ヒツiト, iγi ミ , ⌒ヽ ' イイ 少佐に昇進したんだって? 'i. ツ γ^ 、 , -、,,,,i . ||.| ~│ イ _ .ゞッ,, ゝ-、ノ |リ 今度飲もうぜ。 .│ .|" ゝィ、_ "-"-"┐ レ [二 / \ \ _ "‐ ~ッ / i ノ .| .\ ."< "ヾ‐‐、 / / | ./ | "-,, " ‐- イ オ .| ノ 'i, >―‐、─イノ"'i, .| | | あ、はい。提督引退のお情け昇進ですが……。 | \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄ ̄ \ / ::\::::::/::: u\ (てか先輩、まだ大尉なのか……) / (⌒):::::::(⌒) ヽ | 、__',_, u. | (僕よりだいぶ年上だし、提督としての階梯はもちろん軍功だって比べ物にならないのに……) \ `‐'´ / /⌒ヽ ー‐ ィヽ ← どういう顔をしていいのかわからないw ではまた。 646 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 16:43:48 ID:TnbW1frA [3/4] 乙 647 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 17:25:23 ID:v04d3tKc おつー おお、いよいよ最終回か、楽しみです。 経験値入れ食い……だけど、レベルアップ分よりも消耗しそうですねw 648 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 18:41:59 ID:l4cGe.AY 乙 そして両津か。考課表無茶苦茶なんだろうなー 649 名前:名無しさん[] 投稿日:2015/07/16(木) 18:54:39 ID:slrx3wSA 乙 650 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 19:29:45 ID:pi9Dfvlo 乙 両さんwこれは期待 651 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/16(木) 23:13:10 ID:A.u6qHIc [3/3] 経験値が一杯… 薄、貝…ごほん、改になれ! 652 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/18(土) 02:13:49 ID:e8gV/cCU >>645 出来る夫提督、戦死すること無く第一線から退く事が出来たのか……。 そして、両津提督(潜水隊司令)はまだ引退させてもらえないのか……。 両津提督の戦い、期待して待ってます。 >>651 「私は改になりたい」ですか。 結局彼女は改型になれたのでしょうか? 653 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/19(日) 00:59:32 ID:jvHCYatU [5/5] 両さんえらい余裕があるな 階級は低くても金なら有り余ってそうだし 煩わしい人間関係もなさそうだし、最前線とはいえ趣味に打ち込めるし これはこれで幸せだろうな 654 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/19(日) 11:27:45 ID:7I9sIwiI 両さんに部長とか、どんな志望フラグがあっても安心感がw 655 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/19(日) 18:49:02 ID:dTychfNo 潜水艦娘たちとのいちゃいちゃ(子守)が楽しみだ 656 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/20(月) 08:09:21 ID:WB4AEogA >>653 複数の潜水艦を持つ提督だから金は有り余ってて、出世の煩わしさや上との付き合いを気にしなくてよく 趣味(金儲け)に没頭しながら、艦娘たちと航海し続けるって、ある意味この世界で理想的な生き方だな その分フォローする部長が大変そうだがw こういう破天荒な人って何時の時代にもいるからね、命の危険も生きる上でのスパイスにしていそうw アカギのいう、成功の積み木を自分で崩す理論に近いかも。 成功の毒……っ! 気づけばがんじがらめ……っっ!! 熱い三流であれ……っっっ!!! 657 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/20(月) 10:15:18 ID:Oor9HjTI 間違いなく両津提督の潜水艦娘たちはダメンズウォーカー 何かの表紙で両津が真面目になったら病んじゃうタイプだ 658 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/20(月) 11:20:28 ID:6X6kOrDU いや、甲斐性的にも能力的にもダメじゃないだろ、両津は 出世するほど束縛と義務が多くなる世界で理想的な生き方してるぞ 659 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2015/07/20(月) 12:59:46 ID:TnbW1frA [4/4] 潜水艦組みは今の所感情が表現できてある程度の融通もきくみたいだし いい艦魂なんだろうなとは思うわ