魔法少女リリカルなのは×とらいあんぐるハート3SS 第97管理外世界某国現代史(管理局資料より一部抜粋) 同国は第97管理外世界第2位の経済・軍事大国であり、その影響力は極めて大きい。 また同世界史上最長にして現存する最古の国家でもある。 故に同世界を監視するにあたっては、アメリカ合衆国、ロシア連邦と並び最も注意すべきである。 以下、同国近代史の概略を時系列順に列挙する。 【西暦1932年】  ・満州国成立。 【西暦1933年】  ・北満油田発見。 【西暦1937年】  ・日独南伊(日本・ドイツ・南部連合・イタリア)防共協定。 【西暦1939年】  ・ドイツ、ポーランド侵攻。第二次世界大戦勃発。 【西暦1940年】  ・日独南伊四国軍事同盟。 【西暦1941年】  ・ドイツ、ソヴィエト侵攻。独ソ戦勃発。  ・日本、連合国へ宣戦布告。太平洋戦争の勃発。  ・マーシャル沖海戦。米太平洋艦隊壊滅。   勝因   @米軍は太平洋と大西洋に戦力を二分されており、事実上日本軍と互角だった。   A互角ではあったが、唯一航空戦力に関しては空母はもちろん基地航空隊まで動員できる日本軍が質量共に圧倒していた。   B加えて米軍は序盤に潜水艦により“ワスプ”と“レキシントン”(中破後にガソリン爆発により自沈処分)を失い、会敵時には     両者の航空戦力差は絶望的になまでに開いていた。  ・マレー沖海戦。日本軍、陸攻隊の攻撃により英戦艦“プリンス・オブ・ウェールズ”“レパルス”撃沈。 【西暦1942年】  ・南方攻略完了。初期の作戦目標を達成し第二期作戦へ移行(※ただしこの時点で明確な目標は存在しない)。   ・ドイツの強い要請により遣印艦隊編成、インド洋作戦開始。英東洋艦隊壊滅。   勝因   @日本軍の主力はマーシャル沖海戦での被害が皆無だった空母と潜水艦であり旧式戦艦主力の英軍を圧倒していた。   A英軍は事実上のスポンサーである米国の「強い要請」により積極的な戦闘を余儀なくされていた(当初の計画では英軍は     積極的な戦闘を避け、艦隊保全に徹する筈だった)。  ・ドーリットル空襲。日本軍、インド洋より機動部隊を撤収。以後インド洋での作戦は潜水艦による通商破壊主体に。  ・珊瑚海海戦。日本軍、“ホーネット”撃沈、“ヨークタウン”撃破(※ただし空母“祥鳳”沈没、“翔鶴”中破)。   ※海戦に勝利したものの本来の目的であるポートモレスビー攻略は中止。   ※この海戦で米軍は全空母を喪失。  ・ミッドウェー海戦。日本軍、“ヨークタウン”“レンジャー”撃沈、ミッドウェー島占領(※ただし空母“加賀”沈没、“赤城”中破)。  ・第二次ポートモレスビー攻略。米豪遮断作戦本格化。  ・豪州の脱落を防ぐべく、米軍ソロモン侵攻。「ソロモンの死闘」の始まり。  ・米軍、度重なる消耗に耐え切れずソロモンより撤退。「ソロモンの死闘」終了。   勝因   @米軍は既に大型艦の大半を失っており(具体的には「空母の全て、戦艦・巡洋艦の半数以上」を喪失)、戦力的に優勢だった。   Aポートモレスビー、ガダルカナル島、ツラギ島といった要衝を抑えており、地の利があった。   B米軍をサポートする筈の豪州軍が、既に海空戦力を失っていた。  ・豪州、連合国より離脱し枢軸と単独和平・中立宣言。 【西暦1943年】  ・日本軍、旧式戦艦を中心とする艦隊で南米一周。南米諸国の連合国、枢軸国と講和・中立宣言。東南太平洋の連合軍孤立化。  ・南部連合、米国に対し「限定的な宣戦布告」を通告。パナマ占領。  ・日本〜欧州通商路復活。日独バーター貿易開始(日本は資源、ドイツは兵器を含む機械製品)。  ・日本軍、遣欧艦隊編成。ドイツ軍と共同で大西洋通商破壊作戦開始(ただし活動拠点は南米)。  ・米海軍作戦部長、度重なる敗戦に議会公聴会で「海軍に艦も人もなし」「艦が揃うのは一年後、ただし人が揃うのは十年後」と発言。   ※尤もこれは些か誇大な表現と思われる。  ・米国、ルーズベルト大統領失脚。  ・東南太平洋の連合軍降伏。  ・日米和平成立。日本軍、一部地域を除く全占領地より撤退。軍と一部国民の不満を抑えるため、史上初の玉音放送。  ・英国、エドワード8世復位。英独和平。  ・ジョージ6世とチャーチル首相はカナダに亡命、英連邦の半数以上が参加する自由英連邦を組織、対独戦争継続。  ・日独蜜月時代の終了。日本、自由英連邦との水面下での交渉開始。  ・ドイツ、欧州の日本船舶を襲撃。  ・ドイツ、日本に宣戦布告。日本、自由英連邦との交渉本格化。  ・日本、自由英連邦との同盟成立。  ・日本、自由英連邦の仲介で米国・自由英連邦の三国軍事同盟を成立。  ・日本、(対独戦)開戦100日で戦艦“陸奥”を筆頭におよそ10万トンの軍艦と50万トンの船舶を失う。   苦戦の要因   @自由英連邦は「艦も人も不足」、米国は「艦は増えてきたが人が不足」状態のため、日本軍は事実上単独で「ドイツを中心とした     枢軸国」と戦わなければならなかった(※とはいえ、両国のサポートがあったからこそ戦えたこともまた事実である)。   A主戦場は大西洋、戦闘内容は対潜水艦戦主体と、日本軍にとってあらゆる面で想定外のものだった。   B度重なる戦争で経済・軍共に疲弊してきていた(練度・士気の低下)。 【西暦1944年】  ・米国の軍需生産本格化(一時期の停滞により、当初より半年以上の遅れ)。日本、自由英連邦に兵器・物資の大量供与開始。  ・日本を含む連合軍の大攻勢開始。  ・英国本土解放。  ・ポーツマス会談。日米英による大戦後の処理案。米国の「世界における主導的な役割」を日英が承認。   ※尤もこの時点で戦勝国日本と敗戦国米国の立場は完全に逆転しており、現状追認の意味合いが強い。 【西暦1945年】  ・ノルマンディー上陸作戦。  ・フランス解放。  ・ヤルタ会談。日米英ソによる大戦後の処理案。  ・米国、原爆開発成功。 【西暦1946年】  ・ドイツ降伏。日米英及びソヴィエトによる東西分割。冷戦開始。  ・ソヴィエト、原爆開発成功。 【西暦1950年】  ・日本、某大な財政赤字と防衛負担から満州・朝鮮・台湾の段階的な独立承認。   ※ただし現地で要職に就く日本人の多くはそのままだった(もちろん多数の邦人一般居住者についても同様)。   ※また日本人が保有する膨大な民間資産もそのままだったため、強い影響力を維持。   ※更に各国の独立政府は日本が残した莫大な国有インフラの代金を支払うこととされたため、かえって苦しくなった。  ・支那での国共内戦が激化。共産ソヴィエトに後押しされた国民革命軍の大反抗に対し、日本及び米国が軍事介入。   ※ただし米国は日本及び国民党に対する物資・資金を中心とした後方支援のみ。 【西暦1952年】  ・日本、原爆開発成功。 【西暦1955年】  ・国共内戦終結。支那の南北分裂。 【西暦1960年】  ・日本、水爆開発成功。               ・               ・               ・               ・               ・               ・               ・               ・ WWU以後、日本はアジアの盟主として、また米国の最も有力な同盟国として、数多の戦争に参加することとなる。 そして西暦1991年、冷戦終結――だが、日本を取り巻く環境に緩和の兆しは見られない。 いやそれどころか、厳しさは一層増しつつある。ソヴィエトとこれに支援される共産勢力こそ減退したものの…… ・満州でソヴィエト(抑え役)滅亡後暴走気味の北支と睨み合い、 ・アジアで高揚する民族主義や浸透するイスラム原理主義を抑えつけ、 ・そして今また、中東という新たなる戦場に、米国と共に踏み込みつつある。 今後も、その動向には十分な注意が必要だろう。 補足「日本の国力(西暦2007年)」  @面積    46万ku  A人口  15,000万人(世界の約2.3%)  BGDP   65,000億$(世界の約10%)  C国防費  1,600億$(世界の約12〜13%)  ※上の数値は自治領を除いた本国のみの数値。