400 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:03:37 ID:QikcOib6 [1/62]
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ファンタジー世界の住人たちの朝は早い。
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401 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:04:08 ID:QikcOib6 [2/62]
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彼等はまだ夜が明けきる前に起床し、僅かな日の光を頼りに手早く一日の準備を始める。
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（
ヽ
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／─ ─ ＼ あ～、もうそろそろ夜明けかお……。
／ （＝） （＝） ＼
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| | / l ヽ | |
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／ ｀ ヽ__ `- {し| .／. | |
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ノ ヽ__ ｀ヽ.／. ／ |_|
／ ノ| .／
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| | | |へ | | ﾉ| ||/
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402 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:05:12 ID:QikcOib6 [3/62]
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というか、ぶっちゃけ「太陽の下でしか生活できない」のだ。
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＿＿＿
／ ヽ､_ ＼ ま、睡眠時間は十分とってるんですだけどね？
／（● ） （● ） ＼ ……この世界の夜って、本当に「真っ暗」なんだお。
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ あれはちょっとカルチャーショックだお。
| ｌ^l^lｎー'´ U |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
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「剣と魔法の世界」といえば聞こえはいいが、魔法を使える人間が極々一握りである以上、
その他大多数の人間の生活は過去の地球とさほど変わりはない。
当然、照明も「薪や油・蝋燭で燃やした炎」程度のもので、しかも決して安いものではない。
これでは夜間にまともな活動などできやしない。必然的に太陽に合わせた生活となる。
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403 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:10:11 ID:QikcOib6 [4/62]
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ……それに夜更かしできたところで、別にいい事ねえお。
／ U _ノ ヽ_ ＼ ネットもゲームも漫画も、テレビ・ラジオすら無いもんな～。
| （一）|lil|（ー） | 寧ろ労働時間が増えるだけじゃね？
/ ∩ノ ⊃_） ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／ ￣￣ ＼
／ノ ヽ__ ＼ まあ最近はもう慣れたけどね。
／（―） （― ） ＼ というか、思考が退化（単純化）した感じ。(*)
|. （_人＿） u | 暇になると眠くなるし。
＼ ｀⌒ ´ ,／
/ ヽ
./ l ,/ / i ※（活字媒体を含む）情報からほぼ完全に遮断され、
(＿) (__ ノ l あまり物を考えなくなった。
／ ／ ___ ,ノ
!､＿__!､＿_＿＿_つ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……いや、この世界でも夜更かしは（あくまで相対的にだが）楽しい。
だが時間的・経済的な制約から、一部の富裕層にしか堪能できないのだ。
（要するに「夜更かし」「朝寝」は、余裕の乏しいこの世界ではかなりの贅沢・浪費であり、
またそうであるが故に非難されるべき悪徳（怠惰）だった）
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404 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:13:34 ID:QikcOib6 [5/62]
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故に、労働時間も基本的に「日の出から日の入りまで」となる。
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＿＿＿_
／ ＼ むしろ暗くて働けない分、「休憩時間」なんだお。
／ ／ ＼＼. 明るけりゃその分余計に内職の一つもやらされるだろうし、
／ （●） （●） ＼ だいいち夜が暗いのは「当たり前」(*)なんだお。
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/ ::::i ＼ ※なんだかんだで染まってきた。
/ / ::::|＿/
＼／ ::|
| ::::| ｷｭﾑ
i ＼ ::::/ ｷｭﾑ
＼ |::／
|＼＿／/
＼＿／
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日の出から日の入りまでを平均12時間。
朝昼夕の「食事」「休憩」「仕事や身支度の準備（片付）」等に各1～2時間（計4～5時間）として、
実働時間は平均7時間からせいぜい8時間。悪天候等を考えれば更に減るだろう。
内容（密度）はともかく、数字的にはその程度だ。
（その後も薪や屠殺した家畜の油等を灯りに使い、内職や明日の準備等を行うかもしれないが、
現実的に考えて「おまけ」程度だろう）
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405 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:13:49 ID:QikcOib6 [6/62]
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――だがそんな生活に、ある日大きな一石が投じられた。
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＼ /
＼ ＼ 丶 / / ／
＼ ＼ 丶 i | ./ / ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i | / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i. | ./ / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i. .| / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i | / / ／ ／
ヽ ＼ ／
＼ ／! ,,.rｧ
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二二二 ／ ./! l! lﾞ／ _,,.rｧ ＝＝＝ 二二二
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406 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:16:06 ID:QikcOib6 [7/62]
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魔法の光、“ライト”。
その輝きは（基本設定で）実に半径5m、約80㎡（≒24坪）もの範囲にまで及び、
蝋燭・油・薪を用いた一般的な灯りとは比較にならない程の明るさを発揮する。
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しかも途中で消えて或いは燃え尽きて「点け直す」といった手間もなければ、
「嫌な臭いがしない」「火事の心配が無い」とまさに完璧な照明である。
（逆説的に言えば、世間一般的と言われる他の照明は「物を燃やす炎」であるため、
その明るさに対する不満ももちろんだが、火の管理に少なくない手間と多大な危険が伴う上、
燃える臭いから逃れることができないという根本的な欠陥を有している）
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407 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:16:42 ID:QikcOib6 [8/62]
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始めて触れる（目にする）“文明の光”に、村人たちは口々に驚嘆のため息を漏らす。
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(ヽ、００ ∩ (ヽ、００ ∩
⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃ ⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃
,, -‐- ＼ | |／⌒ヽ 〇 〇 ,, -‐- ＼ | |／⌒ヽ 〇 〇
（ ⊂ニニ / ／⌒) ） （ ⊂ニニ / ／⌒) ）
｀ｰ――'′ し∪ （ノ ｀ｰ――'′ し∪ （ノ
「これが……」 「すご……」 「は～ まるで昼間の外みたいだな～～」
_,r～～～～.､
r' _,r～～～～､ヽ ＿--､, -ｚ._
｛ ﾉ u ｀ﾆﾆ´ ヽ.) _,-ｰvｰｚ_ ＞::::::::::::::::::＜
. ｛ Ｌ_ r=＝= u.==､l′ ｲ ,､,､,､,､,､ ヽ /::::::::;:::ﾊ:::､:::::ヾ
{r=ｉ| r ｡＝ ｡=､ | | l--､ v,.-ヽ| ｲ:::ｨ/K u >ﾍﾄ:::|
{|L||ij ｀ニ7 lﾆ´v| 1|⊂･ ･⊃|,l .ｈ:｢こ･j=｢･う]:ｎ
{`ｧ| r─' L＿｣ ｰ､| ｛ｆ|L ∪ v」|ｆ） |f||:￣,」 L￣:||ｊ.|
_／{/ :| |（二二ニ二）|. ｀|.⊂ニつ l´ ヽl ‘‐ｕ‐’v:ﾚ'
-‐'''"´::|:::::ﾄ､ ヽ_ , , , ,一, , _人 ,ゝ､.二. ｲヽ_ _/l.ヾ二二ﾌ∧
:::::::::::::::|::::::| ＼ ￣｀¨ﾌ丁 |:::: ＼-‐''"´|: :|､.＿_,.|: :|: ｀＞ｰ''"´|: :|＼.二.／|: :「｀'''ｰ- .、
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:::::::::::: |::::::: |ヽ／ 〉:〈.∨|:::::::|:::::::::::::::/::::| : : : :|ﾟ: : :;ﾊ : :|: : : : : ;＞:|／〉〈＼|:＜; : : : : :|/: : l
408 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:17:54 ID:QikcOib6 [9/62]
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そんな村人たちの反応を確認した後、この光をもたらした魔法使いの男が口を開いた。
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／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
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'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ いかがですか？ これが“ライト”の魔法です。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: |
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
409 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:18:10 ID:QikcOib6 [10/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 一度発動すれば半日（12時間）保ちます。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . この様に空気の汚れや火事の心配もありませんから、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ その間いちいち番をする必要もありません。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ ――ほら、この通り嫌な臭いや煙だってでないでしょう？
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
／｀i ／｀i
／ | ／ /:.:.| /〉 ｒ:i
J｀ ／ ＿__」,／ ／ . :.:| // | |
） / ´ -､::l 〈/ |_| ああ、言われてみれば……。
て ,' __ __ .:.:.';
l ´ ｀ J::.::.:.l ﾛﾛ ,勹
| ＿ :.:.:.| ノノ
', ｲ ! し .:.:/
ヽ ￣ ／
ｒ ､
| ＼
ｰ―-､ ____|＿ ヽ_
´ ｀ヽ.
＼/ :,
i' -― ‐- i そりゃ大したもんだなあ～ 何から何まで完璧だ。
l し l
ゝ､ rっ /
／⌒ ,.-ｰ-､___,ノ^)
｀⌒ｨ 〈
ﾞｰ--､ ＼
410 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:18:29 ID:QikcOib6 [11/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . もちろん基本的には何も必要ありませんが、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 何かを憑代に使えば皆さんでも移動や持ち運びができますよ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┌ 、 ,. ┐
| :,＼＿＿＿＿／,: |
| ／ ＼ |
V V
| 三三 U | っ でも、お高いんでしょう？
| 三三三三 U | っ
ヽ. ,ー―､ /
＞｀ー─' ＜
411 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:19:12 ID:QikcOib6 [12/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 1回1シリング半です。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
f^ヽ ／',
|:.:.:. ヽ ／ !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< |
/:.:.:.:.:.:.:.:.. u ',
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: , 1シリング半か。う～～ん……。
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- ,
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- ､
ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ／ ヽ
／:.:ﾞ"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ﾉ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | ／
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……だが、「1回1シリング半」という価格設定を聞き、村人たちは一様に顔を顰めた。
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412 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:20:22 ID:QikcOib6 [13/62]
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純粋に高いか安いかで言えば、高い。
半日（12時間）で1シリング半（18ペンス）ということは、1時間当たり1ペニー半。
これは村人たちが普段使うような（獣脂・魚油・松脂等を用いた）照明どころか、
高価な植物油を用いたオイルランプよりも更に高い。
ぶっちゃけ「蜜蝋の蝋燭よりはマシ」といった水準である。
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(ヽ、００ ∩ (ヽ、００ ∩
⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃ ⊂ニ、ﾆ⊃ ⊂ ⊃
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（ ⊂ニニ / ／⌒) ） （ ⊂ニニ / ／⌒) ）
｀ｰ――'′ し∪ （ノ ｀ｰ――'′ し∪ （ノ
∧,,∧ ∧,,∧ 「日雇の日当が20ペンス(*)だから、人を1人雇うのとほぼ同じか……」
∧,,∧ (´・ω・)(・ω・｀)∧,,∧
( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・｀ ) 「た、高え…… 薪ならタダだぜ？」
ｌ Ｕ ｌ ( ´・) (・｀ )ｌ と ﾉ
.ｕ-ｕ ( l). (l ) u-ｕ' 「いやいや、あれだって使用料払ってるし量だって制限されてるじゃん」
`ｕ-ｕ' `ｕ-u'
※郡村部における成人男性の日雇賃金は通常20ペンス。（農繁期や特別な重労働で25前後～30ペンス）
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とはいえ、その効果や様々な利点を考えれば決して「高い」とは言い切れない。
そもそも「80㎡を昼間の様に照らす照明」と「手許に置いても本を読むことすら困難な照明」を
同じ土俵に並べ、単純に「高いか安いか」で優劣を決めること自体が間違っている。
むしろ非常に費用対効果に優れた、かつ他に代替手段の無い能力を持つ照明と言えるだろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
413 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:21:00 ID:QikcOib6 [14/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
――ただし、「富裕層にとっては」、だ。
逆に一般庶民にとっては相当に「高い」買い物だ。
彼等にとって1ペニー半と言えば、下手をすると1日の照明代である。
ましてや1シリング半などとても許容できる額では無い。
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＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . これを使えば内職や家畜の世話等、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ いろいろと夜に回せるのでは？
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
∧,,∧ ∧,,∧ 「まあ確かにこれだけ明るきゃ『いろいろ』できるけどよ……」
∧,,∧ (´・ω・)(・ω・｀)∧,,∧
( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・｀ ) 「ああ、その度に1ペニー半もかかっちゃあ、そうそう元がとれねえ」
ｌ Ｕ ｌ ( ´・) (・｀ )ｌ と ﾉ
.ｕ-ｕ ( l). (l ) u-ｕ' 「てか半日はさすがに効き過ぎだろ……」
`ｕ-ｕ' `ｕ-u'
414 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:21:45 ID:QikcOib6 [15/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ああ、庶民が1日に照明を使う時間なんて2時間やそこらだ。12時間なんて逆に困ってしまう。
（これが富裕層ならもっと夜更かしであるのはもちろんのこと、日中から灯しかねないが……）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|￣＼ |￣＼
| ＞――| ',
∨ ∨
{ ● ● } ……なあ、これバラ売りできないのか？
', ┌―7 u/ 「1時間いくら」とか「1ペンスでこれだけ」とかって感じで。
＞ ー' ＜
/ ＼
| ｒ y }＼
| |、 / / ヽ
| | 。 / / ヽ
| O / / ヽ
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ ヾ | それにこれじゃ明るすぎてもったいない。
l/ ー' 〃ー' `, 俺の家の家も家畜小屋はそんなに広くないから、
i - - ', もっと暗くしてその分安くしてくれ。
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 明るさについては仰って下されば設置時に調節しますけど、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 申し訳ありませんがバラ売りも値引きもできません。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ どちらにせよ1回に使う力は同じですからね。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
415 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:22:28 ID:QikcOib6 [16/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
未だに蝋燭だのランプだのが世間で幅を利かしているのは「そういうこと」、
「魔法は富裕層、それ以外は～」とちゃんと棲み分けができているのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ それに都市部なら3シリングですからその半額、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . これでもかなりお得なお値段ですよ。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 長期契約して頂けるならお勉強もさせて頂きます。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
. __ｎ_ __ . ｎ ｎ . ∩.⊂⊃◎..
ｱ ｢ └' ｌ｣ l l l | ⊆⊇
. 込 ｰ勹.... .rリ Lｌ(⊆广
￣
∧,,∧ .∧,,∧
∧∧(´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀)∧∧
(´‐ω‐) ∧∧) ( ∧∧(‐ω‐｀)
｜ Ｕ (´‐ω‐｀)(´‐ω‐｀) と ﾉ
ｕ-ｕ （l ) ( ﾉ u-ｕ
`ｕ-ｕ' `ｕ-u'
416 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:23:01 ID:QikcOib6 [17/62]
┌──────────────────────────────────────┐
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ | まあ祭りや結婚式なんかの際には使えるかもしれん。
i | . ……昔、前の魔法使いがいた時も利用していたからな。
ヽ ﾉ￣| / その際には考えておくよ。
> ´ ￣ ｀ <
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . よろしくお願いします。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
ただいま場面転換中…
しばらくお待ちください .
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└──────────────────────────────────────┘
417 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:23:21 ID:QikcOib6 [18/62]
:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾ
ﾉ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;| <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞ
ゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞﾞゞ;;:::iｉ| |;:ヾゞ "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ
|;:ilヾ ＼ |::;ii| ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i| ノヾゞ:ヾヾ::ヾ＼ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:, |i;ゞゞ
|;:i| ＼`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ| |;:i|／＾ '|i| |;:i| ＼｀";;::ii| ﾉ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ
|;:i| ﾞヽ,;:;;;l| /ﾞ;ゞゞ;ゞ:::ii| |;:i| |i| |;:i| ~|ii;;:ii"´／ |;;::iｉ| |i|／
|;:i| |:::;iii~ ﾉ ,,|;;::iｉ| |;:i| |i| |;:i| |i::;;iii|~ .|;;::iｉ| ''＼|i|
':;,`:ヽ|／,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ γ''"""''""''"' |ii;;i;(''）''"''''"""''"""'''''"""''
"；*'.:.:;”:;ﾞ|:;;iii|`:;,':,*”:;:;.,:;.:；'.:.:;”:;ヾヾ)) (（,:ｿﾐ;.:';';';::;.:". |i;;;::;iii|`:;,':,:;.,:;.:;';',: ':::;.:".:;.:';
.:;”:`:;,' *”|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;,':,*”:;:;.,:;.:；'.:ソ "''~`''"ﾞ"'''~ノ;;ii;:iilli;ゝ"''~`''"ﾞ"''~`''"ﾞ"''~ﾞ
"''~`''"ﾞ ノﾉｼillゝ"''~`''"ﾞ"''~`''"ﾞ"''~ "'''''''''''''''" ..,,､vji､iijww､ii..,
"'''''''''" '""'''""'"""
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ｌ:::::|:/:.:.:.:.:.:.:.:.:ｌ ∧:::::::::::::::.:〉
|::: ｌ':.:.:.:.:.:.:.:.:. ! {ｉ ー ⌒ｉ´
ｌ::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ', ヾ､ !
/::ヽ:―‐:.､:.:.:.:.:.:〉 ｌ! ヽ
〈:::::, ― ､:::.:.:.:.:! ｌ{ }
V ￣ ヽ ヾ ､＿ ﾉ
´ | ｀ ー ´
/ ‐'}
{ ｀ ー―――‐ ´ ‐'
ー――――― ´
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
418 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:24:00 ID:QikcOib6 [19/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | やれやれ、あれじゃあ期待はもてそうにないな。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ .
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ ／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
村からの帰り道、男──カインは大きな溜息を吐きつつぼやいた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
419 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:24:30 ID:QikcOib6 [20/62]
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| 祭りはともかく、結婚式だと「一定以上の層」になるだろうな。
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l はてさて、いったい月に何回お呼びがかかることやら。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ',
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __ ノ
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
前述したように、カインは魔法使いである。
だが魔法使いといえば、世間では「貴族」「金持ち」と見なされている人種だ。
であるというのに、農民相手に魔法を売り込んで小銭稼ぎとは一体どういうことだろう？
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
420 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:25:08 ID:QikcOib6 [21/62]
=========================================================================================
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
魔法使いは希少だ。彼等の数は、その子弟を含めても総人口の1％程でしかない。
更に付け加えると、王侯貴族の殆ど…そして富裕層の多くが魔法使いである。
成り上がりほやほやでもない限り、彼等は「魔法使いの血統」と見做しても過言では無いだろう。
――しかしその逆、「魔法使いの全員が貴族・富豪である」訳では無い。
実のところ魔法使いの大半は、王侯貴族や富裕層に仕える言わば「宮仕え」の身で、
身分的には平民か良くて騎士、経済的にも中産階級に過ぎない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|￣＼ |￣＼
| ＞――| ',
∨ 庶民 ∨
{ ● ● } ”平民”？ 法律云々なんて細かいことはわからないけど、
', ┌―7 u/ 俺達一般庶民とは明らかに違う、一線を引かれた扱いだよな？
＞ ー' ＜
/ ＼
| ｒ y }＼
| |、 / / ヽ
| | 。 / / ヽ
| O / / ヽ
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ 庶民 ヾ | 中産階級？ あの収入で「真ん中」な訳ねーだろ。
l/ ー' 〃ー' `, 市内で庭付き一戸建てに住んで、下女まで雇ってんだぜ？
i - - ', 金持ち以外の何だってんだよ。
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
とはいえ、魔法使いは基本的に（王侯貴族も名を連ねる）王立魔法ギルドの正規構成員であり、
かつ（王侯貴族や富豪でなければ）その多くが王侯の騎士や役人、言わば准貴族的な存在だ。
また収入的にも中産階級は層が薄く、ピラミッド（収入階層）の上位に位置している。
庶民から見れば、まごうことなき「貴族」であり「金持ち」だろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
421 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:25:28 ID:QikcOib6 [22/62]
=========================================================================================
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……もっとも、物事には何事にも例外というものが存在する。
というか、これはあくまで一般論、更にぶっちゃけると「まともな魔法使い」の話に過ぎない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
f^ヽ ／',
|:.:.:. ヽ ／ !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< |
/:.:.:.:.:..:..魔法使い u ', 魔法使いの血統と言っても、少なからぬ“落ちこぼれ”が存在する。
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: , 特に下から一～二割は半数がドロップアウトし、残る半数も1レベル止まりさ。
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- , 頑張ればもう少し何とかなるかもだが、経済的にも精神的にも辛いだろうしな。
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- ､
ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ／ ヽ
／:.:ﾞ"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ﾉ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | ／
| ＿＼ _ ＿／ ＿.|
| | ＞ ￣￣￣ ＜ || そうは言うが、魔法使いは3レベルでようやく一人前だぜ？
| レ´ .魔法使い ＼ ｣| 2レベルじゃあまだまだ駆け出しの半人前、ましてや1レベルなんざほんのヒヨッ子さ。
∨● ―‐ ∨ ある程度で芽が出なきゃ、別の生き方を探した方が賢明だろうよ。
| ト―┐ u }
､ ヽ_ノ ／
＞- ―'''‐- 、
∠_ |
<⌒＞''￣⌒7 /
￣ ＿ ―''⌒ /|
―￣ ￣''''―‐一' |
=========================================================================================
422 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:26:48 ID:QikcOib6 [23/62]
=========================================================================================
ｒ ､
| ＼
ｰ―-､ ____|＿ ヽ_
´ ｀ヽ. 王侯貴族や富豪はともかく、そうでない大半の魔法使いは、
＼/ 魔法使い :, . その魔法のスキルで武官や技官・専門技術者（研究者）になるか、
i' -― ‐- i 魔法を学ぶ過程で得た教養で文官になるんだよな。
l し l けど、ある程度魔法の腕が無けりゃあ、こういった職にはつけん。
ゝ､ rっ / 早い話が「喰えない」んだ。
／⌒ ,.-ｰ-､___,ノ^)
｀⌒ｨ 〈
ﾞｰ--､ ＼
|￣＼ |￣＼
| ＞――| ',
∨ 魔法使い ∨ 一義的には魔法を必要としない筈の文官も、「多少成績が良い」程度じゃあ、
{ ● ● } 「成績は並」だが「魔法を使える」奴を優先して採用するからなあ。
', ┌―7 u/ 魔法が駄目なら剣か頭が頭一つ抜けるくらいじゃないと無理だろ。
＞ ー' ＜
/ ＼
| ｒ y }＼
| |、 / / ヽ
| | 。 / / ヽ
| O / / ヽ
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ .魔法使い ヾ | ま、落ちこぼれ組の大半が職に難儀するよな。
l/ ー' 〃ー' `, . ある程度の名誉と収入、その双方がある仕事は無理だ。
i - - ', いらんプライドを捨てて、自分を落さないと厳しいだろうよ。
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
魔法使いは役に立つからこそ重宝され厚遇される。
そして魔法使いと言えどピンキリ、末端に対する世間の風は冷たかった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
423 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:30:43 ID:QikcOib6 [24/62]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
彼、カインもそんな落ちこぼれの1人だった。
20歳目前でようやく1レベルになり魔法学院を卒業、見習として魔法ギルドに所属したものの、
その後も2レベル昇格どころか1レベル魔法の習得にすら難儀する体たらくで、
同期はもちろん後から入ってきた後輩たちにも次々と追い抜かれていく。
はっきり言って居辛いどころの話ではない。
……更に言えば、経済的にも限界だった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
～～数か月前のカイン～～
|
| 2レベルにならないと魔法を使ったバイトすらできないのに、いつになったらなれるのか目途すらつかない。
| 今でさえ事あるごとに実家からせっつかれているというのに、とてもそれまで仕送りは期待できないな。
| ……いや、既に限界だ。いつ打ち切られてもおかしくない。このままじゃ直に食べていけなくなる。
＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: |
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ .
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ u／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
だが彼は下級役人の三男坊で、実家からの援助は今までの教育や仕送りでおしまいだ。
それから先は（大多数の魔法使いの次三男坊同様）自分の才覚でで生きていく他ないが、
特に剣や頭が優れている訳でも無い。正直、途方にくれていた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
424 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:31:37 ID:QikcOib6 [25/62]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そんな彼（や彼の様な“落ちこぼれ”）が唯一魔法で食べていける場所が、地方（村）だった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|
| 王侯貴族や富豪（の魔法使い）は、大都市や自分の城で暮らしている。
| そうでない魔法使いも、その大半が王侯貴族の家臣、そうでなくとも魔法ギルドの正規構成員として、
| やはり大都市や城下町で暮らしている。
| その方が仕事があるし、情報や人手も集まり研究も進むからな。それに快適だ。
＼
￣￣￣￣￣￣＼|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／⌒＼
／ {
.rく {ヽ(__)
」 -＼ }
)ホ( ( _, うv,ﾉ「L
((魔)) (ハﾊ___彡ｲL「ヾ
(___) )/八 ∧ }L
.}i{ ((/, ∧ ⌒ヾ
.}i{ ) イ ハ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
（王侯貴族では無い）魔法使いの大半は町で暮らしている。
村で暮らす本物の魔法使いなど、それこそ村の領主かそれに準じる規模の大地主くらいのもの、
故にカインのような見習でも「鳥なき里の蝙蝠」ではないが魔法使いとしてやっていけるし、
それを（公式に）許されないまでも黙認されているのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
425 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:36:41 ID:QikcOib6 [26/62]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
だが、美味い話ばかりではない。
そもそも町と村では利便性、ぶっちゃけると生活水準が違い過ぎる。
ましてや大都市で中産階級として暮らしてきた坊ちゃん方だ。
都落ちということもあり、それこそ清水の舞台から飛び降りる様な決断が必要だろう。
はっきり言って学院を出て早々の若者が、「はいそうですか」と中々ふんぎりがつくものではない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┌ 、 ,. ┐
| :,＼＿＿＿＿／,: |
| ／ ＼ | せめて私塾の師匠として町で暮らせないだろうか？
V 落ちこぼれ V 魔法だって、少しは金になるかも……。
| 三三 U | っ
| 三三三三 U | っ
ヽ. ,ー―､ /
＞｀ー─' ＜
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ 現実 ヾ | そんなことで幾ら稼げるよ？
l/ ー' 〃ー' `, てか、お前みたいな若造に子を預ける親が何人いる？
i - - ', 教育に金を出す親はそれなりだぜ？
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
=========================================================================================
426 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:42:17 ID:QikcOib6 [27/62]
=========================================================================================
|￣＼ |￣＼
| ＞――| ',
∨落ちこぼれ ∨ 宮仕えじゃなくてもいいから、町で就職できないかな？
{ ● ● }
', ┌―7 u/
＞ ー' ＜
/ ＼
| ｒ y }＼
| |、 / / ヽ
| | 。 / / ヽ
| O / / ヽ
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ 現実 ヾ | 役人になるのは厳しいな。雇人…軍で言えば下士官兵が関の山さ。
l/ ー' 〃ー' `, 就職に関してもお前、金もコネもないんだろ？ その年で一から始める気か？
i - - ', まあ無理とは言わんが厳しいし、世間（実家や元いた世界）の目は冷たいぜ？
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
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427 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:46:36 ID:QikcOib6 [28/62]
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「＼ 「＼
| ＼ | ＼
| ＞─| ＼
| ／ ＼
| ', 俺は冒険者になるよ。
/ 落ちこぼれ | もしかしたら成功して連中を見返せるかも！
〉＿ ＿＿ |
| ｀ /
┼┐|| ＼ [＼ ／
｜｜ ┼┼ ｀７ -く
ノ ッ γ⌒) (⌒＼ ＼
| ＿＼ _ ＿／ ＿.|
| | ＞ ￣￣￣ ＜ ||
| レ´ . 現実 ＼ ｣| ……まあ一番楽な世界ではあるよな。精神的にも待遇的にも。
∨● ―‐ ∨ とはいえ、多少魔法が使える程度じゃ高が知れてるぜ？
| ト―┐ u } それに最後まで続けられる職でもないからな。
､ ヽ_ノ ／
＞- ―'''‐- 、
∠_ |
<⌒＞''￣⌒7 /
￣ ＿ ―''⌒ /|
―￣ ￣''''―‐一' |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……まあよほどの運に恵まれない限り、しょせんは時間の問題であるのだが。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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428 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:48:31 ID:QikcOib6 [29/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
もちろん生活だって、決して楽なものではない。
不便さはもちろん、「収入的にも」だ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´ でも、僕は見習の中でも「あんまり」だからなあ。
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| 魔法なんて幾つかの初歩の魔法を定型的に使える程度で、
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l ちょっと複雑な要求にも応えられそうにない。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ', ……これで稼げるんだろうか？
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ それに「弾数」もなあ～。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | 基本精神力が14ポイントだから、ペナルティーなしに使えるのは8ポイント。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ . 杖（並の下。増幅率200％）の増幅率を考えても16ポイント。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ u／∨ :/ 自分の分を残すと、いくらも使えないな。
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そもそも見習としても落ちこぼれだ。
1レベル魔法すら怪しい上に、1日に使える回数だって知れている。
幾つかの（同レベルの中でも基本的な）1レベル魔法を5回ほど。それで打ち止めだ。
稼げる額なんて、高が知れている。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
429 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:48:52 ID:QikcOib6 [30/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
試算すると、先程売り込んだ“ライト”ならば5回。自分の分を除いて4回。
全部売れたとして1シリング半×4回で1日あたり6シリング（72ペンス）の稼ぎだ。
これは都市部なら下級職人の日当に相当し、村では中々の稼ぎではあるのだが……。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 全部売れたら、ね。現実は「ご覧の通り」、さ。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | ……それに町と違って、人頭税をはじめ様々な税金もある。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ . これは資産収入の有無に関わらず払わなくちゃいけないんだ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ u／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
更に付け加えれば、売れるとすればたいていは同じ面子。
長期契約で大幅な割引をせざるを得ないだろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
430 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:49:06 ID:QikcOib6 [31/62]
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| 1シリング半のところを、ギルドが黙認するギリギリの1シリング。
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l その場合、全部売れたとしても1日あたり4シリング（48ペンス）か。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ',
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 毎日（360日）売ったとしても1440シリング、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | 年300日として1200シリング……
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ . 手取りは1000シリングいくかどうかってとこだろうな。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ u／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1000シリングでは、せいぜい「そこらの中農」といったところだ。
（彼の経済感覚では）1人喰うのがやっと、とても妻を持てる稼ぎでは無い。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
431 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:49:26 ID:QikcOib6 [32/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……いや、それ以前に現状では売れる見通しすらたっていないのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| あの時は「なんでこんな比較的豊かな地方が空いてるんだろう？」
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l なんて思ったのだけれど…… 「そういうこと」なんだろうな。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ',
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そう。この村に限らず、このあたりには需要が…顧客がいないのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
432 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:53:15 ID:QikcOib6 [33/62]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
村で魔法を求める客と言えば、一に「領主不在の直営農地」、二に「一に準じる大農場」だ。
やはり商売（儲け）に繋がらなければ、個人の嗜好では高が知れている。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ヽ /ヽ
/ ヽ / ヽ
/ ヽ＿＿/ ヽ 巨大な畜舎に多数の家畜を飼い、
／ 豪農 ヽ 人手に余裕の出来る日の入り以降に集中的に世話をする。
/ ,. - ､ ,. - ､ i ……照明代？ せいぜい1人分の日当だろう？
| ﾊ_ﾟ_ﾉ i_ﾟ_ﾊ ! 頭数で割れば大したことないさ。
.! ヽ __./ / それに臨時雇いは数を絞った方が待遇を低くできるからな。
＼ ∨ . (⌒) ）
／ （::⌒)∬::⌒)
／ |￣￣￣|
| :::::|＼
,
／ l
／ |
／ | _ ,
./ Ｌ,_,. -‐‐''´ ./
/ ｀ヽ、 /
. | 荘園差配人 't /
l O, 、 , i/ 加えて大規模に人を使うとなると管理や監督が大変だ。
| ト-ｲ ,O l 帳簿付けも必須だがどうしても夜になってしまう。
ゝ |. / /
ヽ _ ´＿_／
／/,、 ￣｀､ヽ,
/ i ＼ヲ´ i ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
魔法使い自身はもちろんのこと、魔法についても富裕層のほぼ独占状態なのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
433 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:53:40 ID:QikcOib6 [34/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
だが生憎とこのあたりの地方は、一つの村に幾人もの領主がいるような状態で、
しかもその全員が生え抜きではない王都の騎士だ。
そんな新興の零細領主が直営農地など保有している筈も無い。
そして農家の規模も比較的小粒であり、魔法を買い求めてなお利益を確保できる様な
大規模経営者の数は極めて少なかった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . おかげで農民相手に御愛想笑いの毎日だよ。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ ははは……。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
434 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:54:50 ID:QikcOib6 [35/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
それでも村で彼の様に魔法を切り売りする魔法使いは1000～2000人に1人。
多少偏在があると言っても数ヶ村に1人の割合である。
これだけの頭数であるから探せば需要あるだろうし、何かのイベントで依頼されることもあるだろう。
自分一人が喰うだけならなんとかなる、なるだろうが……。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . この分だと1000シリングどころか、その半分も怪しいな。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ ……そこから更に税金だって？
. ぞっ…… ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ u／∨ :/ 中農どころか小農レベルじゃないか。
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
嫁を貰って養うどころか、自分一人でも並の農民レベルがやっとである。
落ちるところまで落ちたと慨嘆せずにはいられない。
（もっとも近隣の村を巡って「ちょいちょい」でそれだけ稼げるのだから、
村人的には「大したもの」なのだが大した慰めにはならないだろう）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
435 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:55:08 ID:QikcOib6 [36/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
なんとかもう少し稼ぐ方法はないものか、とカインは考える。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 村を巡って営業して……
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 歩くだけで4～5時間はかかるな。1日がかりだ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| でも今日明日くらいなら僕でも時間設定くらいできるし、
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l 暫くすれば毎日全部の村を回る必要は無くなるかな？
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ', 空いた時間を何とか活用できないものか。
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
436 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:55:24 ID:QikcOib6 [37/62]
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| 僕が他にできることと言ったら、学問と剣を少々。
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l ……けど、どちらも需要に乏しいだろうな。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ', それにまだ信頼も実績も無いからなあ～。
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . おまけにこの辺りには凄腕の元冒険者（サタン）がいるらしいし、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 副業も厳しそうだな。下手したら流血沙汰になりかねない。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
437 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:56:07 ID:QikcOib6 [38/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | .
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. あ～あ、いっそそこそこの農家の家の婿養子の口でもあればな～。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＼ ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| でも農家は子だくさんだし、中々そんな美味しい話はないだろうな。
― テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l まあ仮にあったとしても、スキルどころかろくに農業経験も無いんじゃなあ～。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ', 多少魔法が使える程度の余所者に、どれだけのアドバンテージがあるだろう？
／ ／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| | おじさ～ん！＞
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
438 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:56:24 ID:QikcOib6 [39/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
悩むカインに、声をかける者があった。やる夫だ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ｎ
l^l.| | /）
| U ﾚ'/／)
＿＿＿ ﾉ ／
／ ⌒ ⌒＼ ｒニ |
／ （⌒） （⌒）＼ ヽ /
／ ///（__人__）///＼ / ` /
| `Y⌒y'´ | ／
＼. ﾞー ′ ,／ ／
/⌒ヽ ー‐ ｨ ／
/ rｰ'ゝ ／
/,ﾉヾ ,> ｲ
| ヽ〆 |
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ん？ なんだい、ぼうや。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_ ※やる夫は数えで10歳の少年です。ガワだけですがw
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
439 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:56:36 ID:QikcOib6 [40/62]
＿＿＿
／ ⌒ ⌒＼
／ （⌒） （⌒）＼ おじさん、魔法使いですお！？
／ ///（__人__）///＼
| u. `Y⌒y'´ |
＼ ﾞー ′ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ rｰ'ゝ 〆ヽ
/,ﾉヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . そうだけど、何か御用かな。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ （もしかして、依頼か！？）
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
440 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:57:03 ID:QikcOib6 [41/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
期待に胸を弾ませるカイン。
だが、やる夫の口から出た言葉は、彼が予想だにしないものだった。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ＞） （＜）＼ やる夫に魔法を教えて下さいお！
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ やる夫も魔法使いになりたいんですお！
| /| | | | | |
＼ (、`ー―'´, ／
￣￣￣
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ……は？
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
441 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:57:25 ID:QikcOib6 [42/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ （なんだ……）
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | .
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ ああ、もしかして弟子入り志願かい？ でも――
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ ＼ ／＼ ｷﾘｯ
／ （ー） （ー）＼ とりあえず、簡単な攻撃魔法を教えて下さいお。
／ ⌒（__人__）⌒ ＼
| |r┬-| | （ま、こんなドサ周りの魔法使いじゃ大して期待できないけどとっかかりには、ね）
＼ `ー'´ ／
ノ ＼
／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
442 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:58:51 ID:QikcOib6 [43/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . …………は？
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ ぴくっ
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／_ノ ヽ､_＼
ﾐ ﾐ ﾐ oﾟ(（●）) (（●）)ﾟo ﾐ ﾐ ﾐ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒（__人__）⌒:::＼ /⌒)⌒)⌒) さ、さ♪
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / /／
| :::::::::::(⌒). | | | ／ ゝ ::::::::::/
| .ノ | | | ＼ / ） /
ヽ / `ー'´ ヽ / ／
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､ ン
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒)) バ
ン
443 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 19:59:36 ID:QikcOib6 [44/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
あまりに無礼かつ身の程知らずなやる夫の要求に、さすがにカインも腹を立てた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . （何を言っているんだ、こいつは……）
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ むかっ
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
こいつは、魔法使いにとって魔法がどういうものか理解しているのか？
職人に向かって「お前の技術を今直ぐタダで教えろ」「とりあえずそれの作り方でいい」。
――そう言っているも同然なのだぞ？
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
444 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:01:42 ID:QikcOib6 [45/62]
=========================================================================================
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
職人から技術を習うにはどうする？ 諸方の伝手を頼り、頭を下げ弟子入りするではないか。
初めの内は家の手伝いしかさせてもらえず、何年もかけてそれこそ雑用の合間に技術を覚え、
その後も礼金を払っていないのならば、何年もお礼奉公（ただ働き）をしなければならないのだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━┓
10歳（1年目）：徒弟
┗━━━━━━━━┛
∩＿＿＿∩
| ノ u ヽ
/ |||＿ ＿ | 最初は家の手伝いだけクマ……。
| u ( _●_) ミ
彡､ u |∪| ､｀＼
/ ＿＿ ヽノ /´> )
.￣ (＿＿＿）￣￣￣ (_／￣￣
┏━━━━━━━━━━━┓
11～12歳（2～3年目）：徒弟
┗━━━━━━━━━━━┛
∩＿＿＿∩
| ノ ノ ヽ、 ヽ
/ ● ● |
| ( _●_) ミ 工房に入って下働きを許されるけど、道具には触らせてもらえないクマ……。
彡､ /⌒)(⌒ヽ/ 遠くから雑用の合間に親方や兄弟子たちの仕事を見て、大まかな手順を思えるクマよ。
./ / / ＼ ヽ
l ノ `ｰ‐'
┏━━━━━━━━━━━┓
12～14歳（3～5年目）：徒弟
┗━━━━━━━━━━━┛
∩＿＿＿∩ /)
| ノ ヽ ( i )))
/ ● ● | / / 補助を許される、近くで見ることを許されるクマ。
| ( _●_) |ﾉ / たまに道具をもたせてもらえるクよマ。
彡､ |∪| ,/ けど、もちろん懇切丁寧に「手とり足取り」なんてありえないクマ。
／ ヽノ /´ 「今まで散々見て覚えてきただろう？」クマよ……。
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
15～20歳（6～11年目）：見習職人
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
. ∩_＿＿_∩: :.+
ﾜｸ. | ノ ヽ+.:
:.ﾜｸ/ ● ● | ｸﾏ
ミ '' ( _●_)''ミ ｸﾏ ようやく1レベル、見習とはいえ職人になれるクマ。
. / .＿ |_/__ノヽ 自分の道具を持てるクマよ！
-(＿＿_.)─(＿＿)─ あと安いけどお給料（お小遣い）ももらえるクマ。
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
19～27歳（10～18年目）：若手職人
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
∩.＿＿＿∩
| ノ _, ヽ
/ ─ ─ |
.| ////( _●_)//ミ
彡､ |∪| ノヽ 遂に2レベル！ （駆け出しだけど一応は）一人前クマー♪
/ヽ /⌒つ⊂⌒ヽ | ……けど謝礼を払っていない場合、まだ数年ほど待遇は変わらないクマよ。
| / / ｋ l | l クマーもだけど、もうゴール目前クマ♪
ヽ､＿ノ ヽ,,ノ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
職人ですらそうなのなのに、ましてや魔法だぞ？
人類の英知。その末端に過ぎぬとはいえこの世の理を操る、神に近づく御業なのだぞ？
それをたかがそこらの百姓の小倅風情が、さも当たり前のことのように……
いったい何様のつもりだ？ ふざけるな、下郎が。
……それとも、僕が落ちこぼれ…「その程度」だとでも言いたいのか？
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
=========================================================================================
445 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:02:18 ID:QikcOib6 [46/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ましてや状況が状況だ。これが他の者ならば罵声の一つ、拳の一つもくれてやるところだろう。
だがやる夫にとって幸いなことに、カインは穏やかな性格だった。
彼は「無学な子供の言うこと」と色々と呑み込み、穏やかに諭してやる。
（「これから村人交流していきていかねばならない」という、カイン側の事情も幸いした！）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . は、ははは、だけど魔法使いになるには色々と必要だよ？
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ まず才能が無ければ話にならないけど――
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
; ' + ＿＿ ' ，:‘. , .. .
／￣ ｀ヽ ; 冫;．"
＼＼／ ／ ／＿ ヽ ﾟ:｡:+
. > く/ ､ｨ,ｨtj ｲ }
／／ヽl ｒ＝=､ ｀ ､ ! .|| 才能ならありますお！
／ i ィ彡' ､＿ﾉ☆ ノ ＿＿||＿＿
! （__ノ- ' , ／l. ￣￣||￣￣
ヽ ￣ ｌ | ||
+ﾟ+。o _ー--, ｰ , ‐､ ｌ ￣|￣ ＋+
ｒ-､/ / / / } ｌ *::｡
ｊ { / ／ ｌ
{ ｀ー-- ' ／ ｌ ＼＼／／
｀ー-､__ ／ ｌ .> < ＼／
*::｡ T ー-‐' ｌ／／＼＼／＼
/ ｌ
446 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:02:32 ID:QikcOib6 [47/62]
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ （なんたって「常人の10倍速」だもんね～w）
／（ ―） （―）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ おじさんは魔法使いだから、わかりますお？
| |++++| 」_ ｷﾗｯ |
＼ `ー''´ l ／
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ……………………。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .u／∨ :/ （おちつけ、落ち着け……）
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
447 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:02:54 ID:QikcOib6 [48/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 「色々と必要」と言ったろう？
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 才能だけあっても無理さ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ ─ ─＼
／ （●） （●）＼ お？
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
＼ ／
ノ ＼
. ／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
448 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:03:27 ID:VOMlbAUs
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . いいかい？ 魔法は学問、それも人類の英知の集大成なんだ。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 魔法理論を一通り学んで初めて使えるんだよ？
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ ＼
／ノ ＼ u ＼ ！？
／ （●） （●） ＼ ？ だから、それが才能だお？
| （__人__） u. |
＼ u.｀ ⌒´ ／
ノ ＼
. ／´ ヽ
| ｌ ＼
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--､ -一'''''''ー-､.
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
カインの言う通りだ。そもそもこの世界の人間は「魔法を使うようにはできていない」。
（もしもその様な存在ならば、ドラゴンの様な魔法種族同様に人間の大半は魔法使いだ！）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
449 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:03:47 ID:QikcOib6 [49/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そのような人間にも魔法を使えるようにしたのが、魔法学という学問（技術）だ。
誤解を恐れずに行ってしまえば才能はハード、魔法学はOSを始めとするプログラムだ。
いくら才能があったところで下地が無ければどうしようもない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ――という訳さ。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／.
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼ なん……だと？
／ （○） （○） ＼
| （__人__） |
/ |!!il|!|!l| ／
|ｪｪｪｪ|
450 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:04:11 ID:QikcOib6 [50/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | それでも本当に才能があれば……それこそ国一番の天才とかなら、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／ 或いは見よう見まねでも使えるようになるかもね。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ u ＼
／ ＼ ／＼
／ し （○） （○） ＼ じゃ、じゃあ！
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
451 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:04:34 ID:QikcOib6 [51/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ……でも、そんな魔法は魔法じゃあない。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 見せかけだけの張子の虎、さ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／ u ＼
／ ／ ＼＼
／ し （○） （○） ＼ …………へ？
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
452 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:04:48 ID:QikcOib6 [52/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 例えば、そうだな――
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 僕が村で披露した“ライト”を見たかい？
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／ （⌒） （⌒）＼ はい！ こっそり外から！
／ ::⌒（__人__）⌒::: ＼
| |::::::| ,---、
＼ `ｰ' しＥ |
／ l､Ｅ ﾉ
／ ｜ |
（ 丶- 、 ヽ_／
`ー､＿ﾉ
453 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:05:52 ID:QikcOib6 [53/62]
／￣￣￣＼
／ _ノ ヽ_ ＼
／ （＞） （＜） ＼ すごく明るい光でしたお！ 魔法SUGEEEE！
| ::::::⌒（__人__）⌒:::::l
＼ |r┬-/ ／ （たぶん蛍光灯程度だけど、あれで「本物」と確認したんだよね♪）
. ｸﾞｯ /⌒/＾ヽ､`ー'´ ,ィヽ、
/ ,ゞ ,ノ , ＼
l ／ / ト >
ヾ＿,/ |／ ／
| |／
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . ははは、ありがとう。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／.. ――けど、あれはあくまで“ライト”の基本型さ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
454 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:06:08 ID:QikcOib6 [54/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
あのままでは同じ場所でずっと同じ様に輝くだけに過ぎず、
その術理を理解し手を加えれば「様々な事が出来る」とカインは言う。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 例えば、自由に動かす事が出来る。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 例えば、光りの強弱や色を変更できる。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 例えば、時間設定等もできる。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ 例えば、光りの方向を指定できる。
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
455 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:06:43 ID:QikcOib6 [55/62]
|
| 光りを凝縮して指向性にすれば“サーチ・ライト”になるし、更に時間さえも凝縮すれば目潰しになる。
| 逆に光りを周囲に散らばせれば空間全体を光らせる、死角を無くすことができるんだ。
| つきつめていくと様々な色彩を組み合わせたアートになるよ。“花火”や“ネオンサイン”がそれだね。
| “ライト”一つとっても可能性は無限大なんだよ。
＼
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ （本当にそうだ…… もし僕がもう少し上手く“ライト”を扱えれば、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . もっと村人たちに使いやすいようにアレンジできただろうに。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. たとえば村人たちでもオンオフができるようにして、
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ 「何回かに分けて使える様に」とか色々――
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_ ……もっとも「それができれば～」、か）
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
カインは自分の言葉を噛みしめる様に、教えてやる。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
456 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:07:06 ID:QikcOib6 [56/62]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
逆に言えば、基礎となる理論をしっかりと理解していなければ、仮に模倣できたところで、
その現象の瞬間だけを切り取った劣化コピーにしかならない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ そこから手を加えられるようになるまで、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . はてさてどれくらいかかることやら。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 下手な癖がつかなきゃいけどね。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
457 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:07:23 ID:QikcOib6 [57/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ バックボーンも無しに使いこなせるなんてできたら、
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . それこそ歴史に名が残るレベルだよ。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. もう人というより亜神の類だろうね。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／⌒三 ⌒＼
／（ ○）三（○）＼ …………。
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| u. |
＼ `ー'´ ／
458 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:07:54 ID:QikcOib6 [58/62]
＿＿＿_
／⌒三 ⌒＼ （なんでそんなにハードなんだお…… それじゃ普通のお勉強と変わらないじゃねえかお！？
／（ ○）三（○）＼ 魔法なんて、裏庭でハウツー本見ながら練習できるのが常識だお！？）
／:u:::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| u. | じゃ、じゃあ魔法の勉強って、どれくらいかかるものなんですかお？
＼u .`ー'´ ／
ニ二 _ニニミ| l l |ニ´ Y´
ニ￣ , -‐-=|_!___!_|, -‐‐| そうだね…… とりあえず12歳から本格的に始めて4～5年が目安かな？
テ‐ __, -Y ,;;;;;;;;;;,｀Y Y ,;;;;;;;; l 16～17歳で1レベルになり、ようやく本格的な魔法の修得を始まるんだ。
ｱ´イ￣ { :;;;;;;;;;;;: ,! | :;;;;;;;;; ',
／ .| __-┬‐ゝ､＿ ノ---ゝ､ ___ノゝ､ __ ノ
l￣ | !l∠..＿ヽ､ .ハ ／＿｀ゝ |｀lﾌノ.T´￣
l l !| ￣ ￣ | !|´ l
｜ |. l.| ＿ _┃ ┃ .＿.｜.!| |
ヽ _＿l__l | | ￣￣￣ ￣ ｜l !|.￣
,＞､_l,.L_ |ｲｰﾘ_
, イi ／ ｀l / ￣｀ヽ i |｀ヽ
/ | i | ￣￣｀l l´￣ ￣｀il | ',
459 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:08:26 ID:QikcOib6 [59/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ もっともこれはあくまで魔法使いの血筋の場合だよ？
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 魔法使いの血筋だと基本的に才能が高度なレベルで安定している上、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 幼少時から英才教育を受けているからね。それ前提の話。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ ――あ、言っておくけど魔法の教科書は基本的に古代語だから。
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼ ━━┓┃┃
／（ ￣） （＿）＼ ┃ ━━━━━━━━
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼ ┃ ┃┃┃
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ ┛
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ･
460 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:08:57 ID:QikcOib6 [60/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ 当然、お金もかかるよ？
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . 親が魔法使い（魔法使いの血筋）だと割り引かれるけど、
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. それだって結構なお値段さ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ 君の御両親に払えるかな？
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
_＿＿＿
／ _ノ ヽ_＼
／ ∩ｌ＾ｌ^ｌnnｌ^ｌ^|＼ もうやめてっ！？
／ 。ヽ ∥ ﾉ ＼
| ／ 人 ｌ |
＼ ／ /|ii!i!|＼ ＼／
. | /. |;;;;;;| ＼ |
｀ｰ´
461 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:11:13 ID:QikcOib6 [61/62]
＼ ￣￣￣.＼ . :::|l |::.／:.: ／
／￣＼: : .へ、 ＼::|l |'´::.:.. _,.．-‐く::￣＞
／ ...:.:::>'´ ,.:-'''´￣￣￣`'ｰ-､_:.:. ＼￣＼
/ ＿／ :／,ｒ'⌒ヽヽ ,ｒ'⌒ヽヽ:.＼￣￣＿ ＼
￣￣ ./ :, :|: {ヽ∠ノﾉi :{ヽ∠ノﾉi :l:.:. ＼｀`ヽ.|
/ .イ / ＼＿／￣＼＿.／ : : :|: .＼ |
'´ |／|_:_:_;-:==:_=＝＝=:_==:-､:_:_|＼| Ｖ
,.‐' | l.|｀ﾞ`,:=ヽ、 ,ｨ'=:､'ﾞ´|.l |`‐､ ははは、まあ君に本当に才能があるのなら、パトロンがつくだろうさ。
| | l.ﾄ, 〈__l:ﾟ| |ﾟ:l__〉./!l: :|: | . もっとも「紐つき」……いや「首輪付」だけどね。
＼_:| :l|ﾍ '""´ 〈! ｀ﾞﾞﾞ' /ﾞ|l: :|:_／. 就職から結婚まで、それこそ言われるままさ。
ヽ. ∨＼. ｀ﾆ´ .／∨ :/ それに何より、もう少し「お行儀がよくないと」入れても大変な事になるよ？
_ヽ｣__./.` ‐-‐.'´ﾄ､__Lﾉ_ . なにしろ魔法使いには、お偉方やその関係者が多いからね。
ｒ‐-(⌒)'´'.／: :￣￣￣´: : :＼ヽ:`(⌒)､_
/ﾍ､_二r､<: : : : : : : : : : : : : : : 〉ﾄ､.二:‐､_}
/| | ヽヽ: : : : : : : : : : : : :// | |:|
/.:| | ヽ`ｰ--------‐ 'ノ | |.:|
|: :| | ｀￣￣￣￣￣´ | | :|
／￣￣￣ ＼
／ :::::＼:::／＼
／ ｡<一>:::::<ー>。
| .:::｡ﾟ~（__人__）~ﾟj
＼、 ゜ ｀ ⌒´,;／゜
／ ⌒ヽﾟ '"'"´(;ﾟ ｡
/ ,＿ ＼ ＼／＼ ＼
と_＿＿）_ヽ＿つ_;_ヾ_つ.;.
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
結局、やる夫は泣く泣く魔法使いの道を諦めたそうな。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
462 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/03(金) 20:11:40 ID:QikcOib6 [62/62]
以上、投下終了。
カインがかなり差別的言動を内心で吐いてますが、実はこれでもマシな方です。
（いろいろあってかなり精神的にもきてますしね……）
. / / ／ ／ / '， ＼
/ / ,.:' / / / ,| :. ､ ヽ
| | / / / ' / ;': ! | ∨ !
| | / / / | | | ! | }ﾊ | | | :
| | | ' '{ { | |__|__ {i. / /__!_{ﾊ i | !
ﾏ{ | | | | | |从{从ｲ∨､ /}/ }/ | ! } | 騎士の子弟が度胸試しに「その辺の浮浪者を～」
{! ｛ハ | | Ⅳi ﾘ ∨ / / / }/ / :. なんてこともあります。怖いですね～♪
ﾏ､ { 从 { ﾑ ,ｨ＝ミ ∨ ,ｨ＝ﾐ / / |
｀＼_ |从_从〉 , /,.ｲ/ :.
/ | T 、 ＿__, /イ} .
/ { | ＞ ゝ- ' .＜{ ∧ i
/ , ! /|＞ - ＜|ヽ j / i :.
/ } |／:{ ∧ ∧ |:､! { :. :.
/ _,..::| |:::::∧/､ {__ﾉ }_,.ｲ:::| |ヽ､ i ､
,:' r::::´::::::: | |::::{//≧､__,.ィ//|:::{ {::::::::｀ヽ､ ､
／ {::|:::::::::::: | |::::|/////{_}/// !:::| |:::::::::::::/:} ＼
／ |::::,:::::::::::{| |::::|∨／/ハ＼/{:: | |}:::::::::/::::| ＼
／ |::::::､:::::::::| |::/ ＼／ ＼/i:: | |_::::::/::::: | ヽ
ではまた……
463 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/03(金) 20:21:06 ID:.btqoCrA
乙でした。
>>462
>騎士の子弟が度胸試しに「その辺の浮浪者を～」
まぁ水戸光圀も若い頃やったそうだし。
464 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/03(金) 21:42:17 ID:PYxT2TGc [9/10]
乙です。
中世以前の社会だと、浮浪者に人権なんてないもんなあ。
下手しなくても摘発対象なわけで、村社会だと・・・
465 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/03(金) 22:27:33 ID:ATFM9LD2
浮浪者？
ボランティアで害獣駆除してただけじゃ？
466 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/03(金) 22:30:38 ID:VYm15J2M
乙でした
あー、前回、やる夫の親が勉強させるのを嫌がったのって、労働力が減るからかと思ってましたが
パトロンに名乗り出た大農あたりに頭上がらなくなるからでしょうかね
次男三男ならともかく、跡取りがカインの言ってるような状態になったら、完全に取り込まれるようなものだろうし
しかし、末端も末端とはいえ、このやる夫はなんというかいろいろ酷いな
いままでのやる夫には、知識欲だけは人並み以上にあったのにｗ
467 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/03(金) 22:33:03 ID:xqJVVI5. [4/4]
魔法なんて、裏庭でハウツー本見ながら練習できるのが常識だお！？
すげえ常識だｗ もしハウツー本が存在したとしても５年くらい勉強しないと無理だったら
できてもやらないだろうな・・・
468 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/04(土) 08:58:12 ID:bkfBMD0M
実際に初歩の魔法を使えるようになるまで５年勉強しなきゃならない技術って、一体誰が"発見"したんでしょうね
過去には亜神クラスが大勢いて彼らが体系化したのか、神から直接与えられたのか
"才能がある人間"程度じゃ、何万人いても何千年かけようとゼロから生み出すのは不可能でしょうね
なにしろ、実際に初歩の魔法が使えるようになるまで全く形にならないんだから
469 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/04(土) 09:29:05 ID:PYxT2TGc [10/10]
技術的な問題なら、薬草学やら冶金術と同じような感じじゃないかな。
技術の積み重ねによる進歩って、多くの人の経験を収斂していった結果でもあるし。
製鉄技術は下手すると魔法よりやばいものだけど、それでも神から与えられたものじゃあないしね。
470 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/04(土) 14:00:58 ID:Rl9vlPVA [1/4]
>>463
＞>>462
＞>騎士の子弟が度胸試しに「その辺の浮浪者を～」
＞まぁ水戸光圀も若い頃やったそうだし。
王都はまだマシですが、地方の騎士は気が荒いですからねえ。
まあモンスターとはもちろんのこと、同じ人間同士でも小競り合いやってますからしょうがないんですけどね。
おまけに交通事情が悪くて遠隔地との交流が難しい上、情報についても同様で質・量共に限定的。
どうしても感覚的に閉鎖的というか「世界が狭く」なっちゃうでしょうね。
……下手したら、流れ者の浮浪者なんてマジで「人ではない」なんて思ってるのかも。
|
| 無慈悲なことをする。
| やれやれ、魔法を使えん奴らは頭が悪い上に野蛮で困るわい。
＼
￣￣￣￣￣￣＼|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
／⌒＼
／ {
.rく {ヽ(__)
」 -＼ }
)ホ( ( _, うv,ﾉ「L ← と言いつつただ見てるだけw
((魔)) (ハﾊ___彡ｲL「ヾ
(___) )/八 ∧ }L
.}i{ ((/, ∧ ⌒ヾ
.}i{ ) イ ハ
魔法使い（≒支配者層）は魔法を学ぶ関係上教養があり、また比較的地方の諸事情にも通じているので比較的穏やか。
……それ故に「野卑」と他の連中を見下してますけどね。
>>464
＞中世以前の社会だと、浮浪者に人権なんてないもんなあ。
＞下手しなくても摘発対象なわけで、村社会だと・・・
定住していない人間に対する世間の風は冷たいですからね。
471 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/04(土) 14:02:23 ID:Rl9vlPVA [2/4]
>>466
＞あー、前回、やる夫の親が勉強させるのを嫌がったのって、労働力が減るからかと思ってましたが
＞パトロンに名乗り出た大農あたりに頭上がらなくなるからでしょうかね
もちろん「労働力（それも優秀な）が減る」ということも大きな理由ですよ。
けれどそれ以上に問題なのは、「跡継ぎをとられちゃう」ってことです。
魔法だろうが普通の学問だろうが、投資するからにはそれなりの見返りを要求されますからね。
やる夫個人をとられるか、或いは家ごと取り込まれるかのどちらかでしょう。
どちらにせよ大問題ですよ。
|＼ ／|
| ＼ ／ |
| ゛ー─''" ､|
レ _,母､_ ヽ
/ ０ ０ ヽ 大事な一人息子を冗談じゃないわ！
! ＊ r‐-､ | うちはよそ様の助けなんて借りなくても、ちゃんとやっていけますよ！
l l | し ! 相手がお貴族様でも同じこと、うちはれっきとした自由民よ！
ヽ ト─' /
/ /⌒ヽ /⌒ヽ
/ γ 丿| |
ｒ ､
| ＼
ｰ―-､ ____|＿ ヽ_
´ ｀ヽ.
＼/ 父 :,
i' -― ‐- i それにやる夫は優秀だ。きっと家を大きくしてくれるだろう。
l し l 他所に出すなんて問題外だな。
ゝ､ rっ /
／⌒ ,.-ｰ-､___,ノ^)
｀⌒ｨ 〈
ﾞｰ--､ ＼
やる夫の家は学問的には1ヴァーゲイトを保有する中農上位層、世間的には大農ですからね。
しばしば村の役職にも就いてるし、そこそこ生活に余裕とプライドがあるのですよ。
＞次男三男ならともかく、跡取りがカインの言ってるような状態になったら、完全に取り込まれるようなものだろうし
しかも、やる夫は一人っ子なのですよ。
他にも何人か産んだんだけど、死産や夭折で……
＞しかし、末端も末端とはいえ、このやる夫はなんというかいろいろ酷いな
＞いままでのやる夫には、知識欲だけは人並み以上にあったのにｗ
長年のニート生活で我慢や考えることを完全に放棄してますよね。
馬鹿のクセに態度だけは大きいという……
472 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/04(土) 14:03:14 ID:Rl9vlPVA [3/4]
>>467
＞魔法なんて、裏庭でハウツー本見ながら練習できるのが常識だお！？
＞すげえ常識だｗ
ハウツー本が簡単に手に入る程情報が氾濫し、また本も安く手に入る社会がどんなものかを理解できない馬鹿です。
|
| お願いだから情報や知識の価値を軽くみないで下さいよ。
| これだからネット世代は……
| 「ネットの登場以前」「テレビの登場以前」「新聞・通信機の登場以前」「活版印刷の登場以前」
| とちょっと考えただけでも、それぞれ雲泥の差でしょう？
＼
￣￣￣￣￣￣＼|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
. // / / ,′ '. ｉ ｉ ＼
// / / | .ｉ､ 孑ー-L '. ｉ .ｉ '.
// / , ,′ .ｉ | | ﾊ '. |､ | ﾊ | .ﾄ､
′ / / .| |＼八 ﾄ, | .ｉ| ＼_|__ , ,ｉ | .| ソ
. . |. . ｉ | .i,Ｘ´｀ ヽ ｝|| ﾘ_ｨ⌒゛ﾞヾ | ｉ ﾄ | |
ｉ | |. ｉ| 八 | .ﾄ､ ヽ＼ ＼ ｝ | .:.:.:.:.:.| ﾄ. / ﾘ |
| | |. |.| ヽ人 人 ヽ ,ニ､､ｿ､ :::::::::ﾘ| | /,ｲ | |
| | |. | | ヽ ヽ ｀_〃´ ｀ ヽ _ノ ) / | | 八
| | |. | .| ヽ､ヽｲｉ .:.:.:.:. ／,￣‐ヽ Ｕ /| | ＼
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. 八{ 人ﾍ ﾊ.ﾄ､ト､ { ｉ｀Y´｀､ ゝ_′ ﾉ / |.∨ | ＼＞─,､＼
＼ ＼、｝ ヽ ＞ ､ | ､_ﾊ ＞ｰ‐ ´. ／ ト{ レ´:::::::::::{:::｝ ＼
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473 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/04(土) 14:03:47 ID:Rl9vlPVA [4/4]
＞もしハウツー本が存在したとしても５年くらい勉強しないと無理だったらできてもやらないだろうな・・・
それができるならニートなんてしてませんって。
しかも長年のニート生活で思いっきり緩んでますからね。
／ / l ＼ l l
/ l ＼ ヽ l｜
/ / l ｜ l l Y ﾊ l｜
/ / {｜ l l ､L__l__l_ i l l !
/ l /l_L イ jl l ハlヽ「T ﾄ }j ! 要は「楽して俺ＳＵＧＥＥＥしたい」んですよね？
jl l ! ‐''「 ﾄl l ﾄ、 j!l 从斗ミx}ﾊ l l ll } しかも「一応はがんばった」気分で。
l ! ll l ﾊ l>云ミx＼ / ﾉ〃f{l犾 }》 } l ﾄ V ﾊ
l l l ! {7( 代令j}` ヽノ 弋竺ｼ // j j メ /
! ! l l { 人ヾ ゞﾆｼ ｰ-‐' // / =彡'"＼
｜λ l ﾄﾄ＼ ﾄ＼ 冖" ヽ ;:;:;:ノ j／j/ l
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j /r:::"⌒｀ヽ､ ミ__＞ ヾ ノ Ｕ ／l / l !
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さすがに神レベルは無理とはいえ、結構いいおつむとチート成長あげてる筈なんですけどねえ……
>>468
＞実際に初歩の魔法を使えるようになるまで５年勉強しなきゃならない技術って、一体誰が"発見"したんでしょうね
＞過去には亜神クラスが大勢いて彼らが体系化したのか、神から直接与えられたのか
＞"才能がある人間"程度じゃ、何万人いても何千年かけようとゼロから生み出すのは不可能でしょうね
＞なにしろ、実際に初歩の魔法が使えるようになるまで全く形にならないんだから
それだけ今の魔法学が進歩したということでしょう。
蛍光灯を中世の人にいきなり見ても理解できないのと同じことです。
あと「古代語」を使ってることからして、手本があったのかも？
ではまた。
474 名前：1 ◆WeAPMvKLVc[] 投稿日：2014/10/04(土) 19:27:18 ID:KqHRgHoQ
追加>>468
＞神から直接与えられたのか
ああ、それもありましたね。
この世界には女神の祝福（邪神の呪い）であるスキルとレベルが存在し、
所有スキルに関連する行動をとった際にはレベルに応じて補正されるのですよ。
ちなみに補正は某剣世界に準じ「レベル＋該当能力値ボーナス」。
関連スキルが無いと補正は当然ゼロです。
つまり、レベル1とゼロの差が凄く大きいんですよね。
逆に言えば「その行動に対する難易度が大幅に低下する」ということで……
475 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/04(土) 20:34:35 ID:1DWkauI.
乙
このやる夫一人っ子か
妹がいればもう少しマシになってただろうか
476 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/05(日) 15:33:38 ID:vvLgx6W2 [6/6]
解説乙です！
おっそろしいのは、このやる夫に家族への情愛がほぼ感じられない点だｗ
477 名前：名無しさん[sage] 投稿日：2014/10/05(日) 17:30:22 ID:snd7lstI [4/4]
解説乙です
スレイヤーズ世代の自分としては魔法って
魔力があって呪文を詠唱すれば発動する
っていうイメージが強いんですよね
アレンジするには理解が必要っていう点は同じですけど…
