3 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:33:41 ID:+BFLuqNT [3/50]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
准男爵とは、いわゆる「地方貴族」の上位であり、地方政府各職種において
下位の士爵（平貴族）――彼らは基本的に政治に直接関与できない――を統制し、
各分野の上級エキスパートとして地方政治の中核を担う重要な爵位である。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
～～一例（武官系貴族の場合）～～
／]＿＿／]
／ ＼ 抱席の士爵です。原則として大尉以上にはなれません。
/ _ノ ', がんばっても営門少佐がいいとこですね。
〉 O O | すごく優秀か手柄を重ねれば、退職数年前に少佐になれますが……
＼ ＿＿ ／ それに階級が上がったところで、やはり原則として「役持ち」には
γ⌒) く なれないから、基本的に一生一騎駆けの武者です。
| |
| |
. ／＼_＿＿__／＼
. ／ ＼ 譜代席籍の士爵です。出世に関しては基本的に抱席同様ですが、
| ● ● | 下位とはいえ役持ち（騎士隊隊長補佐等や専門職）になれます。
|. ヽ＿/ .| まあ、とは言っても多少収入差がある程度ですよ。
. ＼. ∨ .／
. ／ ＼
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ | 准男爵です。原則として少佐まではなれます。
ヽ,. | 中佐になるには、よほど優秀か手柄を重ねなければ無理ですか。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | ……或いは、准男爵家でも「上位の家」でないと。
i | まあそれはそれとして、我々は各種役持ちとなり、
ヽ ﾉ￣| / 騎士団の各級指揮官・幕僚となります。
> ´ ￣ ｀ <
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
位禄・役禄・バイト料を合わせた「家の年収」も、抱席の士爵が500エキュー強、
譜代席の士爵が700エキュー弱なのに対し、准男爵は実に1400エキューになる。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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4 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:35:26 ID:+BFLuqNT [4/50]
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
上の額はあくまで（標準的な）「家の年収」であり、各個人のポケットマネーは含まない、
また家禄や家作等の副収入、「役得」は含まないものであるが、
士爵の大半は「家禄や家作等の副収入」「役得」など縁が無いし、
またあっても大したものではない。ポケットマネーとて高が知れている。
だが准男爵ともなると家禄のある家はかなりの大禄だし、いわゆる役得もある家は大きい。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ｒ ､
| ＼
ｰ―-､ ____|＿ ヽ_ ポケットマネーっつってもね～ たいてい「使い道」が決まってるんだわ。
´ ｀ヽ. 一に職務上・個人的なつきあい、二に職務上に必要なあれこれの費用……。
＼/ :, 退職したらこういった出費は減るしバイト三昧できる分ポケットマネーは増えけど、
i' -― ‐- i 長年苦労をかけた嫁さんに旅行の一度や二度もさせてあげないと恥ずかしいし、
l し l 出仕したばかりで色々金に困ってるだろう孫に援助してやらなきゃ格好がつかない。
ゝ､ rっ / ……ああ、新婚時代なら嫁さんへの経費もあるな。
／⌒ ,.-ｰ-､___,ノ^) とにかく、純粋な小遣いなんてごく一部だよ。
｀⌒ｨ 〈 まあそれでも退職すれば、そこそこ余裕はできるけどさ……
ﾞｰ--､ ＼
r‐ ､ , -‐ｫ
| ＼ ／ |
| -――- |
| ／ ヾ |
l/ ー' 〃ー' `, 俺たち平貴族で家禄持ってるやつなんて、譜代席含めてほとんどいねーよ。
i - - ', 准男爵様だって位禄以上持ってる家なんて半分以下じゃね？
| ￣￣｀ ´￣￣ i
i ∪ |__ , -―- ､
ヽ r――┐ / ! __,r‐､
ヽ ｀￣￣´ { ! / ﾉ 〈
＞ | ＼ ,.-ﾉ / /
γ´ >､ Υノ /
{__ ! !;.-' /
＼ | ｲ
f^ヽ ／',
|:.:.:. ヽ ／ !
|:.:.:.:.:.:.ゝ-─-< | . それに「副収入」って言ってもなあ～
/:.:.:.:.:.:.:.:.. u ', 家作なんて、長屋一軒ウン百エキューだし、
,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: , 仮に金があってもいい物件なんてそうそう……
,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ‐- , ま、俺たち平貴族じゃ貯金一択だろ？
!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.: l どうせすぐ「いなくなる」んだからさ。
';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -― /-──- ､
ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.::.: ／ ヽ
／:.:ﾞ"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... / ﾉ
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. | ／
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
であるから、上の額は士爵に関してはどの家も基本的に「だいたいこんなもの」、
たとえ内福であってもこれに「多少毛が生えた程度」であるが、
准男爵家に関しては「これが下限」と考えた方が良いだろう。
（大身の准男爵家は、本当に「桁が違う」のだ！）
……もっとも彼ら准男爵は権力と収入の格差が非常に激しく、実入りの良い一部の技官系や
州や県の指導層になれぬ過半の家は、やはり「こんなもの」なのだが。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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5 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:36:41 ID:+BFLuqNT [5/50]
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さて、准男爵ともなると、様々な「身分に伴う経費」が跳ね上がる。
まず馬を飼い、移動も原則として馬車を用いねばならない。
この経費（馬や馬車の維持費や買換えの積み立て等）だけで軽く100エキューはかかるだろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ﾄ､ ﾊ
| ヽ __/ |
| 彡⌒ミ |
ヽ彡川ミミ ﾐヽ
/ ﾘ ﾘﾘ ﾘ州ヽ-- ､＿ ＿,,, --､,
/ |::::州州 `''─‐‐ '''´´ ::: ｀'‐-､
〈 ｨﾗﾌ |:::::::::: :: ::: ヽ
| 丿:::::: ::: |
| ..::: ::::. ﾄ､ ﾓ
. | ハ / 爪 '､ -=
丿 ./ { ノノ ゝ ミミ彡
ヽ ｝ / ヽ ヽ ,,,∠､,,_イ~ヽ__≠彡彡
ヽ､＿/ ヽ､＼ ､＿_／ >‐‐'´
／ `‐-ｫ､＿,,,/ ／
イ -‐‐ "＿,,,>/ ／ヽ
!,,__,, -‐" ｲ ／＞"
＼__／
/|
/ | ／|
/ L ＿＿_／ |
/´ ＼|
| ´ ヽ | うーん、こいつもだいぶ歳とってきたな～。
| " ＿_ " / 見栄えも悪いし、可哀想だけどそろそろ
＼ ＼/ U / 下取りに出して新しい馬買った方がいいかね？
＞─┬v r＜ 馬車ならこまめに修理に出しておけば、
／::::::::::::::|/: :|:::::::＼ 後はご主人様の魔法で長持ちするんだけど……。
. /:::::::::::::::::::ﾄ､/|::::::::::::`､
/::::::::::/:::::::::l/ヽ|::::::::::|::::`、
/:::::::::/|::::::::::|: : :|::::::::::|:::::::〉
＼:::::::V::::::::::|: : :|::::::::::|::::/
＼/::::::::::::|: : :|:::::::::::V
/::::::::::::::ﾄ､/|:::::::::::::､
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ああ、馬の世話や馬車の手入れ、運転に1人余分に人を雇わねばならない。
専門職とはいかなくとも気の利いた従僕（下男）に専任させて、
相応の手当を加算してやる必要があるだろう。
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6 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:37:59 ID:+BFLuqNT [6/50]
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加えて准男爵は各職種の上位、役持ちであるから、
部下等の訪問者も多い。（またそう思わせねば恥ずかしい）
少なくとも日中は門番の1人も置かねば格好がつかない。
やはり専門職でなく従僕を立たせるにしても、他の仕事もあるから交代で2人、
厩舎担当も含めて最低3人は従僕を雇う必要がある。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
(⌒)
∥
, -――‐- 、 ﾌｩ・・・
／ ＼
/ -――- ヽ 要するに、「貴族らしい生活」ができるのは
i i . 俺たち「准男爵から」ってことさ。
／ ＼ 爵位持ちは伊達じゃないんだよ。
/ __ __ ヽ
'"~ ＼ ／ ~｀`
γ⌒´ ｀⌒ヽ キ'' ｜
/ ┌i i┐ ', (_` し' つ
i | | | | i
| └| |┘ |
∧ ∧
/ ・ / ';,
/ '; / ';
/ ；＿＿＿＿＿＿/ ；
／ ＼
／ ／ ＼ ＼
/´ ( ) |＿＿＿＿| ( ) | 純粋な生活費は、それほど差がある訳じゃないけどなー。
| ///// ( | :| ) ///// | おまけに社交その他の付き合いで忙しいし……。
| ( ) :| | ( (. |
| ) ( | | ) ) |
| ( ) '; / ( ( ／
＼ ) ( ＼／ ) ) ..／
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
女中にしても妻や娘の外出の際には1人は必ず同行させねばならないし、
この増えた人員、広い屋敷の世話もある。
やはり従僕同様、最低3人は雇う必要があるだろう。
つまり男女各3人、計6人を「最低でも」雇わねばならないのだ。(*)
これらの経費・人件費だけで軽く500エキュー超え、
一般的な准男爵家の「家の収入」の4割にも達する計算となる。
（奉公に上がったばかりの「見習い」がいれば、600を越える！）
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※ この他にも「行儀見習い」の侍女がいる場合が少なくないが、彼女たちの経費は基本的に実家が負担する。
7 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:39:51 ID:+BFLuqNT [7/50]
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またその地位や立場上、地元の社交会はもちろん近隣県…場合によっては州都の社交界にも
顔を出さねばならず、その経費――ことに服飾費――は馬鹿にならない。
だから「年収1400エキュー」と言っても半分以上が必要経費、見た目ほど内情は楽ではないのだ。
（それでもなんだかんだで士爵よりも生活レベルが上なのは確かではあるが。）
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,-―-､
. ／ ／ ＼ ／/! 収入があればあるだけ、権力があればあるだけ、
／ _＼／／:::| 「こういった経費」は増えていくからな。
／ - ／／／::::::::/ まさにいたちごっこじゃよ。
// ／￣ ／／／ミ＝=く そしてこれを「忌避する」、そうでなくとも「縮小する」
＼ | .／／／ヽ、ミ三= ヾ､ ということは、「レースから降りる」ことを意味する。
＼ ＼/／／ ＼ﾉｽ、ﾐ＞- } ……底なし沼じゃよ？
＼/'.／:::|. ＼ ｀ー､三ス
/ /!ヽ:::ﾉ_ﾉ ミ＼ 'ﾞ ＼＼_＿＿
. / /:::|t } /｀ｌ__ ﾐﾉ:::: ／￣ ＼
/イ:__ﾍ ヽ.{=├' ヽ/::: ／ . ＼
. /／´ V ﾉ .|⌒/:::／l_ ＿＿＿＿＿ ＿_ヽ
{ .V_／ , ' ￣ ／ .| |
｀ヽ＿_ﾉ- '´―--､＿ﾉ | |
, -‐ ￣ ￣｀ヽ｀ヽ､ | |
_,,､_,,.､､,,..,_,、
,_ｰ''" ﾞ´`'ｰ_､
ﾐヾ.ヾﾞ ｉｌ!|| ｉｌ| j| 〃/ ｲ
ｉ ﾐ rｰ;L!|| ||レｰv〃 彡
}ミ ﾘ八i{ ;; ７'ノ ヽ.ミl
. |､yｰ-⊥L jｰ_´∟-ｰY;| あまり大きな声じゃ言えんが、そこそこ余裕があって、
_lﾐi"r五ニﾞﾃi'Yr五三¨jﾐ! ヒマはもっとある気楽な平貴族たちが羨ましい。
. ｆrｦ:} -‐''ﾗ l_j. }`ｰ- ｝ドi ――そう思うこともあるわい。
!ｈ};{ ｯ彡 /小〉 |:l,ﾘ ま、「隣の芝生は～」の類じゃがな。
. `ﾃj} i}! ,rｆ;巡巡去ﾐ:､ l:ｆく
. 〈ﾘji､l{ 'ﾙ7'"-─‐‐ ）}i |jﾐ｝
r;-‐ヾﾄ.llvﾘ j{ _,,ﾘハ､､,リﾚ'ﾙ'￣ﾍ
_｣ ﾊ |ｌi | ｀ミ､}l ;ｉ!j } {ｌi ,.イ |/ / l.L
-U; ヽﾆＬ_ﾐ ｀ﾐ'ｰ- -‐彡 / /'/ニ|｣
ヽ-‐ ｀ Tヽ＼ ﾐ r´／∠
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8 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:41:11 ID:+BFLuqNT [8/50]
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そんな硬直化した家計であるから、一度借金が嵩むと中々抜け出すことができなくなる。
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ｒ ､
| ＼
ｰ―-､ ____|＿ ヽ_ . そうだな～、借金が嵩んだ場合の返済法といえば、
´ ｀ヽ. やはりまずは「バイトを増やす」だろう？
＼/ :, 普通の家族構成なら、家族総出でバイトに精を出せば、
i' -― ‐- i 平でも年に100エキュー以上の増収が見込めるからな。
l し l ……あまりやりすぎると付き合いが疎かになるし、
ゝ､ rっ / 下手したら「家政」にも影響出るけどな。特に大家は。
／⌒ ,.-ｰ-､___,ノ^) . それに外聞も悪いから、そう何年も続けたくないよなー
｀⌒ｨ 〈
ﾞｰ--､ ＼
| ＿＼ _ ＿／ ＿.|
| | ＞ ￣￣￣ ＜ ||
| レ´ ＼ ｣| . それとバイトと並行して「私生活費を削る」もやるけど……。
∨● ―‐ ∨ . でもなー ぶっちゃけ純粋な私生活費なんて限られてるし、
| ト―┐ u } それすら出入りの商人や使用人の目もあるから、
､ ヽ_ノ ／ . そうそう削れない。雀の涙だ。
＞- ―'''‐- 、
∠_ |
<⌒＞''￣⌒7 /
￣ ＿ ―''⌒ /|
―￣ ￣''''―‐一' |
|￣＼ |￣＼
| ＞――| ',
∨ ∨ それでもダメなら本格的に家計にメス入れなきゃだけど、
{ ● ● } これやるとダイレクトにいろいろ悪影響があるからなあ。
', ┌―7 u/ それにやっぱり「限度」ってものがあるし……。
＞ ー' ＜ . そこそこ額を捻出できるけど、できればやりたくないよな～。
/ ＼ 特に教育費や交際費関連は。
| ｒ y }＼
| |、 / / ヽ
| | 。 / / ヽ
| O / / ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……まあそれでも貴族には「バイトを増やす」という非常手段があるので、
そうそう悪いことにはならないが、ものごとに「絶対」ということはない。
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9 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:42:17 ID:+BFLuqNT [9/50]
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――今回の話の主役？となるストルガツカヤ家も、そのような事態に陥った家の一つである。
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／ ＼
／ ／＼ ＼
,／ ／::::::::::::＼ ＼
,／ ／:i |:::iﾆ|:::i |:::＼ ＼
／ ／ :::: i_|:::i__|:::i_|:::::::::＼ ＼
＿_ ／ ／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼ ＼
＿＿＿ /＼/＼ ／_／::::┌┬┬┐:::::::::: ┌┬┬┐::＼ ＼
/ノノノノ /＿__＼/＼ ＿＿_______! }|￣i|┼┼|i￣|{ }|￣i|┼┼|i￣|{::|￣
,/ノノノノ /::ｌ /|{:::＼/＿/＿/___/! }| i|┼┼|i |{ }| i|┼┼|i |{::|
､ /ノノノノ,/:::::ｌ /|{:::::::::::::::}|￣i|i￣|{|::}|＿i|┼┼|i＿|{ }|＿i|┼┼|i＿|{::|
メ⌒ヾノ ,/:::::: |＿_i|{:::::::::::::::}|＿i|i＿|{[ 三三三三三三三三三三三三 ]
ilil;;::,,'＾~)､ 三三三三三三三三三三}|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
iiiｉｉｉｉ..;;_.. ＾）====================|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
" ⌒) " ）＝= ､､::::::::: ,,ｒ =＝= ､､: |::::: ┌┬┬┐:::::::::: ┌┬┬┐:::::::|
⌒` " ) |/ ,.-ﾞi､:: ｨi'‐､ ﾞ､| /.,-ﾞi､| }|￣i|┼┼|i￣|{ }|￣i|┼┼|i￣|{::|
ｖｊノ/"' ⌒'"）||￣|￣|:: |￣|￣||￣|￣|| }| i|┼┼|i |{ }| i|┼┼|i |{::|
|:l{'" ,､_ノ'ﾞ . || | |:: | | || | || }| i|┼┼|i |{ }| i|┼┼|i |{::|
:ｉ:lｰ'i "|＿|＿||＿|＿|:: |＿|＿||＿|＿|[ 三三三三三三三三三三三三 ]
:|:ﾍ､!:: |＿＿＿＿＿|:: |＿＿＿＿＿||::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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10 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:44:27 ID:+BFLuqNT [10/50]
| ＿＿＿＿
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| (`),/| /ヽ(゜,) |:.:ヽ.○ノ..:.|
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|＿＿＿ /|ヽ ＿＿＿＿______.γ' `, ＿＿＿＿＿＿
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／ | ┌' .:.:.:.:| .:.:.:|
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'i, 'i,
） ',',',',') ＿＿＿＿＿＿___
i',',',',',',',',')_／;j ／ /l
|＿＿____,,j／ ／ //i|
ｰ┷ｰ iニニニニニニニニﾚ
|il |i|
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i | クーニャ、お前の夫となる方が決まったぞ。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
11 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:45:32 ID:+BFLuqNT [11/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
その日、クドリャフカは両親に呼び出されると、そう告げられた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ わふ……。
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 。 ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ストルガツカヤ准男爵家長女
県立オーリヤック魔法学校女子中等部4年
クドリャフカ・アナトリエヴナ・ド・ストルガツカヤ（16）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
12 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 16:45:54 ID:dncwDyKv
ひゃっはー！新鮮な投下だぁー！！
13 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:48:09 ID:+BFLuqNT [12/50]
,. '´ 丶、
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l /// ヽ ヽ. ,ﾚ‐''/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / ｌ l｀'‐!-// ﾞx''"j l .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ （つ、ついに「この日」がきたですか！）
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ はい、わかりま――
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 u .ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ´｀ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ……そんな訳だから、明日にはその方のお屋敷に引越だ。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 身の回り、最低限必要なものだけでいいから、
i | 今日中に荷物をまとめておきなさい。残りは後日送る。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
14 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:49:22 ID:+BFLuqNT [13/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
父の言葉に、クドリャフカは困惑した。
いや、前半――「自分の夫が決まった」ということに関しては、
その反応からもわかるように覚悟していた。
……というか、学生時代に相手が決まる、親が決めることなど別に珍しいことではない。
むしろ当たり前の話であり、困惑する方がおかしい。
学生時代の結婚とて少数派と言えば少数派だが、それだって「よくある話」だ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ わ、わふ……？
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
まあさすがに犬猫でもあるまいし、「明日結婚しろ」というのは異例中の異例――
これとて例が無い訳ではないが――だろうが、それだって覚悟していた。
だから、そんな理由で困惑したのではないのだ。彼女は。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
15 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:50:14 ID:+BFLuqNT [14/50]
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ あの…… お父様？
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ お婿さんを貰うのではなくて、
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧ わたしがお嫁に行くですか？
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
クドリャフカは小首を傾げて聞き返す。
彼女は三姉妹の長女、跡継ぎ娘なのだから当然の疑問だろう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
16 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:51:23 ID:+BFLuqNT [15/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i | …………ああ、そうだ。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／', わ、わふ～～っ 廃嫡ですか……。
／::::::::::::::::／ ／: ::| | _／ ,ィ | |＼|＼__| ＿＿_ | : : :＼
´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
|:::::::: : : : : : : : : :| , --‐|￣｀ヽ '´￣ |／: : : ＼ |: : : : : : : ::::::::::::〈
〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
／ ／ |: : : : : : : : : :l | | ∧ / / l: : : : : : : : : ::| ＼＼
―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
クドリャフカは情けない声を上げる。
廃嫡されるようなことなど、彼女に身の覚えがない。
だからこれは、純粋な家の事情だろう。
とはいえ廃嫡となれば、家の相続権の順位を書き換えるべく県庁に報告しなければならない。
そして、素直に書いたら認められないだろうから、絶対に以下のような一文が加えられるだろう。
「娘、クドリャフカでは荷が重いため」
……廃嫡などというお世辞にも名誉な話ではない仕打ちを受ける上に、
こんなことを申告されるのである。
「家のため」とはいえ、ちょっぴり涙が出てきた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
17 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:52:54 ID:+BFLuqNT [16/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i | ……いや、お前は廃嫡にはならない。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼ ／:
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼ ―
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ / ＼
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ わふ……？
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 。 ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
18 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:53:42 ID:+BFLuqNT [17/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | むしろ、お前は近い内に家督を継ぐこととなるだろう。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | ――それこそ、早ければ今年中にもな。
i | まあ、と言っても当分は私が代理を務めるから、「名前だけ」だが。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
r‐――‐ 、
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼ | r--- 、 ｌ
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼ └┘ ノ ﾉ
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l i"´／
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ. └┘ わ、わふ？ わふわふ？？？
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ ┌┐ わたし、お嫁に行くですよね？
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉. └┘
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／',
／::::::::::::::::／ ／: ::| | _／ ,ィ | |＼|＼__| ＿＿_ | : : :＼
´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
|:::::::: : : : : : : : : :| , --‐|￣｀ヽ '´￣ |／: : : ＼ |: : : : : : : ::::::::::::〈
〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
／ ／ |: : : : : : : : : :l | | ∧ / / l: : : : : : : : : ::| ＼＼
―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
19 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 16:54:01 ID:5GNe3Jb5
投下ktkr、俺の中毒症も緩和されりゅ！
20 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:54:36 ID:+BFLuqNT [18/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ……そうだな、お前には全てを話しておいた方がいいだろう。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | とはいえ、はてさていったいなにから話せばいいのやら。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ お父様……。
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 。 ｲ/ / l ∧ （お父様も混乱してるです……）
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
日頃、家の内情をなにも教えてくれない父が、そうまで言うのだ。
きっととてもとても大事な話なのだろう。
――そう判断し、クドリャフカはあらためて居住まいを正した。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
21 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:56:19 ID:+BFLuqNT [19/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | まず、お前の夫となる方は、ニューソクデ家の若殿様だ。
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
､__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
_） （_
_） ナ ゝ ナ ゝ / ﾅ＿`` -─;ｧ l7 l7 （_
_） ⊂ﾅヽ °°°° ⊂ﾅヽ /'＾し / ､＿ つ （__ ￣￣￣￣￣￣￣￣ o o （_
） （
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
,. '´ 丶、
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼ て
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼ て
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼ て
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l /// ヽ ヽ. ,ﾚ‐''/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / ｌ l｀'‐!-// ﾞx''"j l .! ,ﾊ わふっ！？ あのニューソクデ家の若殿様ですかっ！？
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ヽフ .u.ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
22 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:57:41 ID:+BFLuqNT [20/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
予想の斜め上の相手に、クドリャフカは混乱する。
ニューソクデ家と言えば大身も大身、1ヵ村の領主様である。
爵位こそ同じ准男爵だが、その格はストルガツカヤ家とは天と地だ。
まさか、その家の若殿――跡取り息子――が相手とは！
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
r‐――‐ 、
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼ | r--- 、 ｌ
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼ └┘ ノ ﾉ
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l i"´／ わ、わふ？ わふわふ？？？
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ. └┘
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ ┌┐ （あ、ありえない…… ありえないです～。
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉. └┘ あのおうちは、うちみたいな「普通の家」が
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／', . お嫁に行けるようなとこじゃないですよ～。
／::::::::::::::::／ ／: ::| | _／ ,ィ | |＼|＼__| ＿＿_ | : : :＼ 身分が違うです。まして、うちは今！？）
´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
|:::::::: : : : : : : : : :| , --‐|￣｀ヽ '´￣ |／: : : ＼ |: : : : : : : ::::::::::::〈
〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
／ ／ |: : : : : : : : : :l | | ∧ / / l: : : : : : : : : ::| ＼＼
―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
百歩譲って、これが次男三男なら――
……いや、それでもやはり有り得ないだろう。
あれほどの家の子弟なら、「是非に」という家は県の内外を問わず幾らでもいるだろう。
ぶっちゃけ、うちなんてお呼びではない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
23 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:58:43 ID:+BFLuqNT [21/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
――と、そこまで考えて、クドリャフカはある重要な事実を思い出した。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
／／ ∠ ＿＿￣｀ヽ ｀l
ﾄ､＿＿＿_＿...斗ﾘ'´ _,ｘ＜: . : . : . :. ≧ト､ V |
:::::::::::::::::::::::::::::::／ ,.ｒ＜: . :.／:.／:.／:／: . : . :.＼!
＼:::::::::::::::::::::: 入 _,..イ::/: . : . :/:.／─: :／: . ﾊ l: . : . :.＼
´￣￣￣´ ＼ /: . ィ: . : . :/ ,==ミ ／:..ヽ:./ l:.l: . : . : ヽ:ヽ
/: . :j{l: . : . / ん::::::ﾊ ／ j/!: ./: . :l .ﾄ､ﾊ
/: . : ..ﾊ: . : .:l 弋ｚﾝ //_:/: . : ﾘ:.l ｀
,.': . : ./:∧: . : l ,ｘ=ﾐ /ヽ:/:∧ﾘ
／: . : .,.':./ ∧: . :!.u , ん::ィﾘ.ｲ:.／:ｲ
／: . : .:ィ── ､ ゝ､! r‐､ ｀¨／ｧ:7:イ:.lj お父様…… ニューソクデ家の若殿様って、
／: . : .／ﾊ ﾞ'ー‐ヽ_｀＿＿,.ｨ≦:. /l:. :./ 既に結婚されてませんですか？
／: . : .／: .ﾊ ｀ヽ ヽ ＼ ｀＾ヽﾞl｀i/∧:/｀ヽ
／: . : .／: . :/ ＼ ＼ Vト ､l─- ､＼
／: . : .／: . : ﾝ ヽ / ﾞ＞x V::Ｖ７´｀ヽ l
: .､───＜ ,x─‐--∨ ｌ ﾄ ::V─‐,ｧ |丶
: . :ヽ / ﾞV＞ｰﾘ | ＼Ｖ j´ 丶|: . :＼
／: ..:＼ / / ﾄ､/ |´:: :: V＼ V: . : ..＼
＿＿_／＞ー───'' ﾝ ＼ |:: :: :: :l/ ＼ V: ＼: . ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
自分の記憶が確かなら、ニューソクデ家の若殿様はもう何年も前に、
やはり格的にストルガツカヤ家とは天と地のササセガワ家の姫様と……。
（というか、もう子供が何人もいる筈だ！）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
24 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 16:59:47 ID:tRptSFT0 [1/4]
ササミさま、頑張ったのに……ｗ
25 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 16:59:52 ID:+BFLuqNT [22/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
だが父は、クドリャフカの疑問を肯定した。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | うむ、ニューソクデ家の若殿様は既にご結婚されて子も為しておられる。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | だが、間違いではない。お前は、彼の方の妻となるのだ。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ お妾…… 。
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ いえ、「妻」ということは側室ですか。
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
26 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:02:21 ID:+BFLuqNT [23/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
クドリャフカ程度の身分では縁が無さ過ぎてあまりぴんとこないが、
大家の貴族が側室を持つ例は現在でも少なからず存在する。
と言っても、これは政治的、家の事情によるもので、単なる好色から来るものではない。
（それはただの「妾」、わざわざ公にその地位を認める必要はどこにもない。）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ （えっと、確か、「側室」ってことは、
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ いちおう結婚するってことだから、
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ 妻なんですよね？ ……たぶん。）
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧ ｷｮｳｶｼｮﾆﾊ ｿｳｶｲﾃｱｯﾀﾃﾞｽ…
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
考えてみればニューソクデ家は大身だし、何より今代で急成長した家で、子供も若殿様1人……
ここまで条件が揃えば側室を持っても不思議ではない。というか、むしろ「当然」だろう。
……まさか、自分が「そう」なるとは思ってもいなかったが。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
27 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:03:30 ID:+BFLuqNT [24/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ……そうだ。お前はニューソクデ家の若殿様の側室となる。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 側室故にあまり大っぴらに披露もできぬが、耐えてくれ。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ （……そっか、結婚式できないですか。
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ 残念だけど、仕方ないですよね……？）
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ ……はいです。
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼＼
28 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:04:21 ID:+BFLuqNT [25/50]
i| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:
l| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:
:| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |:
:| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |: （それに、うちにそんな余裕は無いから……。
:| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |: だから…… むしろ、「助かった」かもです……）
| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
:| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |i
| :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; |
:|::;:;:;:;:;:,. .,:;:;:;:;:;::|:
:/:::. |:
:/: |:
//: |:
//: |: ｷﾞｭ…
:/: |i
ｉ,': ||
l|: |:
:|: ,::.. |:
:|: ／::.:.:. |i
i|: /￣｀ヽ::. ||
:|: | .::ノ:::. |:
:|: | :／ ＼ /: /: //:
:ヽ＿＿_人.＿＿_＿_／:. ／_／´
29 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:05:19 ID:+BFLuqNT [26/50]
, - ､
_r.ヽr ‐ヽ ＿＿
ﾉ､＼厂'／ヽ , ニヽ'´ ｀ ､
{､_ソ ／ ヽ ／ y ノ ﾉ ＼
ゝ' .ﾑ .-― // ／／ ／ ￣ /―＼
ヽ ／/∧／／ ﾌヽ`二彡.／ ∠ -―ヽ. ヽ
ヽ ／// ／ ／／ / ／ .／ｌ l ヽ ヽ ',{只ﾏー〈
ﾏ// ∠.／// :/ .. イｌ | | | ', }.ィ ', :', （それに、側室とはいえあんな大家に嫁げれば、
∨////// / ,.ィ´‐|-l.､| l | N |ヽ／l | | ',. ', きっときっとおうちの助けになります！）
∨//// /{＿ ／{ |l | :l,⊥lﾒ. リ ﾍ ⊥!_| :| ',
∨// ////:{ | | !/んハ ｲトハ.〉 | ',､ わかりました！ わたし、若殿様の妻になるです！
∨＿/////:| || |､ :|'弋zり 弋zり .ﾊ | ',＼
∨//////j /|N `小. ´ , '-v ｀/ﾉ| :| ',､ ＼
ﾏ/////ﾚ//{! |-ﾍ V ﾉ . ｲ Ｎ | ',＼ ＼
∨///////l | .＞ , .二. ＜{-l j ﾉl! l l ヽく
∧//////|＼_! .ハ ヽ ／／! ﾚ | | |
/ ∨////j / // ヽr 不.／ | | l!､ .| |
/ ∨// }/ // /Ｖ.ﾄ∧ | | | ヾ. l
; ∨//! { l ／￣ロ￣＼ j ./| | ∨
| ∨ | | | ／ / l! `:く l / ∧
| Ⅵ.ハl >､ /{ l!| ／ ﾚ ／／',
| ヽ､ / .厂 | l !ー く ＼ ／／ ハ
| }{ ＿/ l! l | l j二 ／ ハ
/＼ /＼
/ ＼ / ＼
/ ﾞ'----''"´ ヾ
/ ｀:､
/ ｀:
| i
| ノ ' |
| .,___., .,___., i うっ、うう……。
､ ''"´｀:､ υ /
｀丶,:' ､. . ）___Д____,,.,_,,.;''"
/ / ο
30 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:06:04 ID:+BFLuqNT [27/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
クドリャフカのその宣言に、今まで沈黙を守っていた母が嗚咽する。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
l＾! [〕[〕 ＿＿__
⊂ﾆ ﾆ⊃ |┌─┐ｉ
/7 |｜ｎ ｜| ｜| 〇 Ｏ ０
ｌノ Ｕ ∪ L..二二.ﾉ
l＾! [〕[〕 ＿＿__
⊂ﾆ ﾆ⊃ |┌─┐ｉ
/7 |｜ｎ ｜| ｜| 〇 Ｏ ０
lノ Ｕ ∪ L..二二.ﾉ
/＼ /＼
/ ＼ / ＼
/ ﾞ'----''"´ ヾ
/ ｀:､
/ ｀:
| i
| ノ ' |
| .,___., .,___., i ああ、クーニャ…… かわいそうなクーニャ……。
､ ''"´｀:､ υ / どうか、私達を許して！
｀丶,:' ､. . ）___Д____,,.,_,,.;''"
/ / ο
31 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:06:56 ID:+BFLuqNT [28/50]
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ お、お母様…… どうしたですか……？
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ 許すも何も、わたしは──。
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 r‐-っ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞. ￣ .＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ￣／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
/＼ /＼
/ ＼ / ＼
/ ﾞ'----''"´ ヾ
/ ｀:､
/ ｀:
| i
| ノ ' | 側室と言えば聞こえはいいけど、実際は公認されただけの妾よ。
| .,___., .,___., i . いえ、これが普通のお家ならそこまで酷くはないでしょうけど、
､ ''"´｀:､ υ / うちの事情を考えたら、あのお屋敷でのあなたの立場なんて……。
｀丶,:' ､. . ）___Д____,,.,_,,.;''"
/ / ο
32 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:07:54 ID:+BFLuqNT [29/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | こら、やめなさい！
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 今から不安にさせてどうする！？
i | クーニャの決意に水を差すな！
ヽU ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
/＼ /＼
/ ＼ / ＼
/ ﾞ'----''"´ ヾ
/ ｀:､
/ ｀:
| i
| ノ ' | でもあなた…… クーニャがあまりにも……。
| .,___., .,___., i この子は、たった1人で全てを背負わされるのですよ？
､ ''"´｀:､ υ /
｀丶,:' ､. . ）___Д____,,.,_,,.;''"
/ / ο
33 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:07:55 ID:To0ku0EB [1/2]
事情が気になる
34 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:09:30 ID:+BFLuqNT [30/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そう言って絶句し、泣き伏す妻に父親は軽く嘆息すると、クドリャフカの方を向き話を再開する。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ……クーニャ。我が家の内情、お前も薄々気付いていよう？
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ は、はいです。
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ たぶん、借金がいっぱいいっぱいあるですよね？
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
父は何も話さなかったが、家の雰囲気でわかる。
そして、同格の級友たちとの「差」を見れば一目瞭然だ。
だからこそ自分も小さい頃から我儘も言わず、長じてからはバイトに精を出していたのだが……。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
35 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:09:53 ID:FuE49EAM
まさに今更だな。
36 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:11:08 ID:+BFLuqNT [31/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | 当家の借金の原因は、英雄王時代に生活が華美になりすぎたということもあるが、
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 何より父…お前の祖父がとある一連の「運動」に失敗したからだ。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ 「運動」、ですか……？
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､ u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼＼
37 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:12:30 ID:+BFLuqNT [32/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ああ、そうだ。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 狭義的には猟官運動、広義的には家の格上昇を狙って諸方に運動してな。
i | だが運悪く時代が変わって失敗に終わり、借金だけが残ったのだ。
ヽ ﾉ￣| / ……まあ、時代が変わらなくとも成功した保障もないがな。
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ （うわ～、絵にかいたような転落の仕方です……）
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 r‐-っ uｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞. ￣ .＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ￣／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
それだけだったが、クドリャフカはだいたい察しがついた。
要は「上の方々」と無理な付き合いをした、重ねた結果、という訳だ。
准男爵家とはいっても家禄収入がある訳でもなければ何か役得がある訳でも無い、
出世も並にしかできぬストルガツカヤ家の身代では、あまりに荷が重すぎる。
「こう」なったのもむべなるかな、だ。
（まあ祖父とて勝算があってやったのだろうが……）
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
38 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:14:03 ID:tRptSFT0 [2/4]
どの階級にもアウチみたいな人はいるのね
39 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:14:23 ID:+BFLuqNT [33/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ | そしてその結果、現在の当家の借金総額は7000エキューだ。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
.,i,,_ _,liiiil '!iii iiliil
.___,,,,lllll,,,,,,ﾞﾞﾞﾞ , '!iii ,llll illllﾞ
.ﾞﾞlllll!ﾞ~ﾞlllllﾞ lliiiiiiiiill!!!!!!!!l ,llll illll
,,iil!!ﾞ___,illl!゛ _,iil!ﾞ゛ ,lﾞ′
. ´ .ﾞﾞ!!!!ﾞ´ rll!ﾞﾞ´ iillli
,. '´ 丶、
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼ て
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼ て
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼ て
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l /// ヽ ヽ. ,ﾚ‐''/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / ｌ l｀'‐!-// ﾞx''"j l .! ,ﾊ わふっ！？ なっ、ななせんえきゅー！？
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ヽフ .u.ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
40 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:15:07 ID:LkoV8ISb
博打打ちたがる奴はいつでもどこでもいるもんだな
41 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:16:13 ID:+BFLuqNT [34/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そのあまりの額に、クドリャフカは一瞬気が遠くなる。
少なくない借金があるだろうとは思っていたが、まさか7000エキューとは！
それだけあれば利子だけで年に500や600はいくだろう。
どう考えても利払いだけでやっと、まさに借金地獄だ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l くらっ…
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／', （わ、わふ～～ 無理っ、無理です～～！？）
／::::::::::::::::／ ／: ::| | _／ ,ィ | |＼|＼__| ＿＿_ | : : :＼
´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
|:::::::: : : : : : : : : :| , --‐|￣｀ヽ '´￣ |／: : : ＼ |: : : : : : : ::::::::::::〈
〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
／ ／ |: : : : : : : : : :l | | ∧ / / l: : : : : : : : : ::| ＼＼
―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ | これでもいろいろ精算した額でな。
i | おかげで当家の財産は、今ではこの屋敷とこの屋敷内にある
ヽ ﾉ￣| / （身分的に）最低限の家財道具だけだ。
> ´ ￣ ｀ <
42 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:17:15 ID:To0ku0EB [2/2]
出世するにはまじめに働くのが一番良いんだよな…
43 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:19:11 ID:+BFLuqNT [35/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | 祖父や祖母が亡くなった今となっては、
/ ＿ヽ,, ノ＿ | （バイトの人手が減って）利子を払うのがやっとでな。
i | 元金などとてもとても。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l よろっ…
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ わ、わふ～～っ。
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／', （じゃあ、わたしが今までがんばって稼いだお金は、
／::::::::::::::::／ ／: ::| | _／ ,ィ | |＼|＼__| ＿＿_ | : : :＼ 全部利子返済だけで！？）
´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
|:::::::: : : : : : : : : :| , --‐|￣｀ヽ '´￣ |／: : : ＼ |: : : : : : : ::::::::::::〈
〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
／ ／ |: : : : : : : : : :l | | ∧ / / l: : : : : : : : : ::| ＼＼
―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そうだ、ここまで来たら今まで自分が考えていたような、
「婿の持参金で元金を返す」なんて甘い考えは通じない。
いや、それでも1000や2000は減るだろうし、返済の筋道は立つかもだが、
そんな借金塗れの家にそれだけの持参金を払える婿が来るはずない。
絵に描いた餅だ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
44 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:19:16 ID:LgTCCv4T [1/3]
原作ではまともな大剣で最低200エキューだったか。7000エキューで剣35本分。
それで苦しむほどこの子の家が貧乏なのか、剣というのは貴族にとってもそれなりに高価なものなのか…
46 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:24:30 ID:+BFLuqNT [37/50]
>>44
物価換算でも日本円で1億円、給与水準の低いこの世界の感覚なら、2～3億円以上ですよ？
利子だって住宅ローンみたいな低利じゃないですし。
45 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:21:07 ID:+BFLuqNT [36/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ | おまけに乾いた雑巾を絞るような緊縮財政で、交際がかなり狭く浅くなっている。
ヽ,. | わしはまだいいが、お前の代は出仕したら苦労することだろう。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | そんな訳で、持参金どころかとてもまともな婿養子など期待できん。
i | . こんなことを何代も重ねていけば、爵位を返上しなければならなくなるかもしれん。
ヽ ﾉ￣| / . ……いや、たぶん間違いなくそうなるだろうな。
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ でも、じゃあなんでニューソクデ家の若殿様が貰ってくれるですか？
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ いくら側室だって──
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
47 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:24:40 ID:+BFLuqNT [38/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ああ。 ──だから、家ごと身売りすることにしたのだ。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | だからこそ、「お前」なのだよ。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
＜ _ヽ| || |＼ヽﾍ⌒ ト ＼ _ ┴- ､ て
/＞ ヽ ／‐Y|⌒|| | ＼. ＼ | | iv<´‐､ ＿＿_ヽ__ て
／.:.:.:.//ヽ ヽ' T 7｜ |:!. | ＼ ⊥_|んｖ､ｿ￣!＿＿__＿_| て
／:/ト-ｲ/:.:.:.:.Y | | || | ﾄ､ | イ_):ヽヽ_｣ || |.:.:.:.:.:.| !:.:.|
/ヘ/ |ﾍ／.:.:.:.:.:.|| | |／てヽ ヽ !:::::::::} !.| |ヽ.|.:.:.:.:.:.:＼ヽ| あっ！？
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| ! { l::::::::! ゝ０ｨ | | |∧|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| 个 ヾOﾉ ' _, 〃| | | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ﾍ ﾍ 〃 !￣ ! u.ｵ|/ ∧ !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
／ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| _ﾍi ﾄゝ､ ゝ _ ﾉ ィ/ /l / ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐'´ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼lﾍ ! ヽ 下 T、__ , ! / / ＞/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､ﾍ.| ヽ ＼/」.〈／ / / ／ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./＼
/ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ i ＼|＿∠ヘ_ヽ |./ /:.:.i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ ｀ ‐-
／ ./ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ ! ／.: : : :|.: !: : :＼! |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ ＼
／ / ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ／: : : : /: :jノ､: : : : ＼!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
そこまで言われて、ようやくクドリャフカは当初自分が抱いていた筈の疑問を思い出した。
……どうやら、自分も思っている以上に混乱しているらしい。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
48 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:26:36 ID:+BFLuqNT [39/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ | 当家とて腐っても爵位持ちだからな。
ヽ,. | 単に次三男坊の送り先ならともかく、「家ごと」となれば買い手はいる。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | その中で最も高値を付けてくれた、そして後々有望と思われるのが
i | . ニューソクデ家だったのだ。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧ そ、そういうことだったですか……。
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
父はそういうが、まさに苦渋の決断だっただろう。
このまま潰れるよりはマシとはいえ……
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
49 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:27:51 ID:+BFLuqNT [40/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ニューソクデ家は、最大で1万エキューの支援を約束してくれた。
/ ＿ヽ,, ノ＿ |
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
,. '´ 丶、
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼ て
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼ て
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼ て
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l /// ヽ ヽ. ,ﾚ‐''/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / ｌ l｀'‐!-// ﾞx''"j l .! ,ﾊ わふっ！？ いっ、いちまんっっ！？
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ヽフ .u.ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ __ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
50 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:29:30 ID:+BFLuqNT [41/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | 具体的には、お前の側室入りと同時に借金返済分7000と
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 当座の資金1000の計8000エキューが支払われる。
i | ……その代わりと言ってはなんだが、この屋敷と家財は担保として差し出すがな。
ヽ ﾉ￣| / もっとも屋敷と家財道具合わせても、2000ちょっとがいいところだが。
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´ｌ, /// ヽ ﾞ''‐-.l,,__/=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l -l‐'´l // ＼ヽj ﾞl .! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ え……？ で、でも──
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' " |||/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, u ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
父のその言葉に、クドリャフカは青ざめる。
確かにこの屋敷と家財道具は担保としては全然だろう。
だが、ここをとられたらストルガツカヤ家は根無し草となってしまう。
その時点で爵位は返上、いや下手をすれば──
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51 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:30:32 ID:+BFLuqNT [42/50]
）:::::::::::::::::::::::ヽ ／ ＿ ＼
｀ヽ:::::::::::::::::::::::＼ ム '´: : : ｀ヽ ::::＼
└――-、:::::::::＼ ／: : : :/ : : : : ﾉﾉ :::. ::::: l
｀＞―r-|: : ::￣/￣: ／／ ::::ヽ ::::l ﾍ
＿..-＜:::::::／ ∧――‐‐ 彡'´ :::::', :::| ヽ （く、首根っこ抑えられたです！？）
／:::::::::::::::::／ 〈 ＼￣￣´ ﾉ ::::', ＿ ,ヘ 〉
／:::::::::::::::::／ ∧ ／｀´｀´´〉／ ＿_＿＿_ :::;ヘヽ｀ |／', わ、わふ～～っ
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´⌒ﾍ/⌒ ／ : : : :|／￣￣￣|斗イ /l∧ﾊ ト--||´ ＼: : : : :＼＿＿＿__
＿＿／ : : : : : / | |/ |/ ﾍﾊl＼|| ＿_ ヽ : : : : : : :::::::::::::::|
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〉:::::::::: : : : : :／| ／: : : : : :l ' ' , ‐---‐v、' ' l: : : : : : : ＼|＼＿ : :::::::::::::::ノ
＼::::::::::: ／ / ∨: : : : : : : : ﾄ、| | ィ|: : : : : : : : : | ∧ ￣￣￣
￣￣ / ／|: : : : : : : : :l ゝ-----＜/ ,|: : : : : : : : : :|＼ ＼
／／ |: : : : : : : : : l＼ヽ ＼/ / / |: : : : : : : : : :| ＼ ヽ
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―― ' ´ <＼ |: : : : : : : : : :l Nィ｛::｝|/| |: : : : : : : : : ::| // ＼
／ ＼＼ l: : : : : : : : : :|ﾍ|: : ハ: : l /|: : : : : : : : : :| ／∧ ヽ
／ ／＼＼/|: : : : : : : : : :|: : : :| | : |/: |: : : : : : : : : :|ﾍ／／ ＼ ＼
／ / / ＼: : : : : : : :l: : : :l l: : : :∧:: : : : : : :／ ＼ ＼ ＼ ＼
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | ……そして、残りの2000はお前の妹たちが嫁に行く際の
/ ＿ヽ,, ノ＿ | 結婚費用と持参金として、それぞれに1000ずつ支払われる。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
52 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:31:38 ID:+BFLuqNT [43/50]
＜ _ヽ| || |＼ヽﾍ⌒ ト ＼ _ ┴- ､
/＞ ヽ ／‐Y|⌒|| | ＼. ＼ | | iv<´‐､ ＿＿_ヽ__
／.:.:.:.//ヽ ヽ' T 7｜ |:!. | ＼ ⊥_|んｖ､ｿ￣!＿＿__＿_|
／:/ト-ｲ/:.:.:.:.Y | | || | ﾄ､ | イ_):ヽヽ_｣ || |.:.:.:.:.:.| !:.:.|
/ヘ/ |ﾍ／.:.:.:.:.:.|| | |／てヽ ヽ !:::::::::} !.| |ヽ.|.:.:.:.:.:.:＼ヽ| 妹たちに……。
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| ! { l::::::::! ゝ０ｨ | | |∧|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| 个 ヾOﾉ ' _, 〃| | | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ﾍ ﾍ 〃 !￣ ! Uｵ|/ ∧ !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
／ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| _ﾍi ﾄゝ､ ゝ _ ﾉ ィ/ /l / ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐'´ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼lﾍ ! ヽ 下 T、__ , ! / / ＞/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､ﾍ.| ヽ ＼/」.〈／ / / ／ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./＼
/ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ i ＼|＿∠ヘ_ヽ |./ /:.:.i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ ｀ ‐-
／ ./ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ ! ／.: : : :|.: !: : :＼! |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ ＼
／ / ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ／: : : : /: :jノ､: : : : ＼!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＼ ＼
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | はっきりと言ってしまえば、このままではお前たちの嫁入り費用も無い。
/ ＿ヽ,, ノ＿ |. いや、お前に関してはもっと狭い場所に引っ越して差額で「何とか」と考えていたが……。
i |
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
53 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:32:40 ID:+BFLuqNT [44/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
並の准男爵家なら、結婚費用は持参金を含めても500～600ほどだろう。
1000もあれば、現状よりも「上」の家に嫁げる筈だ。
それに、ニューソクデ家の後押しだって──
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＜ _ヽ| || |＼ヽﾍ⌒ ト ＼ _ ┴- ､
/＞ ヽ ／‐Y|⌒|| | ＼. ＼ | | iv<´‐､ ＿＿_ヽ__
／.:.:.:.//ヽ ヽ' T 7｜ |:!. | ＼ ⊥_|んｖ､ｿ￣!＿＿__＿_|
／:/ト-ｲ/:.:.:.:.Y | | || | ﾄ､ | イ_):ヽヽ_｣ || |.:.:.:.:.:.| !:.:.|
/ヘ/ |ﾍ／.:.:.:.:.:.|| | |／てヽ ヽ !:::::::::} !.| |ヽ.|.:.:.:.:.:.:＼ヽ| ・・・・・・・・・・・・。
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| ! { l::::::::! ゝ０ｨ | | |∧|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
∠:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|| 个 ヾOﾉ ' _, 〃| | | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ﾍ ﾍ 〃 !￣ ! ｵ|/ ∧ !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
／ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| _ﾍi ﾄゝ､ ゝ _ ﾉ ィ/ /l / ∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
-‐'´ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼lﾍ ! ヽ 下 T、__ , ! / / ＞/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./
∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ､ﾍ.| ヽ ＼/」.〈／ / / ／ﾉ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./＼
/ ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ i ＼|＿∠ヘ_ヽ |./ /:.:.i :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ ｀ ‐-
／ ./ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ ! ／.: : : :|.: !: : :＼! |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧ ＼
／ / ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊ／: : : : /: :jノ､: : : : ＼!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ ＼ ＼
54 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:33:43 ID:+BFLuqNT [45/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. | まあ、そんな訳だ。
/ ＿ヽ,, ノ＿ | すまんが家のため、妹たちのためにがんばってくれ。
i | ――ああ、学校は無理なようなら辞めて構わん。
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/,ｨf圷､ ,ｨァ圷､ l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ ﾄ ｒvﾘ ﾄrｲﾊV .ｌ } ∧ ・・・・・・・・・・・・。
/ | | | l 弋炒 弋少' ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀"/l ,' ! .∧
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
──つまり、そういうこと、だ。
既に決定事項。そして、今のストルガツカヤ家にとっては何よりも重大なこと……。
だから、自分は地に這い蹲ってでも若殿様に仕えなければならないのだ。
今までの話も全て、単に因果を含められていたにすぎない。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
55 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:34:58 ID:+BFLuqNT [46/50]
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
けど、それでも――
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. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/ // 丶丶､.l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ V .ｌ } ∧ ・・・・・・・・・・・・。
/ | | | l ミ≡" ﾞ≡彡 ｌ |ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀" /l ,' ! .∧ （きっと、あの子（妹）たちはわたしの分まで
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, ｲ/ / l ∧ 立派な結婚式をしてもらえるです……）
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
56 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:35:53 ID:+BFLuqNT [47/50]
. ────‐／ / / ＼
,ィ:´::::::::::::;;-─‐/ ７´／ ＼
／--'´￣￣,.ィ"´::ヽ__／ ＿＿__ ＼
／::::::::／/ ／＿＿＿ヽ ＼
／::::::::／ / ＿,,ィ∧ 、 ヽ ｀ﾞ─ ､ /
/::::::／~ / ＿_,.=≦´l__/// ヽ ヽ＿l_ /=Y=i ﾊ´
. /:::／ ｀ヽ / l ／l !//｀ ＼ヽj ｀ヽ ! ,ﾊ
/:./~ | | ! |/ // 丶丶､.l j､ ,ﾊ
|/ ,'| ｌ | |/ V .ｌ } ∧ はい、がんばって若殿様にお仕えするです。
/ | | | l x=≡ｭ ｨ≡=x. .ｌ !ﾊ ∧
/ | | | lﾍ "´" ' "｀" /l ,' ! .∧ （わたしががんばれば、がんばりさえすれば……）
. ,' Vﾘ | |. 丶 ､─, ｲ/ / l ∧
/ / Ｖｌ | /＞ ﾆ ＜ｲ / / jヽ ∧
. / / / ! / / ヽ ＼ ／/ / /| | ＼ ∧
/ / / j/ / ＼/~ﾍ／ // ./ .i | Ｖ ハ
/ / ,ｲ / / ∧_∧ /／ / | V ヽ
. / / 〈 ! ,' ／:.ﾊ;;/｀ヽ'´ // / V ヽ
,.' / ! | !. ／:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:＼ // / Vヽ ＼
,.ｲ ,.' ∧ ﾘ l ／.:.:.:.:.:.:/l:::lV.:.:.:.:.:.〉,' ,ｲ ／V ＼ ＼
／ ／ / ＼ ヽ/ ￣ ｀ヽ:/ .!:::!ﾊ:.:_／ i / ／ V ＼ ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
……クドリャフカは、「妻」「夫」といった言葉を使わず、ただそう答えた。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
57 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:36:44 ID:+BFLuqNT [48/50]
|＼ /ヽ
| ＼ / |
i ＼＿＿＿/ |
ヽ,. |
/ ＿ヽ,, ノ＿ | おお、そうかそうか！
i | いや～、これで我が家も立ち直れる！
ヽ ﾉ￣| /
> ´ ￣ ｀ <
＿＿,,.. ＿
_,.イ ,. -─‐- 、｀ｰ- ､
／＿_（ ＞＜ ﾉ ＼
,..─:'´,..‐／/｀ ｰ─‐ " ＼
／::::::::／／:::/ 〉
／:::::::／ /::::::/ ＿ ＿＿＿_＿,,..ィＴ TT´
''´ ￣/ ./::::::::iT'´ ｌ_/_/ ／ |_l_ l | | l
|＿/:::::/~,┤ ´l//／｀ ´ｌ/ｌ/ | | |
／/／~j ! .! | ＿ __ !ｌ | | l
／／l l | ｀'| |´￣｀ , ⌒/ﾘ l /i/ ……では、わたしは荷物を用意するです。
／／ l l | ｌ | ‐ｧ /l ﾘ/|'
／／ / / ∧ ', | ＞ ｒ‐ ＜ l ! ! l （少ない方が、いいですよね……？）
´7' / / ／ ヽ ヽ !≧-k ､ ヽ ./ﾘj
/ / / ヽ ヽl ,.rt;ｔ┴､ Vﾊ
/ / / ＼ V;.;.;.Y;.;.;.;.＼ Vﾊ
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/ / 7￣｀ヽ、 V＼;/l ｌ∨ヽ／V:ヽ
. / / ./ ｀￣￣7;.;.;./;.;! !;.;.;.;.〉 V: ヽ
/ / / ＼/＼l‐'l;.;／ V:.. ＼
58 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:37:13 ID:+BFLuqNT [49/50]
以上、投下終了。
59 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:37:29 ID:v57sIgU3
乙～
60 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:40:04 ID:LgTCCv4T [2/3]
乙です。
>>46
なるほど。あー、ということは逆に言うと、「貴族」といってもこの子の家の場合、経済力で言えば、こっちの世界の中～上位のサラリーマンくらいなのか。
２世帯・三世帯ローンで苦しむ家庭に見えてきたｗ
61 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:42:29 ID:tRptSFT0 [3/4]
乙でした
新家男爵家の結婚費用最低額が3000でしたっけ
まさに桁違い
にしても貴族社会って、恥を気にしなければ、異世界ゴドーさんの早期楽隠居コースが一番幸せそう
まあアレも、実家の確実なバックアップが期待出来るからこそでしょうけど
62 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/23(木) 17:52:48 ID:+BFLuqNT [50/50]
＞どの階級にもアウチみたいな人はいるのね
いえ、さすがにアウチとは意味合いが違うかと。
＞なるほど。あー、ということは逆に言うと、「貴族」といってもこの子の家の場合、
＞経済力で言えば、こっちの世界の中～上位のサラリーマンくらいなのか。
相対的なものではない純粋な購買力換算でも年収2000万円超、
バイトに精を出してる現状では3000万円近い収入でしょう。（収入換算ならこの2～3倍）
ただ作中冒頭で挙げているように、身分に伴う義務的経費が非常に多いので……
＞新家男爵家の結婚費用最低額が3000でしたっけ
いえ新家男爵の場合、最低1000以上です。
3000は両家が出す合計の数字かと。
63 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 17:54:45 ID:tRptSFT0 [4/4]
解説ありがとうございます
なるほど、把握しました
64 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:10:12 ID:n9rVuLBd
投下乙でした
クドリャフカが良い子過ぎて泣けるでほんま
65 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:11:11 ID:h7fChJzj
乙
黒コナがお買い得って言ってたのはこういう内訳だったわけか。
家ごと身売りでニュー速で一門入りという一発逆転技ｗ
66 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:19:45 ID:BmcRze6w
従属家名も手に入る、と
67 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:21:45 ID:chDgyHQ+
乙
まあ、ニューソクデの方も急激に大きくなったから大変ではあるんだよなー。
で、クドリャフカの祖父が失敗したことを長年続けて成功したのがニューソクデ家って感じでいいのかなー？
68 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:24:21 ID:LgTCCv4T [3/3]
解説ありがとうございます。
69 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:34:53 ID:XK3LRxqh
乙です。
両家は爵位こそ同じですが、クド家が一門衆として事実上臣従していくのでしょうね。
70 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 18:42:45 ID:SkP4d2t7
乙ー
あっちもこっちも世知辛い話ばかりだ
幸せそうに見えるのは隣の家は裏を返せば火の車・・・洒落になんねー
71 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 19:06:07 ID:4Ca/Sh3m
おつ！
真面目に働いても将来は見えきってて、それどころか子や孫の将来もわかりきってる…
クドの爺さんががんばっちゃったのも仕方ない事だよね
「召喚」のロイさんじゃないけど、何かしないと埋没してしまう…
72 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 19:17:05 ID:yht8lOhk [1/2]
乙
話的に続かなくてもいいとこで終わってるけど続きが気になるよねｗ
73 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 19:52:31 ID:SnMbE3BI
ほんとに身内でも道具なんだな。
貴族切ねえ…。
74 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:17:56 ID:MXAFz3Qd [1/2]
家屋敷と交際関係を縮小していった先にはデキスギ家みたいな末路しか待ってないしねぇ
爵位相応の魔力維持できる婚姻が出来てるうちにこうやって仕切りなおし出来ないと落ちてくだけになるよね
75 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:25:25 ID:L6h8KdO5
「ニューソクデ家の若様」って平貴族やる夫の子孫？
ニューソクデ家に屋敷と家財を担保として差し出すと言っても、ストルガツカヤ家に返済能力があるとは思えないんだが。
事実上の贈与だけど名目上は貸し借りという形にして、屋敷を担保と言う名目で事実上の人質として差し出したということ？
76 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:31:28 ID:7gCIRVPV [1/2]
この前の話って、どこにありましたっけ？
77 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:35:14 ID:yht8lOhk [2/2]
>>75
まぁ、実質上取り込んで、爵位込みの分家を確保したってとこだろ。
爵位としては一応同格だし、何かあれば本家筋次男なりを養子に出して・・・って事もやろうとすればやれる。
（あからさますぎるからもう少しなんとかするだろうが）
ストルガツカヤとしても、娘ふたりを本来より格上に嫁がせられるだろうし
家も”一応”借金無しで継続できるし、メリットも大きい。
78 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:43:00 ID:RK8sF05r
>>76
三男坊の第１話その７ おまけ
79 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:45:25 ID:7gCIRVPV [2/2]
>78
ありがとうございます、平貴族ばかり探していて見つけられませんでした
80 名前：名無しさん[sage] 投稿日：12/02/23(木) 20:47:44 ID:MXAFz3Qd [2/2]
ニューソクデとストルガツカヤの間に出来た子がストルガツカヤの家督と屋敷を継ぐ事になるわけだな
ニューソクデからの財産分与って形になるのかな、せつねぇぜ
81 名前：名無しさん[ｓａｇｅ] 投稿日：12/02/23(木) 21:04:11 ID:z5rOzZqA
貴族様でもお金の問題からはにげられないか～・・
82 名前：1 ◆WeAPMvKLVc [] 投稿日：12/02/24(金) 07:28:24 ID:xqRppuuL [1/28]
>>73
＞ほんとに身内でも道具なんだな。
ササミ様の件にしたって、これがなきゃ結婚できませんでしたしねえ。
（IFではない本編でも同じ……）
>>75
＞「ニューソクデ家の若様」って平貴族やる夫の子孫？
「平貴族」編のIFです。
「三男坊」編のおまけに……
